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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

第2次世界大戦終結70年 第4部 安倍新談話 波紋と矛盾③ 政府・与党内部にひずみ

2015-04-21 10:35:36 | 平和・憲法・歴史問題について
第2次世界大戦終結70年 第4部 安倍新談話 波紋と矛盾③ 政府・与党内部にひずみ

「日本の歴史研究者に聞けば、99%は(侵略戦争だと)言うと思う」「私は首相に『日本は侵略した』とぜひ言わせたい」
70年新談話についての有識者会議(20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会)座長代理の北岡伸一国際大学長がこう発言したことが反響を呼びました。(3月9日)

北岡氏発言に
北岡氏は、集団的自衛権行使全面容認の「報告書」(昨年5月)をまとめた安保法制懇談会でも座長代理を務めた超タカ派で、首相に近い人物。マスコミ関係者や安倍首椙に近い学者ら16人が参加している中で、日本の近現代史を専門に研究してきたといえる学者は北岡氏ぐらい。それだけに歴史認識で「侵略」を否定しようとする安倍首相の姿勢の異常さを浮き彫りにしたのです。
ところが北岡氏は今月10日の発言で、「50年(談話)と70年で言うことが多少違ってくるのは当然」と後退。「『侵略』『植民地』『痛切な反省』『おわび』、それ(にこだわるの)は矮小化ではないか」と首相擁護に変化しました。
自民党関係者は「最初の発言に、官邸が強く怒った」と語り、水面下でのせめぎあいを示唆します。
改憲右翼団体・日本会議の代表委員で、第2次安倍内閣のもとNHK経営委員に就任した長谷川三千子氏も、「産経」で北岡発言を「歴史を見る目を歪める」などと攻撃しました(3月17日付)。



首相官邸で開かれた「70年談話」に関する有識者会議の初会合=2月25日(首相官邸ホームページから)

同盟強化派も
与党内部でも複雑な動きが出ています。
「戦争立法」で自公・与党協議の座長を務める自民党の高村正彦副総裁は、2月25日の第1回有識者会合当日、「50年、60年談話(村山、小泉談話)を継承することが明快であればあるほど、日本がどういう国になるのかにスポットライトが当たる」と表明し、両談話の重みを強調しました。二階俊博総務会長も、野党と協議し「国会で一致」を求めるなど安倍首椙をけん制しています。
日米同盟強化派から歴史問題に敏感な発言が続くのは、それが日米同盟をも根底から揺るがしかねないからです。
元外務省高官の一人は指摘します。「アメリカがアジアにリバランス(再配置)するなかで、安倍首相の安保政策は有益だと評価されている。しかし、だからといって、歴史認識の部分でこれほど根が深く矛盾のあるものを表に出し、ひっくり返そうとしたら、アメリカは理屈と損得を超えて日本をたたくだろう」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月19日付掲載


改憲派の論客として有名な国際大学長の北岡氏。その北岡氏さえ「侵略戦争」と言わざるを得ないほど、歴史的事実ははっきりしているのだが…。
安保条約の深化を望むアメリカでさえ、歴史認識をひっくり返そうとしたら、アメリカは理屈と損得を超えて日本をたたく。