きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

南米政権与党幹部に聞く チリ③ 独裁引きずる制度転換

2014-09-12 14:55:40 | 国際政治
南米政権与党幹部に聞く チリ③ 独裁引きずる制度転換


共産党国際関係責任者
セサル・ブンステルさん


昨年の国会議員選挙で中道左派連合「新多数派」の一翼として下院で倍増の6議席(定数120)を獲得し、バチェレ政権の与党になりました。パスクアル女性相は共産党員です。
私たちが政権入りしたのは「新多数派」が国民の要求を原則的に受け入れているからです。平等で良質の公教育を保障する教育改革や法人税増税を重点とする税制改革、民意が反映する選挙制度改革などです。

独自原則も堅持
共産党はこれらを基本とする政府プログラムの作成に協力し、その実現のために与党になったのです。新自由主義反対など党独自の原則も堅持しています。
ピノチェト独裁から民政に移管して25年たちました。独裁政治ではなくなったものの、民政移管後のすべての政治、社会、経済の制度は独裁時代の勢力によって導入されました。
教育や医療、住宅などに関わる政策もすべて民間部門、大企業との取引の上で進められてきました。そうした新自由主義政策のもとで、国民は大きな苦痛をこうむっています。
転機になったのは、教育をめぐって学生が立ち上がった2011年のたたかいです。さまざまな分野の労働者も加わり、ストライキ権や集団交渉を保障する労働法への改革を要求しました。独裁時代を引きずる体制にノーを突き付け、「新しいチリ」を求めるたたかいになったのです。

学生の運動反映
学生のたたかいでは、共産党の青年組織が大きな役割を果たしました。昨年の選挙で当選した6人のうちの2人はたたかいを担った元学生です。
5年ほど前まで、青年は政治や社会問題に無関心だといわれたものです。しかし、独裁時代を経験していない彼らには、自由にものを言うことに恐怖感はありません。学生運動を通じ、自分たちの考えや意見をアピールするすべを知ったのです。同性婚や環境問題などへの関心も高まっています。
中南米では、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)など米国からの自立を探求するさまざまな試みが行われています。同時に、個々の国にはいろんな問題があります。左派政権が選挙で敗北することもありえるでしょう。
しかし、前進は紆余(うよ)曲折をともなうものであり、変革の前途には希望を持っています。それは、米国からの自立、新自由主義反対という方向への確信です。
(ラパス=松島良尚 写真も)
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月9日付掲載


定数120で6議席という事は、日本の衆議院(定数480)に換算すると24議席です。
共産党も与党の中で一定の発言力をもっているという事でしょう。
特栽政治を克服しても、労働者の権利を認める新しい体制は、その後の闘いによって勝ち取られたのですね。