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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

台湾 米中のはざまで③ 進む大陸との交流

2023-05-22 07:08:54 | 国際政治
台湾 米中のはざまで③ 進む大陸との交流

金門島の向かい側は、中国福建省アモイ市です。2001年以降、両岸の交流が進んでいます。アモイ市から金門島までは、フェリーの航路で結ばれており、片道約30分で往復の費用は日本円で5000円ほどです。
金門島に住む30代の男性は「昨日はフェリーでアモイ市まで行き遊んできた。金門島の人はよくアモイまで遊びに行く。台北に行くよりも近くて安い」と話します。
金門島とアモイ市の間で01年、通商、通航、通運を限定的に認める「小三通」と呼ばれる交流が始まりました。新型コロナウイルス流行前の19年には、のべ200万人以上が大陸・金門間を往来しました。
コロナ禍で途絶えていた両岸のフェリー航路は今年1月に再開。ただ、大陸から台湾への観光客が解禁されていないため、いまは原則的に台湾住民にしか乗船が認められていません。

【中台貿易】
2021年の中国大陸と台湾との貿易総額は3283億ドル(約44兆円)で、11年の約2倍、01年の約10倍です。一方、22年の中台貿易総額は3197億ドルと前年比2・5%減。台湾から大陸への輸出が前年比4・6%減と大きく減りました。大陸側による台湾産水産物などの輸入禁止の影響とみられます。台湾にとって中国大陸は最大の貿易相手。ただ台湾の貿易総額に占める大陸の割合は、20年の43・9%から22年には38・8%に下がりました。



金門島行きフェリー乗り場近くにあるショッピングモール=4月1日、中国福建省アモイ市

就航再開期待
アモイ市の旅行会社で働く女性は「アモイ市民はフェリーで金門島に行ける日を待ちわびている。以前は週末に1泊や日帰りで金門島に行き、買い物や食事を楽しんでいた市民は多い」と語ります。
アモイ側の金門島行きフェリー乗り場は4年前に改修され、その翌年には巨大なショッピングモールが完成しています。コロナの影響で、買い物客はほとんどなく今は閑散としています。旅行会社の女性は、「大陸住民のフェリー乗船が再開すればモールも盛り上がるはず。準備はできている」と期待を語りました。
大陸からの観光客再開を期待するのは、金門島側も同じです。あるタクシー運転手は「大陸からの観光客はとにかく人数が多い。金門島の経済にとっては重要だ」と言います。
昨年10月には、金門島と西隣の小金門島を結ぶ全長5・4キロの巨大な橋が開通。それまでは船で行き来していましたが、往来は格段に便利になりました。

水不足を解消
18年から金門島には中国福建省泉州市のダムから海底パイプラインを通って水が供給されています。島の東部にある貯水池「田埔ダム」では、中国から送られた水をなみなみとたたえていました。
雨が少ないこの島では、かつて水不足が深刻でした。貯水池の近くに住む男性は「以前はよく断水になった。大陸からの水が来るようになって生活は便利になった」と話しました。
貯水池の近くには「両岸共飲一江水(両岸で同じ川の水を飲む)」と赤い字で書かれた石碑が建てられていました。台湾海峡の緊張の一方で、金門島と大陸の交流は着実に進んでいました。
(台湾金門県、中国福建省アモイ市=小林拓也 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月19日付掲載


2021年の中国大陸と台湾との貿易総額は3283億ドル(約44兆円)で、11年の約2倍、01年の約10倍。
台湾にとって中国大陸は最大の貿易相手。
コロナ禍で中国大陸から台湾への交通が止められています。
中国側のアモイ市では巨大なショッピングモールが完成。中国も台湾もお互いの交通の再開を待ち望んでいます。

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