きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安倍成長戦略と労働問題③ 憲法生かした人間らしい働き方を

2013-08-19 20:59:24 | 働く権利・賃金・雇用問題について
安倍成長戦略と労働問題③ 憲法生かした人間らしい働き方を
全労連事務局次長 井上久さんに聞く


環太平洋連携協定(TPP)交渉参加などにしてもそうですが、安倍晋三政権は一部の多国籍企業の利益だけを考えて、「世界で一番企業が活動しやすい国」という方針を掲げています。国民や国内のことは眼中になく、多国籍企業の世界戦略・グローバル戦略だけを優先して労働者、国民を犠牲にする極めて売国的な方針です。

■ブラック化
企業の方も、株主への高配当や株価をつり上げることが企業の評価になってしまっているので、企業の永続性とか日本経済自身の発展などといった中長期の考えができなくなっています。
このような方針に立った「成長戦略」がもたらすのは、労働者を使いつぶして利益だけをむさぼる日本企業の総「ブラック企業」化の促進です。
このままでは、憲法で保障された勤労権などがなし崩しになってしまいます。今こそ、憲法を生かした人間らしい働き方を実現していく運動を進めなければなりません。



要求を掲げデモ行進する7・25中央総行動の参加者=7月25日、東京都千代田区

■時短が必要
まず、若者の働き方なども含め、取り組まなければならないのは、労働時間の短縮です。国際労働機関(ILO)条約の第1号が労働時間であるという意味は重いと思います。自由に使える時間がなく、時間を全部企業に売り渡していくような今の労働者の働き方を変えなければなりません。
1日8時間という原則に立ち返ること、子育てなどに配慮した時短措置がしっかりしていれば、「多様な働き方」を選ぶ必要はありません。過労死するほど長時間働く人がいる一方、非正規しか仕事がない人がいます。
労働時間のワークシェアリングという観点から、その点を改善していくことも必要です。長時間残業をこなさないと生活できないという低賃金の問題も一方にあります。両方一緒に改善していく取り組みを進めなければなりません。
また、失業時保障といった生活保障がないことが劣悪な仕事をはびこらせている原因になっています。失業時保障がなければ、今日明日食べていくために劣悪な仕事でも飛びつき、食いつないでいくしかない生活になってしまいます。賃金ダンピングが起き、雇用全体の質が下がる悪循環です。こうした劣悪な仕事をはびこらせないようにするためにも、きちんとした失業時保障や社会保障を充実していくことが大切です。

■雇用の安定
「解雇の自由化」も許してはなりません。雇用が不安定化すれば賃金がどんどん下がってしまいます。モノが言えず、企業の言うがままに働かざるを得ないような状況になったら、それは労働者ではなく奴隷です。「解雇の自由化」などに道を開くようなものはすべて 排除していかなければなりません。
「ブラック企業」で働く若者や、妊娠したらいじめにあって辞めざるを得ない女性など、ひどい働き方をしている人たちがたくさんいます。そういう人たちにとっては、「まだ限定正社員の方がいいのでは」という雰囲気があります。そうではなく、雇用の安定を取り戻し、労働時間を短縮したり、均等待遇にするといった、今の状況を改善していくという積極的な反撃が必要です。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月16日付掲載



要するに、正規労働者も非正規労働者も自由に使える時間をもって、さらに暮らせる賃金を得ることができる。そんな働き方が求められるんですね。
ブラック企業を追及する日本共産党が参議院選挙で躍進したかどうかわかりませんが、政府はいわゆるブラック企業に立ち入り調査を始めるそうです。
これからが闘いです。