こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

医療崩壊を食い止めるため、1日も早く強力な新型コロナウイルス感染症対策を

2021年08月20日 | 自然災害・事故・感染症
 数少ない家事の一つであるゴミ出しをして戻ってきたらお向かいの奧さんに、

”はい、万願寺とうがらし”


と、両手いっぱいに下さった。実のつきがなかなかよくならない我が家のキュウリも収穫して家に入って妻に見せたら両方とも早速今日の弁当に入れてくれた。
 新型コロナウイルス感染症の感染爆発が止まらない。昨日の新規陽性患者数は22828人で制御不能となっている。自宅療養者の数も増えていて、神奈川県では13740人(2021年8月19日)。念のため入院して様子を見ましょうという状況からはほど遠く、市中広くに感染者がいるということだ。子供の感染、妊婦の感染というようなことが取り沙汰されているが、子供はかかりにくいというのは盲信だったし、妊婦のリスクは考えられていた以上に高かったということだ。

 自分自身、いつどこで感染してしまうかわからなくなっているが、いざ感染しても入院などできず、自宅で安静にしているしかない。一週間程度じっとしていたら治る病気であったら喜んでじっとしているのに、COVID-19感染はそうは問屋が卸さない。下手をするとそのまま肺がやられて死んでしまう怖い病気だ。病床、医療者の逼迫は極限に近づきつつあり、通常医療は崩壊しつつあり風前のともしびだ。心筋梗塞や脳卒中で倒れても十分な手当てを受けることができるかわからない、癌の手術を予定していたのに延期になった、なんてことに自分が追い込まれたらどうするか。病理医のような一見新型コロナウイルス感染と関係のなさそうな立場である私がワクチン接種の仕事に駆り出されている、ということは、病理医としての仕事に新型コロナウイルス感染症が食い込んできているということに他ならない。そして市中感染の広がりは、新型コロナウイルス感染症は感染対策を十分にしてきた人にとっても対岸の火事ではない。

 日本ではエビデンスに基づいた感染対策ができていないとうのは、記者会見はじめ、多くの局面で政府と分科会の意見の相違を目の当たりにする。政治家や役人の面子ばかり優先していたら感染拡大に歯止めはかからない。他の人がトップをやっていたらなんとかなったんじゃないかと思うが、そうもいっていられない。その審判は2ヶ月後にあるので、いまさら体制を変えることはできない。

 世界の感染者数・死者数をみると、日本の感染者数、死亡者数はスウェーデンと同じぐらいで、アメリカ、インド、ブラジルなどよりよほど少ないし、英仏独西伊などにも及ばない。やがてはこれらの国に追いついて飽和状態になっていくのを待っていたら、経済活動の本格再開はどんどん遅れてしまう。この国から経済活動を取ったら、死んでしまう。

”またやったって、効果ないじゃない”

と、バカにされ続けている緊急事態宣言は早急に見直して、強力な施策を打ち出してほしい。進行した病気であっても途中で食い止める、最悪の状態を先延ばしにすることはできる、それと同じことで医療崩壊も今からでも食い止めることはできるし、再生も可能だ。
行動制限を

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