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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

集団的自衛権 Q&A① 海外で米国の戦争に参加

2013-08-21 20:42:34 | 平和・憲法・歴史問題について
集団的自衛権 Q&A① 海外で米国の戦争に参加

戦争放棄と戦力不保持を掲げた憲法9条を変え、日本を再び「海外で戦争する国」に作り変えようとする安倍政権。その一歩として、歴代政権が「憲法上できない」としてきた集団的自衛権の行使を、年内にも可能にしようとしています。集団的自衛権について、Q&Aで考えます。(政治部安保・外交班)

 「集団的自衛権」とは何ですか?
 自国が攻撃されたわけでもないのに、他国の起こす戦争への参加を合理化するものです。日本「防衛」とは無関係です。日本の場合は、同盟国である米国による海外での武力行使への参戦につながります。



国連結成準備総会で演説するトルーマン米大統領(壇上)=1945年6月、アメリカ・サンフランシスコ(AFP時事)

「集団的自衛権」の根拠とされているのは、1945年6月26日調印の国際連合(国連)憲章第51条です。
そこでは「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には…個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と定めています。
自分の国が攻撃された場合に行使するのが「個別的自衛権」、他国が攻撃された場合に行使するのが「集団的自衛権」です。どんな経緯で国連憲章に盛り込まれたのでしょう。
集団安全保障国際社会では20世紀初頭まで、国際紛争を武力で解決するのは各国の主権の問題と考えられていました。各国は、「勢力均衡」の名のもと、軍事同盟を組織して対抗し合い、その結果、第1次世界大戦が起こりました。
大戦終結後、軍事同盟に代わる「集団安全保障」を目指し、その第一歩として国際連盟が発足しました。
「集団安全保障」とは、加盟国が互いに侵略しないことを誓い合い、万一どこかの国が他国を侵略すれば、すべての加盟国が協力して侵略した国を制裁するというものです。
しかし、国際連盟のもとでも、「日独伊3国同盟」などの軍事同盟がつくられ、第2次世界大戦という最悪の結末を迎えました。
国際社会は、国際連盟の「集団安全保障」の仕組みが不徹底だったと認識。国際連合(45年発足)をつくることで軍事同盟をなくし、本格的な「集団安全保障」体制の確立を目指しました。具体的には、国連憲章で個々の加盟国に対し武力による威嚇、武力の行使を禁止。侵略発生時には、安全保障理事会が制裁措置を決定し、そのもとに各国が行動することになりました。
米国が発案ところが、戦後世界の覇権を狙っていた米国は、国連の統制を受けないで軍事行動をとることができるように、「集団的自衛権」の条項を発案。ソ連も賛成し、国連憲章に前出の第51条が盛り込まれたのです。
その結果、戦前をはるかに上回る規模で軍事同盟の網の目が張り巡らされました。多くの国が「集団的自衛権」を口実に、米ソ両国が引き起こした侵略戦争に動員されました。これは、国連がめざす「集団安全保障」に真っ向から反するものです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月16日付掲載


「集団的自衛権」と「集団安全保障」は、名称がよく似ていますが、全く別物です。
「集団安全保障」は軍事同盟を認めないで、加盟国が互いに侵略しないことを誓い合い、万一どこかの国が他国を侵略すれば、すべての加盟国が協力して侵略した国を制裁するというものです。
「集団的自衛権」は、軍事同盟の関係国の利権をめぐって、軍事侵攻ができるってものです。
国際連合の目指す精神と相反するものですが、国際連合の発足の際に、米ソの冷戦の思惑の中で、「集団的自衛権」の条項が潜り込ませられました。