きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

南米政権与党幹部に聞く② ボリビア 資源生かして経済発展

2014-09-06 19:57:58 | 国際政治
南米政権与党幹部に聞く② ボリビア 資源生かして経済発展



社会主義運動国際関係責任者
レオニーダ・スリタさん


天然ガスなど資源からの収益をさまざまな産業分野の発展に生かし、政府は社会政策によって所得再分配の役割を果たす。現在のボリビアの仕組みを簡単にいえばそういうことになるでしょうか。
現在の経済指標は、成長率、外貨準備、財政、インフレなどどれをとっても良好です。これほど経済が安定していた時代はわが国では初めてといえるでしょう。治安も落ち着いています。

極貧層が半分に
国民生活では、極貧層がモラレス政権前の半分近くになり、格差を示すジニ係数は0・60から0・47(2012年)に低下しました。先住民地域には電気や水道が広がりました。
エネルギーなど戦略的部門の国営企業は、政権前の6から23になり、経営を軌道にのせてきた企業が増えています。大統領は常々、国営企業が利益をあげる重要性を強調しています。利益が出なければかつてのように民営化の口実になり、政府の経済運営が問われることにもなるからです。
国家の歳入は、資源の国有化で抜本的に増大しました。かつては100ドル(1万400円)の収入のうち外国企業が85ドルを手にしていましたが、いま共同開発している外国企業に渡るのは15ドルと収入の比率が逆転しました。外国企業にはそれでも十分な収益なのです。
大統領選はすでに始まっています。直近の世論調査でモラレス大統領が50%以上の支持率で2位の野党候補に約30ポイントの大差をつけているのも、国民生活の向上と経済の安定が支持を受けている証しです。

工業化をめざす
今後の課題は工業化です。ボリビアには天然ガスだけでなく、亜鉛や銀など鉱物資源が豊富です。ハイブリッド車などのリチウムイオン電池の原料となるリチウムの埋蔵量は世界の半分を占めるといわれます。
過去の政権は天然資源を1次産品として輸出するだけで、雇用創出や経済発展にほとんどつながりませんでした。モラレス政権は、原則的になんらかの付加価値をつけて輸出する方針を明確にしています。
(ラパス=松島良尚 写真も)(つづく)

【ジニ係数】
所得格差を示す指数。
国民の所得が完全に平等なら0、1に近づくほど格差が大きくなります。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年9月5日付掲載


国営企業だからって、親方日の丸ではなく、しっかり利益をあげる体質にしていく。社会主義部門が資本主義部門に打ち勝つ力をつけることが大事。かつて、レーニンが言った事を実践しているのですね。