きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

消費税増税対策 不公平感拡大 混乱増す

2018-11-02 11:51:43 | 予算・税金・消費税・社会保障など
消費税増税対策 不公平感拡大 混乱増す
「安倍一強」充満する矛盾


安倍晋三内閣は、2019年10月の消費税率10%への引き上げを狙って、さまざまな対策を検討しています。需要減少対策が、一層の混乱に拍車をかけるものとなっています。

 世耕弘成経済産業相は19日の会見で、自動車の保有に関する税負担の軽減など、車体課税の抜本見直しに加え、消費税引き上げ時には「自動車の取得に関するユーザー負担の軽減に向けた措置を講ずることが重要だというふうに考えております」と強調した。
 世耕経産相の会見は、「消費税率引き上げ後の自動車の取得時における税負担軽減についてもその実現を要望」するとした自動車工業会(会長・豊田章男トヨタ自動車社長)の税制改定要望を引き写しにしたような発言だ。



商店街で品定めをする買い物客=東京都中野区

政治不信広げる
 経産省は今、キャッシュレス決済で買い物をした消費者に行うポイント還元を検討している。
 わが家は、買い物するときは、いつも現金払いだよ。ということは、うちは恩恵を受けないってことか。
 残念ながら、そういうこと。
 他国に比べ進んでいない日本のキャッシュレス化を促進する経産省の思惑が込められているようだ。クレジット業界のもうけを後押ししたいのだろう。
 しかし、この対策では、税制の根幹の原理である「公平性」原則を踏みにじることになる。財務省が作成したパンフ(「もっと知りたい税のこと」2018年6月)には、「税」の3原則(公平・中立・簡素)の最初に「公平の原則」が「一層重要になっている」と書いている。
 市場関係は「税の不公平性を国家が持ち込んではいけない。不公平感が拡大すれば、税に対する信頼がなくなり、政治不信が広がることになる」と指摘していた。
 安倍政権は、消費税10%増税のさい、食料品などは8%に据え置くこととし、国民生活に配慮したかのような印象を与えている。
 しかし、現状の8%が維持されるだけ。しかも、そのための準備が進んでいない。
 消費税率引き上げに賛成の日本商工会議所も、16日に発表した三村明夫会頭のコメントで、「軽減税率の導入にあたっては、事業者の8割がいまだ準備に取り掛かっていない危機的状況にある」と強調していた。
 政府・与党が検討する「プレミアム付き商品券」の支給に当たっては、マイナンバー(個人番号)カードを活用した対策も浮上している。
 経団連の中西宏明会長は24日の会見で「キャッシュレス決済の活用やプレミアム商品券の発行など、多くの対策を混在させると、実施側の負担も出てくるかもしれない」と述べた。政権が検討している対策に財界が口を挟むのは珍しい。

場当たり的政策
 つまり、安倍政権が打ち出している増税対策は、関係者の間で十分検討されていない、ということ。泥縄式の場当たり的政策が、混乱に拍車をかけている。
 これまで安倍政権は「1強」などといわれてきた。ここに来て、安倍政権の焦りが出てきているのか。
 官邸で決めれば、だれも文句は言えない状況がつくられてきた。しかし、その矛盾がさまざまなところに、マグマのようにたまっている。財界関係者からは、「安倍退陣」という言葉も聞こえてくるよ。
 「潮目が変わってきた」ということだね。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年10月30日付掲載


消費税10%増税にむけて、食料品を8%に据え置くとか、2%ポイント還元とか打ち出すこと自体、増税が消費に影響を与えることが分かっているから。
それなら、消費低迷と混乱を引き起こす消費税10%増税は中止を。