最近、アップルウォッチがそろそろ震えそうだという予感めいたもので目が覚めることが多い。
起床時間まであと、4、5分あるので、ギリギリまで眠っていたいのだが、二度寝は難しいので、そのまま起きてカーテンを開けると払暁の空。
今朝は雲ひとつない。
夜明けが美しい季節だ。
これがもう少し経つと朝起きても真っ暗で、出かける時分になってやっと明るくなるということになる。
世界はますます混迷の度を深め、思考することが苦しく心が弱ってしまう気がするが、それでも多くの情報から私自身の芯になるものを見出していかなくてはいけない。
そんな時役に立つのが読書だ。
残念ながら、医学論文は客観的事実の羅列であって、人間社会を見出すことは難しい。
もちろん、科学技術の進歩の向こうにある人間社会を読み解くこともできなくもないだろうが、少々無理がある。
したがって、生き方に自信のない時、不安を感じるときには誰か他の人の書いた文を読むことにより心に”あそび”のような隙間をつくってやることで、自分の考え方を整理し、落ち着かせる。
今、なんとなく小説を読む気にならないのは、いまだ収まらないロシアによるウクライナ侵攻という、架空の世界をはるかに超越する非道と新型コロナウイルス感染症のせいだろう。
戦争という最悪の悲劇を避けて通ることのできない欧米を中心とした外国文学はもとより、日本文学にしてもマスクによって覆われた社会に人間性を見出すことは難しい。
私はこれまで生き方に自信がなかったからだろうと思うが、比較的多くの自己啓発本を渉猟してきた。
ある意味、こういった本は人の心の弱みにつけ込んでいて、最近はあまり買っていないが、ときどき”気晴らし”ついでに手に取っている。
そんな私が時々開く本が2冊ある。
わざわざ書棚から取り出すというわけではなく、ダイレクトメールやら販促用の月間誌と一緒の棚に置いてあり、手持ち無沙汰の時に読む。
別にこれらの本でなくてもいいのだが、今だに私の手元に残っているという意味では私との相性のいい本なのだろう。
これらは、松下幸之助の『道を開く』とジェリー・ミンチントンの『うまくいっている人の考え方』。
驚いたのは、それぞれを読んだのが、『道を開く』は2014/12/19、『うまくいっている人の考え方』は2015/08/11で、ちょうど閑職に追いやられていた頃に読んでいた。
苦しい時に心を救ってくれた本がいまだに私のそばにいて、心が弱った時にそれを開いているというのは興味深いことだ。
どちらもソフトカバーの小さな本だが、こういうのを座右の書というのだろう。
ちょっと時間がある時、身構えることなくパラパラとページをめくり、生きる知恵、元気、勇気をもらっている。
ユーミンは卒業写真
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