南米政権与党幹部に聞く ウルグアイ④ 国に飢えはなくなった
共産党の国際関係責任者
ダニエル・コイラさん
左派連合「拡大戦線」は13の政党とさまざまな社会団体からなり、共産党はその創設に取り組んだ政党の一つです。現在、教育相、保健相、エネルギー庁責任者、首都モンテビデオ特別県知事のポストをにない、上院1議席(定数31)、下院2議席(定数99)を有しています。
死亡率が最低に
「拡大戦線」のムヒカ政権の代表的な実績は、乳幼児死亡率と妊産婦死亡率がウルグアイ史上最低になったことです。
医療予算を厚くして、病院、診療所、医師、看護師を増やし、どこに住んでいてもだれもが医療にアクセスできるようになったことの反映です。
労働災害も、約40%、1100件減少しました。「経営者責任法」を制定した結果です。同法は、一定規模以上の企業に対し、労働者の代表1人に企業内のあらゆる設備や労働環境をいつでも査察できる権限を認めることを義務付けました。
しかも、労働安全上の違反が是正されない場合、従来は罰金ですみましたが、現在は経営者が刑務所送りになるのです。
経済は安定しています。おもな輸出品は牛肉やコメ、乳製品で、中国、ブラジルが主要相手国です。輸出に占める米国の比重が相対的に下がったことが、世界経済危機を乗り切った背景の一つになっています。社会、労働政策の改善も、景気を下支えする役割を果たしています。
10月の大統領選挙は、左派政権としては3期目への挑戦です。この間、貧困対策が大きく前進し、少なくともウルグアイから飢えはなくなったといえます。今後の大きな課題の一つは、公共住宅の建設です。若い夫婦が住宅の確保に苦労し、結婚後も親の家に住まわざるを得ないケースが多いからです。
共産党は、軍事独裁政権と正面からたたかった政党として、国民の間である種の権威を持っていると自負しています。労働組合や国民運動の中に大きな影響力を持っています。
再入党が相次ぐ
党づくりに苦労していますが、党勢は伸びています。最近の特徴は、ソ連崩壊後に離党した人から、再入党の申し込みが相次いでいることです。
その中には、高齢になって、やはり共産党員として生涯を終えたいという願いもあると思っています。(ラパス=松島良尚 写真も)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月11日付掲載
「ウルグアイ」といえば、2014ワールドカップで、ペスト16入りをして決勝リーグに進出している。
でも、「南米のどこにあるの?」と思うかもしれません。
「ウルグアイ」を参照して下さい。
「労働安全上の違反が是正されない場合、従来は罰金ですみましたが、現在は経営者が刑務所送りになる」とは、すごい法律ですね。日本も労働基準法などに違反した経営者に、それぐらいのきつい制裁が必要でしょう。
ウルグアイでもソ連崩壊の影響はあったのですね。でも、国民の権利と生活を守ることで地道に活動してきただけあって、復党者が相次ぐとは、うれしい話です。
共産党の国際関係責任者
ダニエル・コイラさん
左派連合「拡大戦線」は13の政党とさまざまな社会団体からなり、共産党はその創設に取り組んだ政党の一つです。現在、教育相、保健相、エネルギー庁責任者、首都モンテビデオ特別県知事のポストをにない、上院1議席(定数31)、下院2議席(定数99)を有しています。
死亡率が最低に
「拡大戦線」のムヒカ政権の代表的な実績は、乳幼児死亡率と妊産婦死亡率がウルグアイ史上最低になったことです。
医療予算を厚くして、病院、診療所、医師、看護師を増やし、どこに住んでいてもだれもが医療にアクセスできるようになったことの反映です。
労働災害も、約40%、1100件減少しました。「経営者責任法」を制定した結果です。同法は、一定規模以上の企業に対し、労働者の代表1人に企業内のあらゆる設備や労働環境をいつでも査察できる権限を認めることを義務付けました。
しかも、労働安全上の違反が是正されない場合、従来は罰金ですみましたが、現在は経営者が刑務所送りになるのです。
経済は安定しています。おもな輸出品は牛肉やコメ、乳製品で、中国、ブラジルが主要相手国です。輸出に占める米国の比重が相対的に下がったことが、世界経済危機を乗り切った背景の一つになっています。社会、労働政策の改善も、景気を下支えする役割を果たしています。
10月の大統領選挙は、左派政権としては3期目への挑戦です。この間、貧困対策が大きく前進し、少なくともウルグアイから飢えはなくなったといえます。今後の大きな課題の一つは、公共住宅の建設です。若い夫婦が住宅の確保に苦労し、結婚後も親の家に住まわざるを得ないケースが多いからです。
共産党は、軍事独裁政権と正面からたたかった政党として、国民の間である種の権威を持っていると自負しています。労働組合や国民運動の中に大きな影響力を持っています。
再入党が相次ぐ
党づくりに苦労していますが、党勢は伸びています。最近の特徴は、ソ連崩壊後に離党した人から、再入党の申し込みが相次いでいることです。
その中には、高齢になって、やはり共産党員として生涯を終えたいという願いもあると思っています。(ラパス=松島良尚 写真も)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月11日付掲載
「ウルグアイ」といえば、2014ワールドカップで、ペスト16入りをして決勝リーグに進出している。
でも、「南米のどこにあるの?」と思うかもしれません。
「ウルグアイ」を参照して下さい。
「労働安全上の違反が是正されない場合、従来は罰金ですみましたが、現在は経営者が刑務所送りになる」とは、すごい法律ですね。日本も労働基準法などに違反した経営者に、それぐらいのきつい制裁が必要でしょう。
ウルグアイでもソ連崩壊の影響はあったのですね。でも、国民の権利と生活を守ることで地道に活動してきただけあって、復党者が相次ぐとは、うれしい話です。