昨日、この時季においては珍しいほど強い太陽光のもとで青空が広がることがありました。そして、太陽の位置までうろこ雲などの薄い高層雲が流れてきましたとき、太陽の周りに光環(光冠)が現れました。
太陽の明るさに露出条件をあわせたときの画像です(ISO感度 200、絞り f 値 18、シャッター速度 1/1600 秒)。これまで何度か光環を撮りましたが、昨日の光環は自分にとってチャンピオンデータになるほど美しいものでした。
光環が現れるのは太陽光がうろこ雲などを構成している細かい氷の粒によって回折されるからです(回り込むからです)。たとえば、太陽光に含まれている赤系の光(波長の長い光)と青系の光(波長の短い光)との間で回折の程度が異なりますので、これらの光は分離して地上に届くことになります。通常、太陽からの光は分離されないで届きます(白色光として)。
また、太陽光を回折する粒のサイズ、形、そして並ぶ方向が整っているほど、美しい虹色の光環が現れます。その典型的な例はスギ花粉による光環です。当然のことながら、氷粒のサイズと形は花粉においてほど整っていません。
それでも、昨日は長く記録メディアに残しておきたい光環が現れました。いわば奇跡的に、氷粒のサイズなどが整っていたのでしょう。
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ところで、うろこ雲が太陽の位置から移動するにつれて、光環の形は大きく変化しました。雲が浮かんでいない部分において、太陽光は回折されないからです。
この後、上空はやや厚めの低層雲で覆われました。そして、上の画像のような光環は現れませんでした。
撮影・現像条件は最初の画像の場合とほぼ同じに設定しています
関東地方も梅雨明けになったとのことですが、今日は青空が見えない天気になりました。夕刻に雲間から日差しが届きましたが、光環は現れませんでした。
撮影・現像条件は最初の画像の場合とほぼ同じに設定しています
太陽による光環は撮ることによってのみ確認できる美しい自然現象です(直視では視覚機能に重大な障害を招く恐れがあります)。これからも太陽とうろこ雲などが織りなす光景を機会あるごとに追いたいと思っています。
ー 7月18、19日、桐生市にて ー
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