きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2017年予算概算要求の焦点③ 農林水産 「構造改革の推進」を重視

2016-09-17 15:59:01 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年予算概算要求の焦点③ 農林水産 「構造改革の推進」を重視

2017年度農林水産関係予算の概算要求は、16年度当初予算比14・1%増の2兆6350億円です。しかし、前年同時期の要求額と比べると微減になっています。公共事業費は16年度比19・4%増の8075億円、非公共事業費は同11・9%増の1兆8275億円です。


棚田の稲刈り=和歌山県有田川町

農地集積の加速
概算要求の重点事項の冒頭に掲げられたのは、「担い手への農地集積・集約化による構造改革の推進」。「構造改革」重視が見て取れます。「農地中間管理機構を通じた農地集積・集約化の加速化」に208億円を要求しました。16年度比約2・6倍の大幅増です。農地中間管理機構の事業運営や農地の出し手への協力金の交付などを支援するとしています。また、農地の借り手の必要に対応して基盤整備を行う「農地耕作条件改善事業」に同15・9%増の147億円を盛り込みました。
「農業委員会の活動による農地利用最適化の推進」に16年度比86・3%増の136億円を計上。「改正農業委員会法」に基づき、担い手への農地集積・集約化を推進する「農地利用最適化推進委員」が設けられたことに対応する措置です。
また、農業農村整備事業費には、16年度比20%増の3555億円を要求しました。農地の大区画化、老朽化した農業施設の長寿命化・耐震化などを進めるとしています。




交付金増額要求
農家の経営所得安定対策では、米から転作して飼料用米などを生産する農業者に交付する「水田活用の直接支払い交付金」に16年度比7・9%増の3322億円を要求しました。諸外国との生産条件の格差による不利がある畑作物を生産する認定農業者などに交付する「畑作物直接支払い交付金」に同2・9%増の3638億円、認定農業者などに対し、米、麦、大豆などの収入が標準的収入額を下回った場合に差額の9割を補てんする「収入減少影響緩和対策交付金」に同9・4%増の823億円を計上しました。
生産数量目標に従って米を生産する農業者に対する「米の直接支払い交付金」は同1・3%減の714億円。同「交付金」は、18年度に米の生産調整(減反)を廃止することを見越して、交付単価を半減して17年産までの時限措置として実施されてきました。そのため、今回が最後の要求となります。
他方、収入保険制度の導入が検討されているものの、「予算編成過程で検討する」とされ、要求額は明示されていません。しかし、収入保険制度の実施には、収入の把握が必要であり、保険対象者は簿記記帳を行っている青色申告者に限られると見られ、多くの農業者が対象からもれる恐れがあります。
農林水産物の輸出では、「輸出戦略の実行体制の強化」に16年度と同額の13億円、「輸出サボートプロジェクト」に16年度比13・3%増の17億円などを盛り込みました。環太平洋連携協定(TPP)対策の中で、安倍晋三政権は、農林水産物の輸出を所得拡大の“切り札”であるかのような幻想を振りまいています。
なお、16年度予算第2次補正予算案には、TPP対策として総額3453億円を盛り込んでいます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月15日付掲載


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする