絶景とも言えるような景色やそこでしか咲かない花に出会いたい。ごく当たり前の動機で、私達は近場の山道を歩いている。この日、私達は赤城山の地蔵岳で午後のひとときを過ごした。赤城山を選んだのは、携帯電話の通話範囲に留まり、ある知らせを受けることを期待していたからである。5月5日12時半ー15時半頃、快晴。
東方向での青空と雲。赤城山は雲の名所である。昨年は、このスポットで雲海を眺めた。
地蔵岳では春の訪れが遅い。草木の芽吹きが始まったばかりである。
絶景「紺碧の空のもとでの残雪の山々」を求めて、私達は山頂に向かった。
ところで、地蔵岳(1674 m)には、電波中継アンテナやレーダー雨量観測計などが設置されている。
黒檜山(1828 m、赤城山最高峰)によって日光白根山や皇海山の眺めは遮られるが、山頂からの展望は広大である。
山頂での展望は、私達の期待を超えるものであった(広角)。
雲一つない青空のもとで、会津駒ヶ岳(福島県)、燧ヶ岳(福島県)、至仏山(群馬・福島県)、武尊山(群馬県)、巻機山(新潟県)、谷川岳連峰(群馬・新潟県)、苗場山(新潟県)が、私達の視界に入ってきた。
左から、燧ヶ岳(双耳峰)、会津駒ヶ岳(冠雪)、そして四郎岳である。
燧ヶ岳と至仏山。至仏山は左側の雪山である。
カシミール3Dによる山座同定
ここでは、武尊山をシテ、至仏山と笠ヶ岳をワキとワキヅレにする。
上越国境付近の山々では、雪が融け始めると、それぞれの山容がはっきりとする。
上越国境とは、上野国(群馬県)と越後国(新潟県)との国境(県境)である。
武能岳、谷川岳山頂から仙ノ倉山、平標山まで。
苗場山(山頂が平坦に見える形の山)などを眺めながらのランチタイムは、私達にとってささやかな贅沢の時であった。
手前の枯木色を帯びた山は鈴ヶ岳(赤城山)である。
中央に苗場山、右に大源太山、平標山、仙ノ倉山を眺める。
地蔵岳は赤城山内の荒山(北側山腹)の展望台でもある。しかし、午後は逆光条件になるので、北側斜面の様子が判然としなくなる。画像処理によって、この山では山頂付近のみならず厳しい岩場でもアカヤシオの花が咲いていることがわかった。
春の訪れを示す花から、地蔵岳付近にて。
逆光で見るスミレ(ミヤマスミレ)の群れは美しい。
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この日、山頂には多様な人々が登ってきた。かつては、アンテナの山と敬遠されたこともあったようであるが、地蔵岳とその周辺は展望と花の山としての評価が高くなっているのかもしれない。
周辺の山の雪が残っているうちに、登らなければと思いつつ、行きそびれています。
赤城ヤシオは今年も見ないうちに終わりかと!
13日以降しか晴れ間が望めず…かな?
このときは、天候に恵まれました。雪解けが始まった山波は
実に魅力的ですね。あるカメラマンはこの景色は最高だ!と
言っていました。
赤城山のヤシオはどのようになるでしょうか。なお、荒山北面の
アカヤシオを逆光にならない時間帯(朝)に撮ってみたいと
思います。再び、快晴の日があることを期待しています。
5月になっても、残雪の山々が見えると、
夏山を歩いたときのことを思い出します。
間もなく、これらの山々は花の山へと
変身しますが、大部分は山容が険しいことに、
私は閉口しています。