今年も、十年以上前から育てているネジバナ(捩子花、ラン科ネジバナ属)の小さな群れが優しい色の花を開きました。このところの強い雨による影響を受けて、花は部分的に萎みはじめました。それでも、朝の日差しを浴びると、生気を取り戻したかのように、花々が輝きます。今回も、風で目まぐるしく照射位置が変わるスポットライト(木漏れ日)で照らし出されるときを待って、花々をクローズアップしてみました。
それぞれの花茎も風でかなり揺れますので、何回か撮り直しました。
室内では、日差しで輝くネジバナ特有の質感が現れません。
1本の花茎に多数の花を開くラン、デンドロビウムを想いながら撮ってみました。
群れの中には、花が年々淡色化しているものがあります。
スポットライトを浴びると、これがネジバナの花かと思いたくなるほど、花びら、がく(萼)、そして唇弁が輝きます。
花びらは透明ほぼ無色ですが、がく(背萼片、側萼片)は淡い色を帯びています。そして、花びらと背萼片が重なっています。
余談ながら、かつて、ルイヨウボタン(類葉牡丹、鳴神山(地元))やハッポウタカネセンブリ(八方高嶺千振、八方尾根(長野県))にマクロレンズの向けましたときも、四苦八苦したことがあります。どちらも、何度も見たくなるほど美しい色と形の小さな花を開きます。そして、花(花茎)は風で大きく揺れます。
接写で知る「唇弁の透明感と輝き」
部分的に萎みはじめた花序。花期は1〜2週間です(もっと長持ちしてほしいと思いますが)。
受粉がうまく進行すればタネができますが、タネには発芽に必要な栄養を貯える「胚乳」がありません。タネは共生する菌類から栄養をもらい発芽します。一つの花に数千から数万個のタネができるといわれています。しかし、共生菌に出会えなければ、タネは発芽できません(東京学芸大学ホームページ、学芸の森)。
結果として、ネジバナのタネの発芽率は極めて低くなります。そのため、小さな庭の一角をネジバナで占めさせようとする企ては今だに実現できていません。
ところで、厄介な外来植物とされている「ナガミヒナゲシ(ポピーに似ている花を開く)」は一株あたり十数万個のタネをつくるといわれています。そして、そのタネは自力で発芽します。当方は花が開かない前にこのものを抜き取ることで、毎年苦戦しています。
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ネジバナは、育てている環境を変えますと最終的に枯死します。直径30cm程度の鉢で育てていますが、当初の環境を保つために、鉢内の土やコンパニオンプランツ(共存植物)などの入れ替えはおこなっていません。
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このようなチャンスも待ってみましたが、今年はチョウの姿がほとんど見られません。残念です。
2020年7月上旬
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撮影、7月2-5日、自宅にて。 EF 100 mm F2.8 L(マクロ)、EOS 6D。
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