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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

アジア政党国際会議に参加して(上)対談 緒方副委員長・田川国際委員会事務局長

2018-11-12 10:37:47 | 国際政治
アジア政党国際会議に参加して(上)
対談 緒方副委員長・田川国際委員会事務局長


アジア政党国際会議(ICAPP)第10回総会が、ロシアのモスクワで10月下旬に開かれました。
日本共産党から参加した緒方靖夫副委員長、田川実国際委員会事務局長に会議の模様や各党との交流について話し合ってもらいました。

核兵器禁止条約に焦点 総会の議題を豊かに
緒方
 ICAPP総会には、わが党は、2002年の第2回バンコク総会以来欠かすことなく参加してきました。
田川 今回の総会では、日本共産党を代表して緒万さんが▽朝鮮半島での平和の流れを歓迎、支持する▽核兵器禁止条約への支持と早期発効の協力を呼び掛けるーという二つの柱で発言しました。壇上の議長団はじめ多くの参加者が聞き入っていましたね。
緒方 私にも「非常に良かった。祝福する」「パワフルなステートメントだ」などと各国の代表から声をかけられ手応えを感じました。
田川 ただ総会で採択された「モスクワ宣言」は核兵器問題に一切言及していませんでした。
緒方 私は10月初旬に、ICAPP事務局のあるソウル(韓国)を訪問した機会に、ICAPP事務局長と懇談し、総会宣言に反映してほしい2点を提案しました。それは総会で発言した内容と同じ趣旨のものでした。
田川 2年前の総会では中国共産党の横暴な振る舞いで「核兵器禁止条約の交渉」の支持・呼び掛けが宣言から削除されました。今回は「核兵器のない世界」という言葉自体がない。私たちは禁止条約の支持表明を入れるよう修正案を提出しましたが、取り入れられず、前回総会以上に後退したと判断し、部分的に保留して賛成という態度を取りました。
緒方 私は閉会総会で宣言が採択される際、壇上にあがり議長団席の事務局長に、宣言についてのわが党の立場を示した文書を手渡し、部分的に保留する旨を説明しました。事務局長は、これに「修正意見を十分検討できず、申し訳ない。今後、改善をはかりたい」と答えました。今後を注視したいと思います。
田川 ICAPPの場で日本共産党が核兵器禁止条約の発効を求める日本国民の声を訴えたことには非常に大きな意味があったと思います。国際的に最も重要な問題のひとつである核兵器禁止条約に焦点をあてた発言は、総会の議論を豊かにしました。



閉会後の夕食会で談笑する統一ロシアのクリモフ氏(左)と緒方氏=10月26日、モスクワ

ロシア政府・与党と懇談 領土問題で党の立場表明
緒方
 開催地ロシアのモルグロフ外務次官と与党・統一ロシアのクリモフ幹部会員と話ができました。
主催者のクリモフ氏とは、20年来友人のICAPP議長から夕食会で主賓席に招かれ、思いがけず同じテーブルで2時間さまざまな話ができました。テーブル全体で「赤旗」の部数など党についても話題になりました。
彼の席には、出席者がたえずあいさつ、乾杯にくるのですが、クリモフ氏がそうした人たちに「この方は日本共産党の代表だ」と紹介してくれるのです。
クリモフ氏は「ソ連共産党員だった」と述べていましたが、日本共産党とソ連共産党が激しい論争をしていた当時、日本共産党はソ連にたてつく悪い共産党だと報告を受けていたことが分かりました。
わが党は、ソ連のアフガニスタン侵攻を厳しく批判しましたが、私自身、現地調査し真実を書いたために、ソ連から憎まれ、「オガタは米中央情報局(CIA)のスパイ」と非難されたと話すと、クリモフ氏は大笑いし、「あれはブレジネフが犯した重大な誤りだった」と語るんです。
激しい論争をしたソ連共産党にいたロシア与党幹部との思いがけぬ一致に、時を経ての歴史の真実に思いをはせました。
田川 日本共産党の歴史や活動についてICAPPの場でロシアの与党代表に直接話したのは初めてですね。
緒方 クリモフ氏には日本共産党について紹介しながら、わが党がロシアとの領土問題について、千島列島の返還を求める立場でソ連と1959年以来交渉し続けてきた歴史と現在の立場を紹介する機会ともなりました。
田川 モルグロフ外務次官の方は、北東アジアなどを担当するロシアの幹部外交官の一人です。ラブロフ外相の代理として総会であいさつしたのですが、その後ロビーで緒方さんが話をしました。党の北東アジア平和協力構想や、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を一体的に進める立場を紹介すると理解を示しました。訪ロ前から会えたらいいなと思っていた人ですが、話ができたのはうれしかったですね。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年11月6日付掲載


日本共産党の野党外交。アジア政党国際会議にも第2回から参加。
核兵器禁止条約の発効にむけて奮闘。
ロシアの代表とも領土問題で忌憚なく対話。共産党の全千島返還を立場を主張。