きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

15年度予算 概算要求の焦点 社会保障⑥ 「充実」どころか切り捨て

2014-09-20 12:15:50 | 予算・税金・消費税・社会保障など
15年度予算 概算要求の焦点 社会保障⑥ 「充実」どころか切り捨て

厚生労働省は、消費税が8%に増税されて初めての概算要求で、増税の口実である社会保障費の充実どころか切り捨てに走っています。

年金を大削減
年金・医療費の自然増分8200億円は要求したものの、「合理化・効率化に最大限取り組」むとする安倍政権の概算要求基準を受け、年金では実質大削減を行っています。
アベノミクスで物価が上昇しているにもかかわらず、賃金スライド分(0・8%)のみ反映し、「特例水準の解消」と称する0・5%削減に加えて、「マクロ経済スライド」の初めての発動で年金改定率を0%とします。
物価上昇にもかかわらず年金が上がらず、実質大削減です。さらに厚労省は、保険料納付期間の延長や給付年齢の引き上げも検討しています。
医療・介護総合法をうけて制度の改悪に踏み出します。医療では、病床削減などを進めるための基金を設準置。診療報酬明細書(レセプト)情報を地域別に集計し活用する事業に20億円を要求。
医療費の上限目標を各県ごとに設けて競争させ、医療費抑制を狙っています。
介護では、要支援者向けサービス切り捨てなど安上がりの「地域包括ケア」を推進。介護報酬改定は予算編成で検討するとしています。
生活保護では、住宅扶助や冬季加算など各種扶助・加算の見直しを明記。13年8月から始まった扶助基準の引き下げに続き、さらなる削減を図ろうとしています。
また福祉事務所に新たに「就労支援体制整備推進員」を配置するため28億円を要求。40歳・50歳代の“働ける年齢層”を「5万円就労」と称して低賃金労働に追いたてようとしています。生活保護費の半分を占める医療扶助を削減しようと、後発医薬品の使用促進や生活指導のための人員配置に39億円(14年度4・3億円)を要求しています。





医療や福祉を守れと声をあげる「輝け!いのち4・24ヒューマンチェーン」の参加者=4月24日、東京・日比谷野外音楽堂

保育昨年並み
子育て分野では、待機児童解消策など保育や学童保育の要求額は昨年並み。一方、保育士の専門性を否定し、保育水準を引き下げかねない「子育て支援員」の導入のため、子育て経験のある主婦らを対象にした研修制度創設に新規で6・5億円を求めています。
来年4月から実施予定の子ども子育て支援新制度に関する予算は、消費税10%だのみで金額を示さない「事項要求」です。5年間で30万人増を目指す学童保育の定員増も事項要求にとどまっています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月17日付掲載


社会保障のためと言って消費税率をアップしておいて、社会保障の切り捨て、それも最後のセーフティネットと言われる生活保護費をカットするなんて、許せません。

15年度予算 概算要求の焦点 エネルギー・中小企業⑤ 原発増額 エネ計画根拠

2014-09-20 10:50:09 | 経済・産業・中小企業対策など
15年度予算 概算要求の焦点 エネルギー・中小企業⑤ 原発増額 エネ計画根拠

2015年度のエネルギー関係の概算要求(経済産業省分)は14年度比12・9%増の9941億円です。経産省は「再生可能エネルギーの最大導入」に222億円増の1586億円を要望しています。

東電分も負担
各府省の原子力関係予算の合計額は15・0%増の3763億円(492億円増)です。多くの予算が4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」を根拠としています。同計画は原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、核燃料サイクルと原発輸出の推進を明記。次世代原発の開発も掲げています。
文部科学省は、核燃料サイクルを推進している日本原子力研究開発機構予算として363億円増の1793億円を要求しました。そのうち、破たんが明らかな高速増殖炉「もんじゅ」が200億円を占めています。同省は次世代原子炉の一つ高温ガス炉の研究開発にも16億円(10億円増)を見込んでいます。
経産省は「高速炉等技術開発委託費」として48億円を要望。原発輸出のための「原子力海外建設人材育成委託費」に8億円を求めています。同予算は建設予定国での立地調査に使われています。
東京電力福島第1原発事故の収束のため、新規事業として一般会計に「廃炉・汚染水対策研究開発」を110億円計上しました。除染・中間貯蔵施設事業にも350億円を計上しています。本来東電が負担すべき費用を14年度から30年間にわたって毎年350億円ずつ負担していく計画です。
電源立地地域対策交付金として969億円、核燃料サイクル交付金として51億円を要求しています。



九州電力の川内原発=鹿児島県薩摩川内市



わずかに0.43%
中小企業対策費は、政府全体で14年度比30%増の2416億円です。しかし、一般会計概算要求に占める割合は0・43%と、ごくわずかです。東日本大震災の復旧・復興経費を含めた対策費は2963億円です。
今年6月末、国・地方公共団体などが小規模企業の持続的発展のための支援策を講じることを求める「小規模企業振興基本法」が施行されました。法律の趣旨に見合う対策費の増額が求められます。
商工会・商工会議所の事業者支援や販路開拓支援などのための小規模事業対策推進事業に68・1億円を計上。特定ものづくり基盤技術の対象をデザイン分野にも広げます。
消費税転嫁対策調査官(474人)の人件費や全数書面調査の実施に46・3億円を計上しています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月13日付掲載



福島第一原発の事故の収拾もままならないうちに、原発関連予算を湯水の様に要求。それに引き換え、中小企業関連予算の貧弱さは…。
お金の使い方が間違っています。