ヤマシャクヤク(山芍薬)は山地に生えているボタン科ボタン属の多年草である。花名は花がシャクヤクのそれに似ていることに由来する。各々の花について、花期は3-4日と言われている。
和紙のような質感をもつ花は、山に春が到来したことを静かに告げる風情を感じさせる。しかし、自生しているヤマシャクヤクの個体数はかなり減ってしまった。かつては、近所の山でその清楚な花を見ることができた。今ではそのことは夢物語に近くなっている。
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赤城自然園(群馬県渋川市赤城町)では、広葉樹林の中で花の群れが、やわらかな木漏れ日を受けていた。
逆光にて。自然園では、順光と逆光の両条件で花を見ることができる。
広葉樹林の中で見頃となっていた花。黄色の花はヤマブキソウである。
花が白く見えるのは、花弁の中に空気などのガス泡が多く含まれていることによる。空気の泡が少なければ透明感が増す。ガスの泡が多い部分とそうでない部分があることは、光の当たり具合と相俟って花弁の見え方に多様性をもたらす。
理屈はともかく、花の形は手漉き和紙による折り紙を想わせる。
園内には個体数が多いので、花の一生が見られる。
葉の質感も魅力的である。
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自然園では、ヤマシャクヤクのみならず、シラネアオイ(白根葵、シラネアオイ科シラネアオイ属の多年草、日本固有種)も多く育てられている。
撮影、5月2日(12-15時半)。
どこかで会ったかもしれませんね
ヤマシャクヤクを知ったのはこつなぎさんの記事からでした
あれから何度かここを訪れるようになりました
天然ものを見てみたいと思って野山を歩いてますが未だ発見できません
もう無理ですかね
コメントありがとうございます。
確かに、同じ日に自然園でした。多分、どこかのスポットで
お会いしていたと想像しています。
ヤマシャクヤクについては、そうでしたか。
ところで、自然園ではヤマシャクヤクが以前にくらべて
かなり増えましたね。そして、レンゲショウマなども同様にです。
園内の環境がこれらの生育によく合っているのでしょう。
自生種と出会うのは至難であることが残念です。