きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「日本経済の悪魔」 国民に向けられたドリルの刃

2014-07-16 00:01:05 | 経済・産業・中小企業対策など
「日本経済の悪魔」 国民に向けられたドリルの刃

安倍晋三内閣は6月24日、「新成長戦略」と「骨太の方針」を閣議決定し、多国籍企業奉仕にまい進中です。支持率を上げようと株価対策にも躍起になっています。

 安倍首相は、1月のダボス会議で「いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から、無傷ではいられません」と豪語したね。
 「アベノミクス」の「3本の矢」から「ドリル」か!物騒さが増してきたよ。
 5月1日、イギリス金融街のシティーで行った演説では、「ドリルの刃は、最大速度で回転しています」と胸を張った。
 ドリルって相当痛そうだね。
 問題は、首相がいう既得権益とは具体的に何を指しているのか、ということだ。
 その一つは雇用分野だ。そして、農業、医療で、いずれも公益性が高く、国民生活の基盤になっている分野だ。
 今回の経済政策は、株価対策、と指摘されているね。
 首相官邸では、毎日のように株価をチェックしているという。安倍首相にとっては、株価は、すなわち自身の支持率だと思っているようだからね。
 国民生活を向上させる経済政策は聞いたことがあるけど、株価対策のための経済対策って問題が多そうだ。



「集団的自衛権行使容認反対」「解釈で憲法壊すな」と声を上げる人たち=7月1日、首相官邸前

生活基盤崩し 株価対策に躍起
投機を呼び込む

 昨年亡くなった経済同友会の終身幹事の品川正治氏が経団連と日経連が2002年に統合するさい、新経団連の会長に何を望むか、と聞いたことがある。そのとき品川氏は「資本市場にものを言える会長であってほしい」というものだった。
 経営者の代表としての財界代表が、投機化した資本市場に対して毅然(きぜん)とした態度で経済運営ができるように、という意味だね。
 経団連の会長は、財界総理ともいわれるが、実際の総理が、株価ばかり気にしているなんて情けないね。
 その安倍首相は、6月30日付の英紙フィナンシャル・タイムズに論文を寄稿した。題名がふるっていて、「私の第3の矢は日本経済の悪魔を倒す」というものだった。
 でも、なにが「悪魔」なのか、この論文では明記されていない。ただ、経済政策の中身は明瞭だ。まずは法人税減税。「私たちは、数年かけて、法人実効税率を20%台に削減することを目指す」とし、「これによって、成長を助け国際的投資家を引き付ける」と。つまり、海外から投機資金を呼び込む、ということだ。4月に実施した消費税増税については、「消費の落ち込みは一時的なものになるだろう、と判断している」との認識を示した。これは、消費税10%への引き上げは、実施しますよ、と言っているのと同じだ。
 さらに、安倍首相は、寄稿文の中で、日本農業を破壊し、アメリカに、国を売り渡す環太平洋連携協定(TPP)の推進も表明。さらには、「エネルギー、農業、医療分野で、市場を開放し、新しい参加者を促進する」と強調している。そして、安倍首相は、国会で多数を持っているのでやりやすいとして、「私は、この改革を実行することを必ず約束する」と強調していた。

憲法も「悪魔」か
 「悪魔」は何かを明記していなくても、論理的に考えれば、安倍政権の経済政策に反対する人々が「悪魔」ということになるね。消費税増税には、6割の国民が反対している。TPPにも国民の強い反対がある。つまり「悪魔」とは、安倍政権の反国民的な経済政策に反対する国民多数派のことだ。
 安倍首相には、国民主権をうたう憲法を守るという姿勢が欠如しているが、なるほど、国民多数派を「悪魔」と考えていたのか。
 「9条改憲」をめざす安倍首相の頭の中では、憲法そのものも「悪魔」と位置付けているのではないか。
 安倍首相の改憲策動は、国民経済破壊路線と一体になっているからね。「9条改憲」を許さないたたかいと、暮らし破壊を許さないたたかいを一体的に広げていく必要がある。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月15日付掲載


7月15日の夜行われた日本共産党創立92周年記念講演会で、志位さんは集団的自衛権行使容認を許さないたたかい、消費税増税反対など国民の暮らしを守るたたかいと合わせて、原発ゼロをめざすたたかい、基地のない平和な沖縄をめざすたたかいなどを提唱しました。

志位さんは講演の中で、安倍さんが官邸で日々株価をチェックしていて一喜一憂していると言いました。
日本の真の平和や国民の暮らしをそっちのけで、アメリカや財界の事ばかり考えている安倍さんには一刻も早く辞めてもらいましょうね。