15年度予算 概算要求の焦点 軍事費⑨ 高額兵器導入へ新契約方式
軍事費の2015年度概算要求額は、5兆545億円(SACO=沖縄に関する特別行動委員会、米軍再編関係経費含む)で、過去最大です。14年度比で1697億円(3・5%)の大幅増となり、第2次安倍政権の発足以来、3年連続の軍拡予算を狙っています。
概算要求は、軍需産業との長期契約によって高額な最新兵器を一括調達する仕組みの導入を求めています。
財政法は複数年度にまたがる契約の支払い期間を5力年度以内と規定。防衛省は新たな立法措置で特例を設けることを前提に、新型哨戒機P1の一括購入費(20機・3781億円)を盛り込んでいます。(図)
15年度にはこの他にも、垂直離着陸機オスプレイや偵察用無人機(いずれも機数・価格未定)、F35ステルス戦闘機(6機・959億円)などの最新兵器が次々導入され、1機あたりの単価がきわめて高いのが特徴です。
一括ツケ払い
長期契約導入の背景には、今後も続く高額兵器の購入に向け、調達体制の「効率化」を図る狙いがあります。
防衛省は一括調達で「コスト削減」の効果を強調するものの、企業側にとっては将来見通しがつく一種の“優遇措置”で、財政が軍需動向に左右される危険もはらみます。
実際、16年度以降に支払いが生じる「新規後年度負担」は2兆5766億円と14年度比で6301億円(32・4%)増の急拡大。航空機購入費(7202億円、契約ベース)の約2・7倍の伸びに象徴される兵器の「一括ツケ払い」が、長年にわたり財政を圧迫することになります。
2015年度に購入費が盛り込まれた垂直離着陸機オスプレイ(米海兵隊ホームページから)
基地強化顕著
自衛隊基地の強化・拡大が強まる傾向にあり、施設整備費等は1593億円(契約ベース)と、14年度比で470億円の増額です。
・オスプレイ配備に向けた佐賀空港への拠点整備で109億円、長崎県佐世保市崎辺地区への水陸両用車部隊の拠点整備で24億円、陸上自衛隊相浦(あいのうら)駐屯地(同市)などへの「水陸機動団」関連施設の整備に57億円を計上しています。基地強化は南西諸島方面でさらに顕著です。那覇基地(沖縄県)には築城基地(福岡、県)からF15戦闘機の1個飛行隊が移され、2個に増勢。第9航空団として新編されます。
鹿児島県奄美大島では警備部隊に加え、地対空ミサイル(奄美市)と地対艦ミサイル(瀬戸内町)の配備に向け、用地取得費など34億円を計上。沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費を含む米軍再編経費は、前年度と同額の1100億円を仮置きしています。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月20日付掲載
今までも、納期が複数年にわたる場合に、最初の年に契約したら、翌年から分割して支払う。その際の毎年の国会審議はいらない。ってことが通用していましたが…。
新しい方式は、同じような戦闘機なら、毎回契約し直さなくても、OKってことになります。
軍事費の2015年度概算要求額は、5兆545億円(SACO=沖縄に関する特別行動委員会、米軍再編関係経費含む)で、過去最大です。14年度比で1697億円(3・5%)の大幅増となり、第2次安倍政権の発足以来、3年連続の軍拡予算を狙っています。
概算要求は、軍需産業との長期契約によって高額な最新兵器を一括調達する仕組みの導入を求めています。
財政法は複数年度にまたがる契約の支払い期間を5力年度以内と規定。防衛省は新たな立法措置で特例を設けることを前提に、新型哨戒機P1の一括購入費(20機・3781億円)を盛り込んでいます。(図)
15年度にはこの他にも、垂直離着陸機オスプレイや偵察用無人機(いずれも機数・価格未定)、F35ステルス戦闘機(6機・959億円)などの最新兵器が次々導入され、1機あたりの単価がきわめて高いのが特徴です。
一括ツケ払い
長期契約導入の背景には、今後も続く高額兵器の購入に向け、調達体制の「効率化」を図る狙いがあります。
防衛省は一括調達で「コスト削減」の効果を強調するものの、企業側にとっては将来見通しがつく一種の“優遇措置”で、財政が軍需動向に左右される危険もはらみます。
実際、16年度以降に支払いが生じる「新規後年度負担」は2兆5766億円と14年度比で6301億円(32・4%)増の急拡大。航空機購入費(7202億円、契約ベース)の約2・7倍の伸びに象徴される兵器の「一括ツケ払い」が、長年にわたり財政を圧迫することになります。
2015年度に購入費が盛り込まれた垂直離着陸機オスプレイ(米海兵隊ホームページから)
基地強化顕著
自衛隊基地の強化・拡大が強まる傾向にあり、施設整備費等は1593億円(契約ベース)と、14年度比で470億円の増額です。
・オスプレイ配備に向けた佐賀空港への拠点整備で109億円、長崎県佐世保市崎辺地区への水陸両用車部隊の拠点整備で24億円、陸上自衛隊相浦(あいのうら)駐屯地(同市)などへの「水陸機動団」関連施設の整備に57億円を計上しています。基地強化は南西諸島方面でさらに顕著です。那覇基地(沖縄県)には築城基地(福岡、県)からF15戦闘機の1個飛行隊が移され、2個に増勢。第9航空団として新編されます。
鹿児島県奄美大島では警備部隊に加え、地対空ミサイル(奄美市)と地対艦ミサイル(瀬戸内町)の配備に向け、用地取得費など34億円を計上。沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費を含む米軍再編経費は、前年度と同額の1100億円を仮置きしています。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月20日付掲載
今までも、納期が複数年にわたる場合に、最初の年に契約したら、翌年から分割して支払う。その際の毎年の国会審議はいらない。ってことが通用していましたが…。
新しい方式は、同じような戦闘機なら、毎回契約し直さなくても、OKってことになります。