ザッケローニとミラン

今の日本代表監督ザッケローニですが、私が一番熱心にセリエAを追いかけていた頃のミランの監督なので、穴埋めネタで当時のことを書きます。ザッケローニはミランの監督になる前は地方チームのウディネーゼを指揮していました。

このウディネーゼをセリエAで4位に導き、カテナチオの守備的サッカーが主流のイタリア人監督らしからぬ3-4-3の攻撃サッカーで旋風を巻き起こしたので、ヘルベグ、ビアホフというウディネーゼの中心選手を引き連れてミラン入りしました。

この3-4-3はザッケローニのウディネーゼ時代にDFに退場者を出したことがあり、やむを得ずそのまま3バックで戦ったところ予想以上に機能したので、これなら11人で戦えるときは残り一人をFWにすればもっと攻撃的に戦えるという発想でミランにもその戦術を持ち込みました。

ザッケローニがスクデット(優勝)を勝ち取ったのはこのミランの一年目の一回だけに終わりました。当時、ミランのサポーターは優勝は嬉しいけど外部チームのウディネーゼから監督も戦術も持ち込んでの優勝だったので、ミラン独自のものを出したかったと複雑な心境だったそうです。

UAE戦でハーフナーマイクをスタメンで使ったのは当時のポストプレーヤーのビアホフを連想します。3トップが好きな監督である以上、サイドからクロスを入れてターゲットの頭を狙うパターンは好きなはずで、日本人では高さという意味ではトップクラスのハーフナーマイクに頼るのもわかります。

日本代表では何度か3-4-3を試したもののうまくいかなかったので、明日のイラク戦で3-4-3をやることはないでしょう。五輪で活躍した永井や大津の代表入りについて聞かれたときに、3-0や6-0で勝っているチームが選手を動かすことはないでしょうと話していたので、明日の戦術は4-2-3-1でしょう。

ただ、最終ラインが今野の出場停止で急造です。ザッケローニは今野のパスセンスを評価して使っている可能性が高く、ベネズエラ戦でもUAE戦でも伊野波を使ったのは今野のカーボンコピーという意味もあると思います。果たして守備はベネズエラ戦でミスをしている伊野波に賭けるか、他のDFを使うか、槙野を追加招集したことを見る限り迷っているようです。