ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

おかき屋辰心 @愛知県知多市

2024年08月29日 | 愛知県(三河)

暑い日が続く7月のある休日、三河まで足を延ばして古い建物が残る愛知県知多市の岡田を訪ねた。散策前に腹ごしらえ。立ち寄ったのは「おかき屋辰心」。店名通り製菓店が営む直売所。そちらは創業昭和21年(1946)だそう。そこに食堂があり、評判のかつ丼がある。かつ丼の亜種を食べ歩いている身としては1度食べてみたかった念願のかつ丼だ。店は古い町並みのある地域の玄関口といってもいい通り沿いにあり、昭和時代によくあった広い駐車場のある”ドライブイン”といった感じ。店に入ると左側に食堂、奥がおみやげ屋になっている。券売機で目当ての「岡田かつ丼」を購入して調理場へ持っていく。調理も給仕も女性ばかり大勢。カウンターに腰掛けて出来上がりを待った。

しばらくして「岡田かつ丼(汁付)」が登場。吸物付き。給仕女性が「たれはかかってますが、足りなかったらこれを。」とボトルに入ったたれを置いてくれた。丼の中はかつの上にゆるい目玉焼きが2つ。かつは細かくカットしてあり丼いっぱいに敷き詰められている。たれはかつにかかっていて煮込んだりはしていない。まずは黄身を潰さないよう慎重にかつを取り出し味わってみる。たれのベースはソースとも醤油ともとれる味わい。どちらかというと醤油よりかな。これだけでももちろん旨いが、満を持して黄身を崩し一緒に口に入れていく。目玉が2つもあるのでマイルドになり過ぎた時には少したれを足したりしてあっという間に平らげた。ただこの吸物は要らないかな。このタイプのかつ丼、元々はかつてこの地域にあった2つの食堂で出していたものを参考に平成21年から出し始めて評判になったそう。その古い食堂にも行ってみたかったなァ。(勘定は¥900)

 


 

↓ 初めて訪れた知多岡田の古い町並み。かつて江戸時代から昭和初期にかけて”知多木綿””知多晒”の産地として栄えた場所。なまこ壁の蔵があったり、古い防火水槽が残っていたり、煉瓦塀が現れたり。古い建物が当たり前のように残っていて現役なのが素敵。散策好きには堪らない地域だ。

 

 

 

 

↓ ゆるい坂道を上っていくと「知多岡田簡易郵便局(旧・岡田郵便受取所)」(明治35年・1902・建造)が見えてきた。昭和41年に閉鎖後、家具屋や八百屋の倉庫になり、平成5年に簡易郵便局として復活。鬼瓦にはもちろん逓信省の「〒」のマーク(写真下4枚目)。現役局舎としては県内最古だそう。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 

↓ 「竹之内資郎邸」(天明年間頃・1781~1789・建造)。知多木綿の木綿買継問屋の鑑札を受け開業し、現在も当時の長屋門と木綿蔵が残っている。綺麗に手入れされて普通に人が暮らしているのが凄い。

 

↓ 「旧・知多貯蓄銀行岡田支店(岡田なごやかサロン)」(建築詳細不明)。明治34年から大正7年まで18年間という短い営業期間だったそう。ごく普通の一般住宅に見えるが金庫とかは残っているのかな。現在は高齢者の施設として利用されている様子。屋外にある水槽に「YOSUI」とローマ字で書いてあるのが可笑しい(写真下6枚目)。

 

 

 

↓ その向かいに建つ「旧・竹中商店」(建築詳細不明)。江戸初期から米や肥料を扱った商店だったそう。蔵は地下に荷馬車を入れる構造だったそうだが、現場ではよく分からなかった。現在も普通に人が住んでいる。

 

 


 

 

おかき屋 辰心 本店 (竹新製菓株式会社

愛知県知多市岡田登り27

 

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