あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

春だから映画のいろいろ

2018-04-15 10:29:37 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1323,24,2526,27



1)ジョージ・ロイ・ヒル監督の「スローターハウス5」をみて

カート・ヴォネガット原作の小説をジョージ・ロイ・ヒルが映画化した。
ドレスデン爆撃に立ち会った兵士の戦争譚を時間軸を超越して自在に描くが原作映画ともさしたる感銘はない。
グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲を劇伴に使う必然性もない。


2)ジョン・スタージェス監督の「鷲は舞いおりた」をみて

ジャック・ヒギンスの原作を才人ジョン・スタージェスが演出した1976年の英国映画です。
欧州戦線で敗色濃厚となったナチスドイツが乾坤一擲英国首相チャーチルを誘拐しようというのだが、ほんとにこんな作戦があったんかいな。
でも主役のマイケル・ケインとドナルド・サザーランドの人物像が魅力的に浮かび上がってくるのはスタージェスの手柄だろう。


3)マイケル・カーチス監督の「ロビンフッドの冒険」

1938年製作のアメリカ映画ずら。
獅子王リチャードに忠実な元貴族ロビンフッドをエロール・フリン、恋人役をオリヴィア・デ・ハヴィランドが演じる。
難しい話よりも、これはこの2人の人気者の恋物語を鑑賞する映画であろう。
なんと東京生まれのハヴィランドは、2018年現在の今日も御歳101歳で健在なのである!


4)ラオール・ウオルシュ監督の「壮烈第七騎兵隊」をみて

エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランドの美男美女コンビによる1941年製作の一大冒険活劇物なりい。
才人ラオール・ウォルシュのメガフォンが、主人公カスターが→南北戦争の紆余曲折を経て将軍となり→第七騎兵隊を率いて→先住民たちに殲滅されるまでの、波乱万丈の生涯をダイナミックに演出して=飽かせまへんて。

      今日よりは鎌倉十二所町内会第4組の組長のわれ 蝶人

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由良川狂詩曲~連載第22回

2018-04-14 09:54:23 | Weblog


第7章 由良川漁族大戦争~くたばれ悪党!



戦いの火蓋が切られて、はや1時間。
さしも若さとスピード、そして美貌を誇る若鮎特攻隊も、多勢に無勢、すでに隊員の半分を失ってしまいました。

これ以上の戦闘は無意味、と判断したケンちゃんは、さびたナイフを振って若鮎たちを自分のまわりに集め、かねて用意の第2作戦に突入しました。

まず生き残った250匹の若鮎たちを、再びライギョ軍団の最前線に配置し、さんざんミニスカートで挑発して、ライギョおじさんたちの突撃を右に左にいなしておいてから、全速力で下流に向います。

そして、あと2メートル、あと1メートルで、今朝ケンちゃんが一生懸命に張っておいた漁網にたどりつくというギリギリのところで、取り舵いっぱい!
ケンチャンは若鮎特攻隊と一緒に左折して、柳の木の根方に緊急避難し、アユたちを先導しながら、漁網の少しまくれたところから、例の地下の大広間へとこっそり逃げたのでした。

雷魚ハルマゲドン
 「くそお、ケンめ! アユめ! いったいどこへ消えやがったんだ。おれたちをサンザンおちょくりやがって。ちくしょう、1匹だって逃すもんか」
雷魚タイフーン
 「おい,兄弟。あれは何だ? 何なんだ!」

ハルマゲドンとタイフーンの前方に、なんだか怪しい水煙が見えます。
それは昨夜の打ち合わせ通り、準備万端てぐすねひいて待ち伏せしていた、由良川じゅうのすべての淡水魚たちとその同盟軍でした。

少し具体的に書き記せば、その構成メンバーとは、以下の通りです。

ハヤ70648匹、アユカケ452匹、イワナ25匹、ウグイ9589匹、アカザ715匹、ムギツク514匹、オヤニラミ17匹、カマズカ569匹、ドンコ5789匹、カワムツ3657匹、オイカワ2679匹、フナ6459匹、コイ3685匹、スナヤツメ25匹、カワヤツメ16匹、アユ715匹、ヤマメ98匹、モロコ8671匹、ニゴイ578匹、ウグイ258匹、ドジョウ1023匹、シマドジョウ124匹、ホトケドジョウ269匹、モツゴ498匹、ワカサギ534匹、ナマズ867匹、ギギ558匹、ウナギ1364匹、オオウナギ268匹、タウナギ25匹、メダカ9046匹、ヨシノボリ6245匹、カジカ502匹などなどの総勢に、無数のトビケラ、カワゲラ、カゲロウ、ヤゴ、カメ、ミズカマキリ、イモリ、スッポン、カエル、カジカ、カワエビ、カニ、タガメ、タイコウチ、モクズガニ、ミズスマシ、マツモムシ、ゲンゴロウ、アメンボウ、ガガンボ、タニシ、カワニナたちを加えた全由良川防衛軍の面々たちが、時速60キロで殺到するライギョたちに向って、大胆不敵に陣営を組んで勢ぞろいしたかと思うと、三三五五次のような歌を、大声でうたいはじめました。

 夕空晴れたら 秋風吹いた
 ごはんがたけたら 晩めしたべよ

 ごはんのおかずは ライギョの天ぷら
 天ぷら食べたら パンツを脱ぐよ

 パンツを脱いだら ポコチン出るよ
 ポコチン出たら ションベンするよ

 ションベンしたなら 水びたしだよ
 水が出たなら ライギョがよろこぶ

 お前がほんとの ライギョなら
 雨ふりどしゃ降り かみなり鳴らせ

 お前がにせもの ライギョなら
 ドクダミつんで お茶飲まそ

 そらそらおいで ここまでおいで
 鬼さんこちら 手の鳴るほうへ

 そらそらおいで ここまでおいで
 大陸生まれの らんぼうライギョ


それを聴いて、怒り心頭に発したライギョたち。
いつのまのやら姿を消したケンちゃんや若鮎特攻隊のことなどすっかり忘れて、目の前でヤンヤ、ヤンヤと口々にはやし立てるもろもろの魚たちに向って、歯槽膿漏の臭い息を吹きかけ吐きかけ、大きな口をさらに大きくひらいて、ものすごく長い背びれをまるでトビウオのようにバタバタと上下動させながらもんどり打って、なだれのように襲いかかったからたまりません。

ライギョたちと由良川の魚たちとの間に、ひそかに張り巡らされていたネットのために、総勢216匹のライギョ軍団は、全員しっかりからめとられて、もはや身動きひとつできなくなってしまいました。

一網打尽とは、このことです。
しかも彼らは普通の魚と違って空気呼吸が必要なために、時間が経つに従ってアップアップ。その日の夕方までには、全員があっけなく息絶えてしまいました。

                                    つづく

 「んなこたあどおでもいいだろ糞して寝てろ」と言い放つ麻生財務大臣 蝶人
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ウラジミール・ナボコフ著「処刑への誘い他戯曲2編」を読んで

2018-04-13 13:11:56 | Weblog


照る日曇る日 第1054回



ナボコフ・コレクションの1冊で小説「処刑への誘い」と「事件」「ワルツの発明」という2つの戯曲が収まっている。

だれもが一度くらいは自分が死刑囚になっって断頭台で処刑される夢を見たことがあるだろうが、これなどはまさにその夢を地でいく1938年刊行の小説。

しかしその物語の展開が、深刻な悲劇というよりはむしろ喜劇的なタッチで貫かれているがゆえに、かえって罪無くして断罪される主人公が陥った不条理な命運への共感へとわれわれの想像が及んでいくような按配である。

ヒトラーが政権を取ってユダヤ人を迫害したり、スターリンが政敵を見境なく粛清していた、ちょうどその頃の作品であるがゆえに、なおさら。

同年に初演された戯曲「事件」は、ちょっと漱石の「道草」と似ていて、過去の亡霊がある日突如出現して、平穏無事であったはずの現在を根底から揺り動かされる事態を、面白可笑しく描きだすが、これまた世界史上の最悪期を背中に負うた非常時の作品であることはいうまでもない。

同じ時期の戯曲の「ワルツの発明」は、後代の原子爆弾の発明とその政治的効用を先取りしたような悲喜劇であるが、究極兵器の出現が、一強による世界平和を実現するどころか、相互不信と分裂、世界人民の絶望的対立の激化を生むであろうことが、結果的に予言されてしまっている。

解説が指摘しているように、非政治的人間であったはずのナボコフの作品に刻印されている、本人にも知らなかった政治性こそが、こんにち只今の作家の現代性、世界的普遍性を浮き彫りにしているもいえよう。


    この人が町内会長だと思うけど挨拶しても挨拶返さず 蝶人
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自由律詩歌 その32

2018-04-12 11:23:21 | Weblog


ある晴れた日に 第505回



せませませま

せみせみせみ

せむせむせむ

せめせめせめ

せもせもせも

せやせやせや

せらせらせら

せりせりせり

せるせるせる

せるせるせる

せれせれせれ

せろせろせろ

せわせわせわ

せをせをせを

せんせんせん

そあそあそあ

そいそいそい

そうそうそう

そえそえそえ

そおそおそお

そかそかそか

そきそきそき

そくそくそく

そけそけそけ

そこそこそこ

そさそさそさ

そしそしそし

そすそすそす

そせそせそせ

    2月3日「鬼は外福は内」と豆まきしたり我が家の3人で 蝶人


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夢は第2の人生である第59回

2018-04-11 11:47:11 | Weblog


西暦2017年神無月蝶人酔生夢死幾百夜



ともかく無茶無茶苦茶な生活をしてきたから、とりあえず食堂でカレーライスを食べ、食後にコーヒーを飲みながら、しばらくはこのボロボロの体を労わって栄養をつけようと思った。10/1

するとハヤシが、「あそこに座っておられるテラオカさんは、なんとか大学の理事をされているから、君のためによいアドバイスをしてくれるかも知れない。ちょっと挨拶をしといたほうがいいと思うよ」と盛んにけしかけるので困った。10/1

ラッシュが終わって電車がすいてくると、A夫人は「今日のランチは「K7」にしましょう。「K17」や「K27」より安くて美味しいわ」とウインクした。電車にはご主人のA氏も乗っていたが、途中の駅の人込みで、車両から弾きだされてしまったのである。10/2

私はなぜだか「国民の敵」の処分を任されたのだが、1)普通に殺す。2)磔にして殺す。3)生きながら八つ裂きにする。の3つから好きなものを選べと命じられたので、秘かに考えていた無期懲役の選択肢は放棄せざるを得なかった。10/3

私は最新型の生霊・怨霊発見カウンターを持っていたので、室内のあちこちにそれを振る向けると、「源氏物語」あたりで激烈な反応があった。10/4

隣に座っていたマルダラノマリアという渾名の女が突然立ち上がって、こんなことを言いはじめた。「こんなことってよくあるじゃない。その時そう言っておくべきだったのに、その時には何も言えず、随分後になってから後悔するようなことが。」10/5

友人と新宿のファイアットホテルの最上階でコーヒーを飲んでいると、突然見知らぬ外国人の男が、私のスプーンを取って、私の右腕に押しつけてにたりと笑ったので、とても気色が悪かった。10/6

上司から北陸出張を命じられ、富山の営業所へ行くと、「所長のタカヤマです」といって現れたのは、なんとタカヤマコウヘイ君だったので驚いた。わが幼馴染のコウヘイ君が、同じ会社で働いているなんて、ちっとも知らなかったが、彼は奇人変人の私のことを、昔から知っていたという。10/7

功なり名遂げたある画家の作品を見ながら、涙を流している白髪の盲目の老人がいた。聞けば、「眼は見えずとも、絵のたたずまいがくっきりと心眼に浮かんでくる」というのだ。10/8

真夜中に突然スピーカーから素敵な音楽が流れてきて、びっくり仰天したのだが、その後もたびたびそういうことが起こるので、音楽が始まると同時に、テープに録音できるようにセットして、それを新曲として発表したら、驚いたことには大ヒットした。10/9

2年間は、なにやかやとやることがあった大学生活だったが、あとの3年間は、まったく無為に過ごしてしまった。10/10

ファシスト政権が音楽統制を強めるてきたので、私はモザールの「レクイエム」を、もはや防空壕の中で鑑賞するしかなかった。10/11

本社の経営企画室のもひもひ課長が突如営業に戻されたので、みんなびっくり。次のもひもひ課長は誰になるのか? ひところはよりまし課長が嘱望されていたが、こないだ自殺してしまったし。10/12

彼はベランダに横たわり、銃を顔の上に乗せて眼を瞑っていた。おそらく私が自殺するためには、銃が必要ではないか、と思っていたのだろう。が、私はいつまで経っても身動き一つしなかったので、彼は諦めたように銃を取ると、それを自分の顔めがけて発射した。10/13

「先生が好きなんです」といいながら、その子が寄りかかってきた。すると生温かな肉の柔らかな感触が伝わってきたので、思わず私はそれを両腕で受け止めてしまった。10/14

「あたし、これから最後のお人形を作るの」というてワカバヤシ・タミは、ミルク色のどろどろの溶液で満たされた地下室へ降りて行った。彼女がそこに身を沈めると、彼女にそっくりのダッチワイフが製造されるのである。10/15

「あいつは、シェイクスピアになりすましたジョン・ペインだ」とタナカ・ソウジが騒ぎ立てるので、私がその真偽を確かめようと近づくと、いきなり自称シェイクスピアがサーベルを抜こうとしたので、私は一発で殴り倒してやった。10/16

寝ていたら、突然家が壊れ始めた。2階がバリバリと壊れ始めて、私がいる1階に落ちかかるので、まるで生きた心地がしないが、2階には大事なものがあるので、階段を上って部屋を覗くと、瓶の中で人間の顔をしたコアラの親子が走り回っていた。10/17

恐怖政治の最中に長く禁止されていたモザールの「レクイエム」の演奏がようやっと許されたので、私はその演奏を久しぶりに教会で聴くことができた。1018

大通りで事故があったようだ。道端に切断された2本の足のようなものが転がり、その左手には、やはり切断された大きなイカの胴体のようなものがあったので、私は「これはいったい誰のものなのだろう?」と、厭な予感がしてきた。10/19

なぜか突然社長になった私は、すぐに部下のタナカに命じて、「全国の工場のどこかで、今も働いているらしい、私の父親を探し出せ」と命じたのだが、私も結局誰かさんのようにお友達&縁故人事をやらかしてしまうに違いないと思った。10/20

その外国の女は、手にしたものを階段の上に置いたまま、地面に降りたち、そこに開いていた穴に、潜り込んでしまった。10/21

イチローは「お互いこの世を生き延びてきた者らを、尊ぶようにしたいでげすな」などとしょもないことをペラペラ喋り続けるのですが、それを聞かされるダイスケこそいい迷惑で、その青ざめた額からは、冷や汗がたらりたらりと流れ出るのでした。10/22

こちらは災害鎌倉です。台風の影響で国道34号線の滑川交差点から小動交差点までの間は、通行止めになっていますので、ご注意ください。10/23

粛々と学校行事が挙行されている最中に、隣の上司が、「リベンジミサイルの時計スイッチを押せ押せ」と強要するので参ったが、押し問答しているうちに、誰かが別の時計スイッチを押して、ミサイルを発射してしまった。10/24

私が防空壕の中に入ると、即時武装放棄を唱える男と、断固徹底抗戦を主張する男が言い争っていたので、なんとか双方の主張を足して2で割った調停案をつくろうとしたが、どうにも無理なので、諦めてしまった。10/25

寒い、寒いと思っていると、やっぱり背中が丸出しだった。これでは寒いのは当然だ。10/26

私が「今から親友の助太刀をするつもりだ」とオオトモ君に打ち明けると、彼は「私も助太刀しよう」という。そして決闘の現場に来てみると、親友のすけっとは他にも大勢駆けつけていて、なんと1対10の対決になったので、私は敵にちょっと同情した。10/27

この人里離れた海水浴場で午後1時に、と再会の場所と時間を指定しておきながら、その男は姿を見せない。頭にきた私は、ざぶんと海に飛び込んで沖に向かって泳いで行くと、人影らしきものが見えた。仰向けになって漂っている男は、紛れもなくイデだった。10/28

宿敵との決戦を目前に控え、寺社仏閣に必勝祈願をしようと近くの寂蓮寺を訪れると、足を引きずって出てきた住職は、まぎれもなくこの前の合戦で相まみえた敵の武士だった。10/29

10メートル位からの距離で私が連続して投げた石は、それぞれ2人の若者の頭に当たったのだが、彼らは私が投げたと知りながら、血だらけの顔で平然として私に挨拶をした。10/30

一晩寝て眼が覚めたら、昨夜枕元にいたはずのバッタは、巨大な緑色のオウムに変身していた。10/31


    ムクドリが水盤の水が飲ねないと騒ぐので氷を割ってあげました 蝶人


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自由律詩歌 その31

2018-04-10 11:25:48 | Weblog


ある晴れた日に 第504回


せあせあせあ

せいせいせい

せうせうせう

せえせえせえ

せおせおせお

せかせかせか

せきせきせき

せくせくせく

せけせけせけ

せこせこせこ

せさせさせさ

せしせしせし

せすせすせす

せせせせせせ

せそせそせそ

せたせたせた

せちせちせち

せつせつせつ

せてせてせて

せとせとせと

せなせなせな

せにせにせに

せぬせぬせぬ

せねせねせね

せのせのせの

せはせはせは

せひせひせひ

せふせふせふ

せへせへせへ

せほせほせほ


 釈迦牟尼はこの末世をなんとみる4月8日はやっとせえのせえ 蝶人

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角川ソフィア版「西東三鬼全句集」を読んで

2018-04-09 11:45:29 | Weblog


照る日曇る日第1053回



 水枕ガバリと寒い海がある

の強烈な一発で前衛俳句の頂点に立った三鬼であるが、「旗」から「空港」「夜の桃」「今日」「変身」「変身以後」「拾遺」と全巻を通読してみると、誰の全集でもそうであるが、凡庸な作品も多いことがよく分かる。

以下、私の好きな句をアトランダムに挙げてみようか。

 絶叫する高度一万の若い戦死
 中年や遠くみのれる夜の桃
 ひげを剃り百足虫を殺し外出す
 びびびびと死にゆく大蛾ジャズ起る

新興俳句の勃興期に句作を開始した三鬼の特徴は、五七五の規矩を超越して「心中の真」を徹底的に追求したことで、その華麗なる詩魂の散乱と、純乎たるパトスの炸裂が、意味内容の解読とは無関係に読む者を魅了するのである。(本書の末尾に置かれた作者自身の手になる「自句自解」が、逆説的にそのことを物語っているようだ。)
 甲虫縛され忘れられてあり
 耶蘇ならず青田の海を踏み来るは
 女医の手に抜かれし臓腑湯気を立つ
 電柱も枯木の仲間低日射す

1940(昭和15)年、「京大俳句事件」に連座した三鬼は特高に逮捕され、以後5年間の表現の自由を剥奪される。

 餅搗きし父の鼾声家に満つ
 菊咲かせどの孤児も云ふコンニチハ
 五月の地面犬はいよいよ犬臭く
 わが悪しき犬なり女医の股噛めり

たかが詩歌の1字1句が、反戦厭戦思想の表明であると警察官によって恣意的に判断され、投獄される状況は、つい最近安倍蚤糞内閣が強行した「共謀罪」法案成立後の、この国の現況であることを、忘れてはなるまい。

 ボートの腹真赤に塗るは愉快ならむ
 梅雨はげし百足虫殺せし女と寝る
 鉄板に息やわらかき青蛙
 暗く暑く大群衆と花火待つ

しかし彼のすべての作品にもまして凄いと思うのは、彼の「西東三鬼」という俳号で、本名、斎藤敬直のサイトウを西東に3匹の鬼がいると「改竄」したひらめきにこそ、彼の才能の真骨頂があるのではないだろうか。

 群衆のためよろよろと花火昇る
 共に寒き凶者非凶者手をつなぐ
 蝮の子頭くだかれ尾で怒る
 栗の花われを見抜きし犬ほゆる



   加藤さんちの枝垂れ桜が満開となり鎌倉浄明寺に春来たる 蝶人



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ワイルドスピード3連発ずら

2018-04-08 11:00:00 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1320,21,22


ジャスティン・リン監督の「ワイルドスピードMEGAMAX」をみて
2011年製作のシリーズ5作目。ともかく猛烈なカーアクションを見せてくれる。2台の車に巨大金庫をつないで大暴走するシーンなんか無茶苦茶すぎるが、まあそおゆう映画だから仕方ないだろう。

ジャスティン・リン監督の「ワイルドスピードEURO MISSION 」をみて
2013年製作のシリーズ第6作目。相変わらずのスピード&アクションのてんこもりで観客を引きずり倒すが、登場人物の中でいちばん美人のガル・ガドットが死んでしまうのは残念。

ジャスティン・リン監督の「ワイルドスピードSKY MISSION」をみて
アブダビの3つの超高層ビルを車ごと次々に移動するは、切り立った崖から車ごと飛び降りるは、ロスの市街戦でミサイルに追跡されるは、ともかくはちゃめちゃなアクション映画ずら。我らが主人公はそれでも死ななかったが、現実はそうはいかず、主人公のポール・ウォーカーは2013年に事故死した。

   次々にあっちこっちが壊れてゆく年をとるとはこういうことか 蝶人
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ムクロジの木の下で

2018-04-07 13:11:58 | Weblog


――岩切正一郎詩集「翼果のかたちをした希望について」(らんか社刊)所収「ムクロジの木の下の会話」を読みてうたえる歌

これでも詩かよ 第238回



空高く聳え立つムクロジの木の下で、私と妻は息子の藝大合格を喜んだ。
もしかすると彼は、ゴッホかピカソのような、偉大な画家になるのではないかと
まるで、獏の一家が夢見るような夢を見ていた。

やがて入学式が始まった。
ちょっとくたびれた感じの初老の学長は、檀上に上ると、新入生を祝福しつつ、
やや不穏なスピーチを垂れた給うた。

「私は諸君に、「おめでとう」は申しません。なぜなら、今日の佳き日、この場にいる皆さんのうち、本当の本物のプロになれるのは、ほんの一握り、いやもしかすると、たった一人かもしれないことを、私は熟知しているからです」

しかし講堂を埋め尽くした新入生と父兄の誰一人として、
彼のいささか不吉な予言に耳を傾けている者は、いなかった。
着飾った親たちの全員が、息子や娘たちの、輝かしい未来を夢見ていた。

その日私たちは、晴れの入学式の記念に、
岡倉天心像の隣に欝蒼と聳え立つムクロジの実を拾って持ち帰り、
おばあちゃんの家の庭の片隅に、だめもとで植えた。

すると驚くなかれ、しばらくすると、ムクロジの実から愛らしい芽が出て、
それを鉢植えに移すと、小さな枝葉は、ぐんぐん、ぐんぐん大きくなって
やがて気が付くと、見上げるような大樹となった。

空高く聳え立つムクロジの木の下で、私と妻は、不惑を過ぎた息子を思う。
今のところ息子は、ゴッホやピカソのような偉大な画家ではなさそうだが、
相も変わらず、毎日毎日、絵を描いているようだ。

歯が痛い歯が歯が痛い歯が痛いなのに歯医者に行けないゆえになおなお歯が歯が痛いのである 蝶人


  次々にあっちこっちが壊れてゆく年をとるとはこういうことか 蝶人

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ジョー・ライト監督の「アンナ・カレーニナ」をみて

2018-04-06 11:52:28 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1319



舞台をオペラハウスに据えて、そこから場面を移動させるというへんちくりんな手法はうざったいが、「絶世の美女」キーラ・ナイトレイをはじめ、原作のイメージに沿った登場人物のキャスティングは上出来。

物語も原作のあらすじをたくみに取り入れてはいるが、アンアを含めて3つのカップルの愛と悲しみの人世をえぐり出す域にまでは達していないずら。


「佐々木様でよろしかったでしょうか?」と聞く電話「佐々木様はよろしくないぞ」 蝶人
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家族の肖像その33~これでも詩かよ第1050回

2018-04-05 11:12:01 | Weblog


ある晴れた日に 第503回



お母さん、海の幸ってなに?
海の中のいいもののことよ。
さっちゃんの幸だよね。
そうよ。

お父さん、笑うと連佛さんは?
「耕さん、アホ笑いしないでね」って言うよ
ぼくアホ笑いしませんお。

お父さん、しっかり食べないと死んじゃうでしょ?
そうだよ。
死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう

ニューバージョンてなに?
新しいかたちのことよ。

お母さん、ぼくマーガレット好きですお。
お母さんも好きよ。
マーガレットどこにありますか?
今は無いのよ。今度植えますか?
植えてください。

お母さん、あしたお赤飯にして!
分かりました。

お父さん、まっすぐの英語は?
ストレートだよ。
まっすぐ、まっすぐ。

ドキドキってなに?
ドキドキすることよ。
怖い?
耕君、怖いことあるの?
ないよ、ないよ。

お母さん、きわめる、ってなに?
めいっぱいやり尽くすことよ。

シブいってなに?
ちょっと塩っ辛いことかなあ。
(父)そうじゃないよ、カッコイイことだよ。
シブい、シブい、シブい

お母さん、ぼくこんどインドネシア行きます。
そうなの、行ってくださいね。

お母さん、感じるってなに?
こうだなあ、って思うことよ。
感じる、感じる。

お母さん、ほんま、ってなに?
「ほんとう」のことよ。

お母さん、ナナちゃん入院したの?
うん。
どこの病院?
フジノ町の病院だって。

お母さん、ぼく海行きたいです。
えっ、海?
今年も海行きたいです。
そうなんだあ、分かったよ。

お父さん、しまった、は失敗した、でしょ?
そうだよ。

お母さん、ありふれたは?
よくある、よ。


朝っぱらからソングポストにて画眉鳥がウグイスの真似をして呵呵大笑 蝶人
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夢は第2の人生である第58回

2018-04-04 11:49:44 | Weblog


西暦2017年長月蝶人酔生夢死幾百夜



失業したので、再び東映でチャンバラのアルバイトを始めた。キラレキラレてとことんキラレ、最後は格別念入りにスローモーションで斬られるのは、私だけにできる得意技なのである。9/1

私は、その有名な大作家の代表作の有名な泣かせどころを何回も読んだのに、まったく泣くことができず、こんなはずではないと激しく困惑してしまった。9/2

ジュンちゃんに忘年会の幹事を頼むと、「幹事代はいくらですか?」と尋ねるので、「16万円の経費からいくらかちょろまかせよ」と答えると、口をとんがらかせて文句を垂れていたが、「お土産は河道屋のそばぼうろだよ」と言うと、ニコニコ顔になって引き受けた。9/2

苦心惨澹創意工夫の結果、とうとう「つねに空中歩行可能なスペースウオーキングシューズ」を完成したというのに、てんで売れないのは、いったいどういう訳だろう。9/3

今夜は酒池肉林の宴ゆえ、極上の美女と山海珍味に加えて、コンドームとバイアグラもさりげなくわれわれ参加者に提供されていたが、誰ひとり見向きもしなかった。9/4

東京の南北で、果物にシロップを入れる/入れないの違いがあることが判明したので、広場に集まった人々は、パパパパッパ/パパパパッパと手拍子を打ち鳴らして、この発見を喜び讃えた。9/4

今晩だけは、女たちを食卓から遠ざけておくようにという指示が出ていたのは、こじれきったクマさんと八っつあんの仲を、私らが取り持ち、和解させるためだった。9/5

フリーターの私は、金に困って天孫の末裔が誕生するや否や、素早く奪取する仕事を請け負ったのだが、いつまで経ってもその兆しがないので、とうとう諦めてしまった。9/6

母校で園遊会が開かれるというので、久しぶりに上京して、懐かしい級友たちと久闊を叙していると、突然一天俄かにかき曇り、雷鳴とともに猛烈なにわか雨が落ちてきたので、我々は着飾った同級生とともに、教育学部の古い建物に逃げ込んだ。9/6

サカモト君とサカイ君と3人で地下街に入ったところで、のろまな私だけがヤクザに捉まって難癖をつけられた。彼奴はボクシングの構えをしながら私のポケットに手を入れ、金を探りながら、「殴るぞ、殴るぞ!」と脅かすので、「たあすけてくれえ!」と私は叫んだ。9/7

バベルの塔、バブルの塔、バベルの塔、バブルの塔、バベルの塔、バブルの塔、バベルの塔、バブルの塔があ 9/8

ねうねうねうみやうみゃうみゃうねうねうねうみやうみゃうみゃうねうねうねうみやうみゃうみゃう 9/9

イデ君と林間空港に戻ってくると、出発便で食い損ねた朝食が、座席の前にまだ残っていたので、腹が減っていたから、食おうかと思ったのだが、3日目の物を食って食当たりをしてもつまらないので、全部捨ててしまった。9/10

路地の先に進んでいくと、お誂え向きの切腹の場所となり、一人の老人が、いままさに皺だらけの腹の皮に脇差を突き立てようとしていた。切腹は型通りに行われ、あっという間に老人の体はふたつになった。9/11

私が彼女を見放したものだから、彼女は敵に捉まって、行方不明になってしまった。9/12

お姫様は、庭の池に「万物の精」を浮かばせて、「それでは、わらわに何か頼みたい者は、あの精に手を触れながら念じれば、その思いは叶うであろう」とおっしゃった。9/13

山の上には、映画関係者が利用する素敵な別荘があった。サイトウさんの紹介でそこを訪れた私は、その年の夏をゆったりと過ごすことができた。9/13

牛乳を飲んで、しばらくしてから、それを胃から取り戻して、貧者に分け与える。それこそがわれわれが発見した一本で二度美味しい、一石二鳥の裏技だった。9/14

「さあシオリの尻をよく見てろ」、とその男が指差したので、シオリのお尻をじっと見つめていると、シオリのお尻の下から、黄金色の大判小判が次々に出てきたのでした。9/15

わが先輩は、リーマンになったばかりの私に、出張とはなにか、出張費とはなにか、その事務処理はどうするのかについて、噛んで含めるように丁寧に教えてくれた。9/15

いつも冷酷無比という定評のあるその紳士だったが、その日は、ちょっと普段と様子が違って、にこやかな顔をして、私たちに、御馳走を振る舞ってくれた。なにか魂胆があるのだろうか?9/16

詩を作ろうとしていたのだが、てんでできず、そのかわりに、短歌が5つ6つできたので、フェイスブックに投稿したら、鈴木志郎康さんだけが「イイネ」をつけてくだすった。9/17

「痛いの痛いの、とんでいけえ!」と叫んだら、本当に飛んで行ったので、調子に乗って「あの塔、倒れろ!」と叫んだら、本当に倒れてしまったので、調子に乗って「○○死ね!」と叫ぼうとしたが、そればっかりは、いかにも憚られた。9/17

私は三越との打ち合わせに出席していたが、突然同じ時刻に伊勢丹、西武、そごう、小田急とも打ち合わせすることになっていたことに気づいて、茫然自失してしまった。9/18

東野英治郎に似ている老パイロットが、高層ビルの最上階に住んでいるので、時々遊びに行く。窓からは山やくの字型に折れ曲がった大河、プールで泳ぐ人たちが見える。老パイロットは、改造した自宅のアトリエに格納している、最新型の小型飛行機を見せてくれた。9/19

老人のマンションの格納庫のとなりは、だだっぴろいフリースペースになっていて、老人は恵まれない子供たちを引き取って、この部屋でひがないちにち遊んで暮らしているそうだ。老人は、先月レントゲンを撮ったら、末期ガンで余命半年と宣告されたそうだ。9/19

彼は、時々ツアーを企画する。その飛行機に乗せた少人数の人々を、世界中の楽しいところ、面白いところにみずから案内するのだ。3か月くらいのワールドツアーだ。料金も格安だし、どうやらこれが最後のツアーになりそうなので、私は来月妻と参加することにした。9/19

あの著名な画家のハシモト氏が、一度ならず二度までも、おのが人生を投げ出して再出発したという話を聞いて、私は衝撃を受けた。あれほどの世界的名声をかち得た人物の生涯に、いったい何があったのだろうか。9/20

もしもあの権力の真空状態にあって、彼奴らが「我々は権力を掌握した」という声明を出しさえすれば、クーデターは失敗し、勝負はついていたのに、彼奴らは、それをするのを怠たるという致命的な誤ちを犯したのであった。9/20

ここはどうやらLAらしいのだが、砂漠の町で開かれている映画の試写会に行くために、広場に止まっているタクシーに乗ろうとすると、法外な運賃をふっかけられて、はてさてどうしたものか、と悩んでいる私。9/21

ブルックナー野郎と、世紀の対決をする羽目になった私は、小田原海岸では、ブルックナーの1番2番3番野郎に挟み撃ちにされ、大礒では4番、茅ヶ崎では5番、6番野郎と命がけの戦いを繰り広げ、藤沢では7番、鎌倉では8番としのぎを削ったが、いよいよ横浜ベイブリッジを舞台に、交響曲9番との世紀の大勝負が始まろうとしていた。9/22

帰宅途中、地下鉄の構内から出たところで、武装した兵士に取り囲まれたので、とうとう内乱が始まったことを知る。私の後に続いていたリーマンたちは、もちちろん丸腰だったが、もはや誰何もされずに自動小銃でバリバリ薙ぎ倒されていった。9/23

父から1000冊の古本を譲り受けた私は、うち200冊をすぐさま魚雷に転換して、夜襲を仕掛けてきた敵の軍艦のどてっぱらに見舞ってやった。9/24

家老の青山大膳に頼まれて、若殿のお守役を引き受けたずぶの町人のわたしは、莫迦殿にえらく気に入られてしまったので、大膳の推挙で苗字帯刀を許され、あこがれの武士になることができた。9/25

町内の音楽鑑賞会で、マーラーの交響曲9番のCDをかけたら、聴いていた爺さん婆さんが、たちどころに牛や馬に変身したので、「なるへそ、これが音に聞く風馬牛か」と、ハタと膝を打った。9/26

横須賀湾の軍艦見物をしていたら、町内会の連中も同じ湾内周遊船に乗り込んできたので、私は最初から彼らと一緒だったような何食わぬ顔をしていたが、本当は後ろめたかったのである。9/27

その夜のレイトショーに行くと、曰くつきの女が待ち伏せしていて、前後左右でうろちょろするので、ゆっくり映画鑑賞を楽しむどころの騒ぎではなかった。9/27

3人の若い教師の発言を聞いた後、私は立ち上がって「本日は私の講義はありません」というと、3人は笑ったが、私は「教師こそわが天職なり」という思いで、胸がいっぱいだった。9/28

CMでアフリカのライオンの撮影があるから、良かったらどうぞと誘われて現地に赴いたのだが、肝心要のコンテが出来ていない。「あなたはプランナーだから今日中に作ってくれ」とスタッフに言われて、大いに面喰っている私。9/29

遠い日本から遙々アフリカくんだりまでやって来たというのに、目当ての美貌の母娘とはまだコンタクトもとれず、したがって週刊誌から頼まれた突撃インタビューも出来ないでいるのだった。9/30

世界最高珍味のひとつである極楽ジュースを、私は一気に飲み干した。こういうものは珍味だからと言ってあまり長く保存しておくべきものではないと熟知していたからである。9/30

  ピアニスト逝き同い年と知りたれど演奏の評価は改めず 蝶人

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すべての言葉は通り過ぎて行く 第56回

2018-04-03 13:25:59 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.291



「生きる喜び」と書かないで、わざわざ「生きる歓び」とオシャレに綴る気持ちは分かるけど、なんだか字面が恥ずかしい。別に「生きる喜び」でいいじゃないか、と思いながら竹橋の熊谷守一展に行ったら副題が「生きるよろこび」になっていた。3/1

3月になったのに、太刀洗の3か所の産卵適地にオタマジャクシの姿は見受けられない。過去四半世紀で初めての緊急事態ずら。3/2

テレビで「選手たちの判断力」と言えばいいのに、「選手たちのジャッジ力」と喋っている馬鹿者がいたけれど。中野なんとかいう怪しい脳科学者も、テレビで同工異曲の換言コメントを乱発しているようだ。3/3

昨日ようやく太刀洗の第3現場にてアカガエルの産卵を確認。例年に比べてずいぶん遅いが、より温暖で産卵に適した第1、第2現場でいっこうにその痕跡が見られないのはなぜだろう。3/4

越路吹雪役が瀧本美織から大地真央、岩谷時子役が木南晴夏から市毛良枝、内藤法美役が長谷川純から吉田栄作に交代したテレ朝昼ドラの「越路吹雪物語」にいたく幻滅。交代前の役者のほうが遥に真に迫っていた。3/5

6月から不法民泊業者の取締が始まるようだが、いかにも遅すぎる行政の対応なり。ここらへんは完全な住宅街なのだが、半年前に突如中国人がヤミ民泊を立ち上げたので、朝な夕なに様々な国籍の観光客がスーツケースを引きずってウロウロしている。3/6

朝日新聞のスクープで安倍蚤糞内閣の屋台骨が揺らぎ、平昌五輪の直後、板門店で南北首脳が会談するなんて、いったい誰が予想しただろうか。3/7

踊りの本質は「重力からの解放」です。踊り手と共に、それを見る人も、その解放を体験する瞬間があるのです。坂東玉三郎 3/8

「今度天地が開けたら、草木も、人民も、山も海も光輝いて、誠にそこら中がキラキラ致して、楽もしい世の穏やかな世になるぞよ。是が誠の神世であるぞよ。」出口なおの「筆先」1903年旧6月4日 3/9

米朝首脳会談決定の報に驚く暇もなく飛び込んできた佐川辞任のニュース。だんだか詰まらない世の中が、少しは面白くなってきたぞ。高杉シンサク3/10

財務省が仕方なく公文書の書き換えを認めることにしたそうだが、ではなんで今まで言を左右にして出し渋っていたのか? その理由を明らめるなかで、麻生安倍夫妻阿呆莫迦トリオの世紀の大陰謀が暴かれていくことになるだろう。3/11

あやべ、で九ちのたけぞさんのやしき、てんしとなるわいな、すいりょ、すいりょ。
あやべ、で九ちのすみさんのやしき、てんしとなるわいな、すいりょ、すいりょ。
あやべみやことなるぞよ。うしとらのこんじん、なおのうしろみをいたすぞよ。出口なお「筆先」3/12

「天網恢恢疎にして漏らさず」とはこのことか。一時は誰もがもう終わったと天を仰いだはずの森友問題が、漸く逃げ切ったと安堵していた安倍蚤糞夫婦の脳天を、多くの人々の恨みを呑んだブーメランのように襲う。いやあ人世まだまだ捨てたものではないずら。3/13

テオドール・クルレンツィス&ムジカエテルナのチャイコフスキー交響曲第6番を聴く。なにこれ? 悲愴というより歌舞伎か新派のギョロ目の悲愴ゴッコ。ただ無暗にかっこつけて粋がっているだけで、詐欺師のこけおどしの超駄盤ではないか。口直しに急いでムラヴィンスキーを聴いてやっと安心した。3/14

森友新旧文書を比べ読みすると、やはり安倍蚤糞極右夫人の登場以降、急激に財務省当局の対応が迅速丁寧かつ特別なものに変化していったことが紙背を徹して読み取れる。そこで問題になるのは眼光の有無と法的証拠、証言であろう。3/15

おととしに続いてアレルギー性鼻炎になってしまった。去年は被害軽微だったのに。ベルリンフィルの醜いビオラ奏者そっくりのブタブタに太った内科医が出してくれたザイザル錠を寝る前に1粒飲んだら、今朝はすっきり。ベルリンフィルが良かったのか?3/16

いくら指揮者の広上淳一が、懸命にバーンスタインの真似をして踊っても飛んでも、N響の音は弾まない。さすがは日本一官僚的な冷感症のオーケストラだ。3/17

妻が森友に加担していることが関係者全員に認知されているがゆえに、例外的な土地払い下げが実現したのだから、妻の政治的関与は明白。公約通り安倍蚤糞は辞任せよ。3/18

財務省公文書の改竄の理由は、絶対権力者とその妻及び有力政治家に対する、官僚たちの森友に関する特例措置に関する忖度である。忖度の存在が証言されたとき、安倍蚤糞一派の少なくとも間接的な関与が証明されるだろう。3/19

アッキーが足を運べば役人が忖度せぬと誰が思うか 蝶人
悪賢い安倍蚤糞は、役人どもの卑屈な忖度を見越したうえで、己が代理人の妻を現地に派遣し、本邦初のファシズム学園立ち上げに協力しようとしたのだ。3/20

北朝鮮、ロシア、中国、アメリカ、シリア、トルコ、サウジアラビア、カンボジア、スーダン、ジンバブエ、ギニア、そして日本。恐ろしいことに、気がつけば世界中で独裁者が跳梁跋扈している。3/21

若い時はコンクールで賞を取って、その勢いで海外オケのシェフになり、しばらくあちこちさすらっているうちに、賞味期限が切れそうになるので、急いで故国のオケに潜り込む。それが大方の日本人指揮者の定番コースという訳だ。3/22

母死して16年。あれからいろいろなことがあったが、永遠の相から見れば、世界も私もなにも変わっていないともいえる。地上をしばらく生きてすぐに死ぬ人世とは、まことに単純なものだ。3/23

13年3月、「2年で物価上昇率を2%に上げてみせます」と偉そうに公言したが、丸5年経ってもてんで実現できない嘘吐きで無能な元財務官、黒田東彦を、罷免するどころか、日銀総裁に再任する。安倍蚤糞の無為無策ここに極まれり。3/24

右翼大好きの首相夫人が、本邦初のファシズム学園創立に血道を上げたので、「総理のためにはエンヤコーラ」と、官僚共が超法規的にひと肌もふた肌も脱いだ、というのが森友事件の本質。すべての犯罪の根源は、「安倍蚤糞夫婦の言動と存在そのもの」に起因している。3/25

「初恋はいつですか?」「スケートに恋したのは3歳の時なので、3歳ということにしておきます」。子供の質問に対する小平奈緒選手の当意即妙の見事な答え。久しぶりに「ユーモアとウイット」という言葉を思い出した。3/26

佐川選手、予想通り公文書改竄の目的や理由、経緯については「捜査中」を隠れ蓑にして徹底的に証言を拒否し、すたこらさっさと遁逃するつもりだな。3/27

KGBの元工作員が大統領の国では、大使館員全員がスパイであってもおかしくないが、安倍蚤糞はどないするねん。3/28

いっけん華やかに映る外交のやり取りの中に、この国の民主主義の根幹を汚染腐敗させている内政の大問題を埋没させてはならない。3/29

3月は別れの季節。福祉施設の息子の担当者がまたしても交代。それでなくても人材不足なのに、トップがどんどん新規事業に挑戦しているので人事異動が頻繁になり、その都度利用者へのサービスが影響を受ける。なんとかならんものか。3/30

中学生の藤井聡太選手と貴乃花親方とどっちが大人か、火を見るよりあきらか。やっぱり親の躾の問題かしら。3/31

    百害はあれども一利なき男豚の顔にてぺらぺら語る 蝶人


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なにゆえに第51回~西暦2018年弥生花鳥風月狂歌三昧

2018-04-02 11:13:23 | Weblog


ある晴れた日に 第502回



なにゆえに2月は突然3月になる誰もが春を待ち望んでいる

なにゆえにジャンクフーズはよく売れるみんなジャンクになりたがってる

なにゆえにあの阿呆犬はわれに吠える今度吠えたらぶち殺してやる

なにゆえにイチローは大リーグからお呼びがかからぬもう3月になってしまった

なにゆえに「そして前を向いた」で締めくくる阿呆莫迦記者の決まり文句だ

なにゆえに私はギターが嫌いなのかあの爪弾く音に耐えられない 

なにゆえに南北首脳は会談する同朋同士で解決したい

なにゆえに財務省は文書を偽造する法より忖度を重視して

なにゆえに横須賀「朝廷」のラーメンは旨い淡白スープが絶妙なるゆえ

なにゆえに安倍麻生は佐川の首をチョン斬るこれでなんとか幕引きしたつもり

なにゆえに今日という日を噛みしめる大震災はいつでも起こる

なにゆえに安倍蚤糞は焦りまくる内に森友外に米朝融和

なにゆえに河野は拉致を持ち出すそんな話が出る場じゃないだろ

なにゆえに麻生は偉そうにしている俺が一番偉いと思っているから

なにゆえにトランプは閣僚を首にする代わりなんざ腐るほどいる

なにゆえに昭恵夫人を引き出さぬそもそも彼女が忖度の元

なにゆえに安倍蚤糞をまだ支持している腐っているのはお前の脳味噌

なにゆえに花粉症なんか平気な顔をしているテレビや芝居に出ている人たち

なにゆえに忖度なんかないという長いものにはみんな巻かれる

なにゆえに8割近くが支持をするライバルを暗殺してきたプーチンを

なにゆえに国家主席を終身制にする習近平は第二の毛沢東

なにゆえに「春分の日」に雪が降る天気予報ってたまには当たる

なにゆえに大相撲春場所は詰まらない贔屓の嘉風が負け越したから

なにゆえにふきのとう舎は担当が変わる施設は人材不足だから

なにゆえに担当職員がどんどん変わる福祉施設は人材不足

なにゆえにトランプは平地に乱を起こす「おらっちのために世界はあるのよ」

なにゆえに新作映画を放映しないNHKは旧作ばっかり

BSプレミアムは再放送が多いもっと新作映画を見せるべし

なにゆえに安倍蚤糞はトランプにすがりつかない「お願いだから関税止めて」と

なにゆえに佐川は忠義を尽くす地獄で閻魔が待っておるぞ

なにゆえに安倍蚤糞は介入していないと断言できる何も言えぬと言い張る佐川が

なにゆえに主語の後で間を置きてWo Wo woと助詞を繰り返す

なにゆえに「あさイチ」はキャスターが変わるNHKの優良番組だった

なにゆえに薬をやめると鼻水が出る花粉症で花見が出来ない


 おらっチは全く信じられまへん丁寧に説明しますと語る男 蝶人
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西暦2018年弥生花鳥風月狂歌三昧

2018-04-01 13:53:49 | Weblog


ある晴れた日に 第502回



まなかいに浮かびし母の面影に丹波言葉で語りかける今朝
とめどなく流れる水を見つめつついたく泣かれし日曜の朝
ただ一度われの頬を打たれしことありき祖父の死を悲しまぬわれを
コウ君が捨てたと恨んでいた歯ブラシが出てきたコウ君ごめんね
妻君が買うてきたばかりの琺瑯を台無しにしてしもうた奥さんごめんね
自殺したフランケン高島が夢にきて「経哲草稿どうだった?」と尋ねる
限りなく黒に近き灰色を白だと白だと言い抜けていく
麻生安倍自民文科省は酷いけど羽生と羽生藤井くんとセリーナちゃんが凄いのでおらっちも負けずにぐあんばろうとぞ思ふ
待ち待ちてついに桜は咲きたれど政界ばかりは真冬の寒さ
校長に若き女性も数見えて日本列島千本桜
左側の2番目の足から歩くアリ熊谷守一しかと見届く
安倍からもトランプからも逃げのびよ逃げろよ逃げろてんでんこ
人が死ぬああ人が死ぬ人が死ぬ 今度は誰だおいらはいつだ
首相夫人が肝を入れても役人が忖度せぬと思えるほどの鈍感
アッキーが足を運べば役人が忖度せぬと誰が思うか
一度聞けば分かるニュースを朝昼晩繰り返すのがメディアの仕事か
仕事なぞてんでできない障害者でも自動的に雇用される世になればいいのだが
李相花(イサンファ)と小平奈緒が肩を組みリンクを巡る姿忘れじうるわし
この国の未来は暗いね若者の多くが自民を支持しているらし
小型車のプレートの黄色が嫌だとはキチョウもカボチャもきっと言わない
ほんとうに80歳を超えたるか翁は玲音ときらきらロック
仔犬のごとく小さきフグリをぶら下げて半世紀超えて生き延びてきたり
われわれは道路の真ん中を走れるんだ園子温の映画が教えてくれた
今日来るか明日来るかと案じつつ何もしないで震災を待つ
神々よ我らから災いを取り除き給えトランププーチン安倍蚤糞
「反原発」を封じて外相になれる人いずくにありや政治家の信念
来週はすっかり忘れてしまうのでこれでもかこれでもかと追悼するテレビ局
ほれみなよあっという間に忘れ去る死んだばかりの有名スタア
狼が息絶えし日の寒さ哉
おおかみが身罷りし日の寒さ哉
九十八の狼去りて2月尽
梅咲けど青鮫見えず庭の中
兜太氏に1句選んで欲しかった金子兜太死す98で
早すぎる死亡通知を嗤いつつその翌日に金子兜太逝く去る死す
フランス語の「鍵」は女性名詞なり男性名詞と思い込んでたが
トウモロコシを一粒一粒はがしつつ丁寧に食べるうちの奥さん
「詩人にね、なりたかったんだ」と告白すれば静まり返る我が家の茶の間
限りなく黒に近き灰色を白だと白だと切り抜けていく
またしてもパスワードを忘れ去りわがパソコンに侵犯せんとす

今年またモンシロ見たるうれしさよ蝶よ花よと楽しげに飛ぶ 蝶人
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