きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安倍成長戦略と労働問題② 「女性の活躍推進」は偽装

2013-08-18 13:17:30 | 働く権利・賃金・雇用問題について
安倍成長戦略と労働問題② 「女性の活躍推進」は偽装
全労連事務局次長 井上久さんに聞く


安倍晋三政権の「成長戦略」は、「女性の活躍推進」を掲げています。しかし、その狙いは少子高齢化のもとで進行する労働力不足に対応して、安上がりの女性労働力を確保しようというものです。

■労働条件は
現在、女性の半分以上が非正規雇用に置き換えられています。そのうち3分の2が有期雇用です。女性の場合、妊娠・出産を契機に、6割が仕事を辞めてしまいます。子育てが落ち着いて再就職するときは、非正規雇用を選ばざるを得ない状況です。女性にとって男性よりも不利な部分が、女性を非正規雇用に追いやってしまう条件となってしまっています。また、男性労働者との賃金格差も深刻です。
「成長戦略」は、こうした女性の労働条件を改善するというのではなく、女性をどう「活用」していくかという視点で「女性の活躍」を掲げているので、政策が労働者の願いと一致していません。
例えば、安倍首相は、育児休業3年とか、女性管理職登用といって、企業にお願いをしています。しかし、これらは、法制化なしには絶対に実現しません。特に育児休業中の賃金保障が弱いことが、最大の問題です。諸外国では男性の保障割合を上げることで、男性の取得を促すなど、さまざまな工夫がされています。



職場に向かう人たち=東京都内

■粉飾こらす
「多様な働き方」を用意するという中身も、勤務地や職務限定といった、女性が働きやすいような労働条件を用意するという粉飾をこらして、全体の労働条件を引き下げようということです。
要するに、「女性の活躍」というのは偽装です。「多様な」ということで低処遇を合理化するのではなく、時短など正社員のままで働き続けられる条件整備を進めることが必要です。
歴史的な経過を見ても、男女雇用機会均等法がつくられたとき、「女性が男性なみに働くといっても大変だろうから多様な働き方を用意する」
として労働者派遣法がつくられました。最初は女性職だった派遣業務も結局、男女間わずすべてに広がりました。また、男女平等を理由に女子保護規定を撤廃し、労働基準法が改悪されました。
こうした改悪が、女性の雇用を劣化させただけでなく、男性の労働条件もひどくさせました。差別というものをどこかに温存させてしまえば、必ず低い方に流れてしまうというのが、この間の労働規制緩和の流れです。

■努力を放棄
「成長戦略」の「雇用改革」は「多様な働き方」という言葉を口実にして、雇用を抜本的に変えていこうとしています。
正社員の非正規化や派遣労働の拡大は、雇用責任などをいっそうあいまいにしてしまいます。雇用のあり方そのものを変えて、企業のいいように人を使えるようにするのが狙いです。それを、「多様な働き方」という言葉で覆い隠しているのです。
「多様な働き方」という言葉は、労働条件改善や人間らしい働き方を実現していくための努力をすべて放棄するという安倍政権の宣言だととらえなければなりません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月15日付掲載


男女雇用機会均等法と労働者派遣法はセットで作られた法律だったのですね。女性の雇用の機会を与えるっていうなら、女子保護規定をより充実させないといけないのに、逆になった。そして、派遣労働法で男性も含めて雇用破壊が広がったのですね。
許せないです。