どうしたことであろうか。北関東(群馬)では元旦から、いわゆるお湿りが全くない天候が続いている。しかし、朝夕において散策を躊躇するほどの寒さに、わたくしはいささか閉口している。近所の川の堤防上では、心臓発作のようなことでも起こりそうだと恐れるくらい、空気が冷たい。
しかし、そのようなときに限って、マジックアワーでの彩りは魅力的である。凍える指でシャッターボタンを押すとき、カメラのディスプレイーに現れる色彩は、寒さに耐えながら足もとが暗くなるまで撮り続けていたいほどまでに印象的である。
今日のマジックアワーでは、淡い赤紫色を帯びた光景が北東の方向に現れた。
多分、この光景は冷却されて重くなった空気が山並みの上空で停滞しているために現れたのであろう。事実、風が吹いているときは、このような現象が見られない。
夕日が沈んだ方向でのグラデーションでは。
1月10日午後5時頃、桐生川とその周辺にて。
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朝日新聞「折々のことば」(鷲田 清一)(2021年(令和3年)1月1日、1面)の引用。
あるいは進みあるいは退き、自分の意のままに光と影を分けることはすばらしかった。 シュテファン・ツヴァイク
オーストリアの作家の回想録「昨日の世界 II」(原田義人訳)から。
彼はいろんな国に招かれると、学生時代に戻ったかのようにまずはひとりで、街をうろついた。
その時間は、自ら動き回って光と影の稜線をその眼で確かめる時間であったという。
何が自分にほんとうに必要か、その判断の基準を自分のうちにもつこと。
この「自由」なしに人は「真に生きた」と言えないと。
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