照る日曇る日第1711回
雑誌「SIGHT」などで十数年に亘って毎年続けられた「ブック・オブ・ザ・イヤー」という対談の中から、2011年、12年、13年、14年、そして2019年と直近の21年分をセレクトした新書でR。
この30年というのは、バブルが崩壊した1990年代から、米国同時多発テロが勃発した00年代、そして東日本大震災がメルクマールになった10年代を、「えいやっ!」と跨いだ、長いようで短く、短いようで長かった30年間を指すのだが、対談者の2人は、毎年毎年その年を代表する何冊もの小説を精選し、吟味し、それらを独自の視点で朝から晩までテッテ的に討論した。そうだ。
そして1年の代表作を、読んで読んでしゃばりにしゃべくりまくると、なんとなく「社会が見えた!」というのだが、あるいはそうかもしれない。
するてえとこの350頁の単行本には、およそ30年分の「小説から分け入る社会発見の鍵と英知」が内蔵されているわけで、1冊税込み1078円は、「物凄く読みでのある、超お得な買い物!」ということになるのでR。
フェイスブックに蛇の動画が出てくると見たくないのについ見てしまう 蝶人