こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

この国の受験システムの異常が招いた悲劇

2022年01月16日 | 日本のこと、世界のこと
 たまには夕焼けの写真。
 夜中にトンガの海底火山の噴火に関連した津波情報で、10分おきに何度も起こされてあまり眠れなかった。その際、寝ている間には警報音が出ない(振動のみ)ようにしたのだが、これでいいのかと疑問に思ったが、目先の睡眠を取った。目が覚めたらお日様はずいぶん高くに上がっていた。

 昨日の東大の前での傷害事件には色々な意味で驚いた。被害に遭われた方の心身の回復をお祈りする。犯人は”医学部進学実績全国No.1の超エリート男子校”の生徒だそうで、愛知県のそんな高校は1つしかないからどこだかわかる。そして、そういう中高一貫校は全国に幾つかある。私が中学受験で入った学校もそんな”一流”中高一貫校だったので、なぜ、そういう屈折した学生が生まれたのか、想像できる。

 そういう”一流”中高一貫校というのは、遅くとも高2までに高3までの全過程を終えてしまう。そうすることで、高3の1年間は志望校の受験準備に当てることができる。そうやって、進学実績を上げることによって、優秀な”小学生”を集める。その戦略自体は間違っておらず、優秀な子にとってはとても良いシステムであり、それ自体を否定するつもりはない。
 だが、そんな勉強についていける子なんてそんなに多くない。学校は一部の成績の良い子に合わせた授業を行うので、ついていけない子は塾に通ったり、家庭教師を雇ったりして勉強する。もちろん、成績の良い子も同じような勉強をしているので、差は開きこそすれ縮まることはない。小学3年ぐらいから中学受験の勉強をして、やっと”良い学校”に滑り込んでホッとできるかと思っていたら、全くそんなことはなく、のんびりしていたらたちどころに落ちこぼれる。
 私は、親に言われるまま中学受験をして母校にすべりこんだものの、入ってみたら自分より優秀な奴ばかりで順位は下から数えた方が早かった。大学受験に向けても、結局、最後まで追いつかなかった。私の自己肯定感のなさはその時から作られたと思っているが、それは中学受験の時から芽はあった。今回の事件の犯人の学生もそんな哀れな思いを抱えていたのではないかと同情する。
 なお、その後の報道でその学生は中高一貫校に高校から入学した生徒だとのことで、それはそれで大変だったろう。

 東大合格者数によって序列化された中学受験という日本の受験システムというのは間違っている。公立高校がいくら頑張っても、開成、灘、筑駒を頂点とする中高一貫校を凌駕することは難しい。結局、そういう学校の中で落ちこぼれが作られていく。東大ばかりが良い学校ではないい、ほかの大学だっていいいところはいい、そんな価値観を生み出さなくては、また、第2第3の今回のような犯人が生まれてしまうのではないか。もっと価値観を多様化させないとこの国の未来は暗い。
なんとかしないと

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