こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

カフカと筒井と芥川賞・・・2011年2月の読書記録

2011年03月02日 | 読書、映画、音楽、美術
2月はカフカがほとんどすべて。読みやすいのだが、読み通すにはあまりにつらい大作。
あまりにつらくて、途中で芥川賞を挟んで読んだ。この2作、内容もさることながら、葉山/逗子と京浜臨海地区という点でも、対照的。横須賀線上にある別荘地と工業地帯。
筒井2作;最近の筒井、集大成と言えるような作品が多い。
これから、学会が多くなるので、大作は読まないように気をつけよう。

2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1550ページ

なんで筒井がこんなアホな本を書いたのだろう、と思い手に取った。朝日で連載していた”漂流”もそうだったが、これまでの筒井作品(がいかにして書かれたか)を振り返るような文章。75歳ということで、それも宜なるかな。私は、蛇蝎をつい先日まで「だこつ」と読んでいた。周りの運転手に悪態をつきながら運転しているし、アホなことはどこにでも転がっている。 なぜ、筒井が、こんなアホな本を書いたかは、最後まで読まないとわからない。
読了日:02月25日 著者:筒井 康隆
Kとの濃密な、でも決して感情移入のできない4日間。郷に入りては郷に従え。従僕、助手が犬のように描かれていたのが象徴的だった。このことについてのフリーダの解説のところで、著者の本編への介入が感じられてしまったのがちょっと残念。Twitterがなくても、人々は社会の不条理性をひしひしと感じていたということか。
読了日:02月23日 著者:フランツ カフカ
誰でもが、こんな育ちをすればこんな風になってしまう、ということか。悪事には手を染めない、その善良な心が底流にあることが、貫多を愛すべき、感情移入すべき主人公にしている。19歳にしては物事をよく考えていて偉い。私の19歳の頃なんぞ、軽挙妄動、傍若無人、最低の人間だった。”ダメ人間”という感想が多いが、私には全くそうは思えない。少なくとも私は主人公以下の人間であったと思える。ところで、文春の吊り広告に著者の紹介に「逮捕歴あり」とあったが、これにはいささか失望した。
読了日:02月15日 著者:西村 賢太
一文一文丁寧に推敲して、昭和40年代にわずかに残っていた言葉を駆使しての文章。技巧が前面に出てきてしまっているのがちょっと。女性の思考回路ってこういうものなのかと、ちょっとのぞきみたような気がした。
読了日:02月10日 著者:朝吹 真理子
ビアズを読んだあとだったので、2番煎じの感が拭えない。筒井版悪魔の辞典も読もうかと思っていたが、先延ばしにすることに。
読了日:02月07日 著者:筒井 康隆

PVアクセスランキング にほんブログ村
読書履歴はコチラで→