goo blog サービス終了のお知らせ 

きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変貌する経済 自動車② 工場内に見慣れぬ男たち

2014-07-28 22:37:01 | 経済・産業・中小企業対策など
変貌する経済 自動車② 工場内に見慣れぬ男たち

スズキ自動車の株主総会で質問をした株主は、大抵の場合、会社の回答を2度聞くことになります。担当役員が答えた後で、ワンマンを自認する鈴木修会長(84)が改めて“補足”するからです。
6月末にグランドホテル浜松で開かれた今年の株主総会。2012年にインド・マネサール工場で起きた「暴動」事件についての質問に、鈴木会長はマルチ・スズキ・インディアの鮎川堅一社長からマイクを引き継ぐと、こう言い放ちました。
「暴徒は鉄パイプを持って行動した。これは計画的だ。先頭に立って収めようとした人事部長は足を折られ、そして(建物に)火をつけられた。誰がどう考えたって殺人だ。これは組合運動じゃなく暴動だ」


【カースト】 インド社会で歴史的に形成された身分制度。階層数は2千種とも。各階層ことに職業・交際・結婚・慣習などを厳格に規制。1950年の憲法はカーストに基づく差別を否定し差別解消に取り組むも一部に残存。

マッチ箱一つも
昨年、「労働者の権利をめざす国際委員会」(ICLR)の現地調査に参加した太田泰久さんは、「労働者が鉄パイプを工場内に持ち込むことは不可能だ」と強調します。会社の規則で、労働者はマッチ箱一つ工場内には持ち込めず、工場の門を通過するときは警備員の厳重な持ち物検査を受けなければならないからです。
12年7月18日の事件当日、実際には何が起こっていたのか。ICLRの調査報告書は、同日の異様な状況を生々しく再現します。

午前8時半、ある現場監督が1人の労働者にカーストの差別的な言葉を投げつけ、口答えをしたその労働者が停職処分になる事件が発生した。
停職処分の撤回を求め、労働組合が経営側と数度にわたる話し合いを持っているさなか、経営側は警察に警官隊の配備を要求。午後2時、大量の警官が工場の門前に集結した。
この日、工場内には多くの見慣れない男たちの姿があった。作業服は着ているものの名札はなく、「自分たちは新入りだ」と名乗った。
午後7時、組合と経営側が討議を再開。ちょうどそのころ「新入り」と名乗る男たちが労働者を挑発し、次第にエスカレートしていった。ついには乱闘騒ぎとなり完全な混乱状態に陥った。
交渉のテーブルに着いていた組合幹部は騒ぎに気付き、部屋を飛び出した。その直後、いままで交渉をしていた部屋から火の手が上がった。
工場内の三つのプラントのうち暴力ざたが起きていたのは一つだけだったが、火の手が広がるなか、騒ぎに気付いた他のプラントの労働者がプラント外に飛び出しはじめた。それと同時に警官隊が工場内に突入し、労働者を手当たりしだいに捕まえだした。



スズキの株主総会。前列右が鈴木修会長=6月27日、浜松市グランドホテル浜松

労組支援者の死
火災が起きた事務所内ではアバニッシュ・デヴ人事部副部長(スズキは部長と発表)が死亡していました。監察医によるとデヴ氏の死因は煙を吸いこんだことによる窒息死で、両足には鈍器による外傷が残っていました。
当時、マルチ・スズキでは、労働者の待遇改善を求める労働組合と、それをかたくなに拒否する経営側とが厳しく対立していました。デヴ氏は経営側の人物でありながら労働組合設立に積極的に関与するなど、組合の強力な支援者とみられていた人物でした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月25日付掲載


ストライキにしても非暴力的で、要求をアピールするのが原則。けっして挑発には乗ってはけない。
労働運動が未熟なところを、うまく利用して警察権力を使って組合運動を弾圧したのですね。
労働者側が挑発に乗ることは間違っていますが、いかにも卑劣な手段です。
その犠牲になった組合支援の中間管理職は可愛そうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする