集団的自衛権 Q&A⑤ 憲法上の“歯止め”なくす
Q 安倍晋三首相の私的諮問機関「安保法制懇」とは?
A 集団的自衛権の行使を全面的に可能にすることを検討しています。「海外で武力行使できない」という憲法上の歯止め〟を完全に取り払う狙いです。
正式名称は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)で、第1次安倍政権期の2007年5月に発足しました。
08年に集団的自衛権の行使を求める報告書を政府に提出。今年2月に再開され、新たな報告書を今秋にも提出します。これを受け、安倍政権は年内にも憲法解釈を変え、年末に決定される新たな「防衛計画の大綱」に盛り込む狙いです。
再開された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」=2月8日(首相官邸ホームページから)
全面的な解除
安倍首相は、「公海上で共同行動している米艦船が攻撃された場合の反撃」など4類型について、従来の憲法解釈で可能かを諮問。
同懇談会は08年、これらは憲法上、禁じられている集団的自衛権の行使に該当するとして、憲法解釈の変更を提言しました。
しかし、懇談会の真の狙いは類型ごとに、集団的自衛権に当たるか否かを諮問することではありません。そもそも、日米が共同行動中に米艦だけが攻撃されるという想定自体、非現実的なものです。
安保法制懇の北岡伸一座長代理が、「我々は今回、類型化を目指しているわけではない。法理的な禁止を全面的に解除するということだ」(「朝日」10日付)と述べているように、集団的自衛権の全面的な解禁が真の狙いです。
全て書きかえ
日本政府はこれまで、米側の要求に応じて自衛隊の海外派兵を進めてきました。しかし、集団的自衛権の行使の禁止により、法理上は、日本“防衛”とは無関係の他国の軍事行動に参加できませんでした。このため、海外での武器使用は制限され、「他国の武力行使との一体化」を避けるため、「後方地域」や「非戦闘地域」で活動するという建前になっていました。
憲法上の“歯止め”がなくなれば、歴代自民党政権の安保政策をすべて書きかえることになります。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月21日付掲載
第一次安倍内閣の時に「安保法制懇」なる私的諮問機関ができていただなんて知りませんでした。教育基本法の改悪が焦点に上がっていましたので…。
それにしても、第一次安倍内閣が退陣して、自民党政治まで倒れた後でも、「休眠」で残っていたなんて、なんとまあしぶといことでしょう。
なんとしても、集団的自衛権の解禁は阻止しないといけませんね。
Q 安倍晋三首相の私的諮問機関「安保法制懇」とは?
A 集団的自衛権の行使を全面的に可能にすることを検討しています。「海外で武力行使できない」という憲法上の歯止め〟を完全に取り払う狙いです。
正式名称は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)で、第1次安倍政権期の2007年5月に発足しました。
08年に集団的自衛権の行使を求める報告書を政府に提出。今年2月に再開され、新たな報告書を今秋にも提出します。これを受け、安倍政権は年内にも憲法解釈を変え、年末に決定される新たな「防衛計画の大綱」に盛り込む狙いです。
再開された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」=2月8日(首相官邸ホームページから)
全面的な解除
安倍首相は、「公海上で共同行動している米艦船が攻撃された場合の反撃」など4類型について、従来の憲法解釈で可能かを諮問。
同懇談会は08年、これらは憲法上、禁じられている集団的自衛権の行使に該当するとして、憲法解釈の変更を提言しました。
しかし、懇談会の真の狙いは類型ごとに、集団的自衛権に当たるか否かを諮問することではありません。そもそも、日米が共同行動中に米艦だけが攻撃されるという想定自体、非現実的なものです。
安保法制懇の北岡伸一座長代理が、「我々は今回、類型化を目指しているわけではない。法理的な禁止を全面的に解除するということだ」(「朝日」10日付)と述べているように、集団的自衛権の全面的な解禁が真の狙いです。
全て書きかえ
日本政府はこれまで、米側の要求に応じて自衛隊の海外派兵を進めてきました。しかし、集団的自衛権の行使の禁止により、法理上は、日本“防衛”とは無関係の他国の軍事行動に参加できませんでした。このため、海外での武器使用は制限され、「他国の武力行使との一体化」を避けるため、「後方地域」や「非戦闘地域」で活動するという建前になっていました。
憲法上の“歯止め”がなくなれば、歴代自民党政権の安保政策をすべて書きかえることになります。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月21日付掲載
第一次安倍内閣の時に「安保法制懇」なる私的諮問機関ができていただなんて知りませんでした。教育基本法の改悪が焦点に上がっていましたので…。
それにしても、第一次安倍内閣が退陣して、自民党政治まで倒れた後でも、「休眠」で残っていたなんて、なんとまあしぶといことでしょう。
なんとしても、集団的自衛権の解禁は阻止しないといけませんね。