鳴神山の固有種である、カッコソウ(サクラソウ科サクラソウ属、Primura kisoana)が花を開き始めた。椚田峠下の移植地では、その独特の色と形の花が木漏れ日を浴びていた。この日、花の開き具合は3割程度であったが、週末以後はかなり開花が進むであろう。
撮影、26日12時頃
この花が咲き始めると、今年も美しい花が見られるかとの感慨を覚えるとともに、カッコソウの保存を開始された先覚者と移植地の管理をされてきた人々の努力が報われることを願いたくなる。
さて、気候変動のためであるろうか、今年はカッコソウの花とアカヤシオの花が同時に見られる。例年、両者の花期が離れている。この日は、アカヤシオの花が地上に散り落ちた花とともに、午後の日差しを浴びていた。
仁田山岳や同岳から椚田峠への道では、逆光での彩りが柔らかで美しい。なお、花冠は5裂、雄しべは10本である。山の岩場に生えるので、福島県いわき地方(分布の北限)では「イワツツジ」と呼ぶとのことである(筑波実験植物園HP、植物図鑑から)。
ところで、アカヤシオの花を背景として、ミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)の花が目立つようになった。
鳴神山周辺の山波から。新緑の中にヤマザクラの花などが点在している。なお、黄砂による影響であろうか、離れた山々(赤城山など)はかなり霞んでいた。
天候、晴れ(霞)。EOS 6D、EF 100 mm F2.8L(Macro)、RAW、現像 Digital Photo Professional 4。