不肖コロ健、大学生時代パチスロにハマっていた。大学近くの繁華街のパチンコ屋のパチスロにはずいぶん金をつぎ込んだ。負けが込んでいるのはわかっていても、たまに大勝ちするので、それですった金を回収しているような気になる。マイナスが月に1、2万なら遊びの範囲で許されるだろうと見積もっていたが、思い返せば半分ぐらいに過小評価していたように思う。ギャンブル依存だったといまは思うが、自分なりにコントロールできていると思い込んでいた。当時から付き合っていた妻も誘って一緒にやっていたこともあった。結婚してからもしばらく一緒にやっていたが、いつの間にかやめた。それでも、一人でふらふらとパチンコ屋に何度か入った記憶はある。
数年前、海外旅行に行ったときにカジノがあってやってみた。そこそこ勝たせてもらったが、そのあとの地獄を思い出すとあまり楽しいとは思えず、4、5千円勝っていたところでやめて、食事代に充てた。お金に色はついていないけど、賭け事で勝ったお金で食べるというのはどうも楽しくなかった。
昨日、カジノを含む統合型リゾート実施法案というのが衆議院内閣委委員会で採決されて、いよいよ日本にもカジノが設置されることになった。今度は、どの政治家のどのつながりの人たちが得をするのかわからないが、今までなかったものを作ろうというのだから誰かが得をするのは間違いない。この先、カジノ産業が大きくなってパチンコ屋を圧倒して、駅前の一等地から消えてくれたら、この国の景観もずいぶんよくなるだろうと思うが、カジノもパチンコも両者が共存共栄、新たに多くのギャンブル中毒者が生まれるようになっては元も子もない。それとも、パチンコ屋をカジノに移行させて国で管理しようということなのか。それならそれで悪くは無いのかもしれないが・・・。
私が大学生時代に戻ったとしたら、やっぱりカジノに行くだろうと思う。入場料が6000円とかいうのなら、まずは6000円勝つまで賭ける。次に10000円ぐらい勝ったら、往復の交通費を取るまでということで、さらにつぎ込むし、カジノ内で豪勢な食事でもと思ったらあと30000円ぐらい勝たないといけない。とんとん拍子に10万円勝ったら最初からなかったものとして8万円ぐらいつっこんで、最後にはする。すったあと取り返そうとあと、4、5万はつぎ込む。胴元からお金を貸してもらえるらしいので、それであと5万。学生だから、収入は限られているから、とんでもないことになるのは火を見るよりも明らかだ。学生でなくても、若い人はこういうのにハマりやすいから大変なことになる人は増えるのでは無いだろうか。金がどこにも無ければ人のものを盗るということになんてならないでほしい。でも、最近の犯罪の変容の仕方をみると、このさき、何がどうなって行くのか心配になる。
昔、本宮ひろ志の「俺の空」という漫画の中で主人公がとんでもない額の金をかけて見事に勝つという話があった。ギャンブラーはそういう幻想に取り憑かれて、最後には身を滅ぼす。ギャンブル依存対策なんていくら立てても無駄だ。一定数の人はギャンブル中毒になる。ある意味、中毒になって金を使ってくれる人がいなくては、ギャンブル産業そのものが成り立たない。
私にとっては、タバコと同じで、かつて依存症だった者としては、また依存症のタネが復活したようで、不安になる。私はギャンブル依存になんてならない、大丈夫、なんてことは絶対に言えない。
注意深く避ける