黒楽
名盌 という 代物ではない
ひょんなことから 私の手に
私が茶を嗜むと知った知人が
「形見代わりにもらってはくれぬか」
そう言われて
断る前に 推し付けられた
ま~ これもまた
一期一会
そう思って 受け取ったものの
自分で買ったのではないから
しばらく 仕舞い込んだままだった
ある時 何を思ったか 出したら
娘たちが 飛びついた
黒楽で 点ててみたかった
黒楽で 出してもらいたかった
抹茶の緑が 映える~
などと 人気者になる
出番が多くなって 使っていると
さすが 黒楽
だんだんと 良さがわかってきた
そうなると
自慢できる
納得できる
黒
ほしくなる
と言うものの
黒
良いものは キリがないぞ
どれくらいで 妥協するか
そういうことになる
垂れた釉薬の景色
照り具合
盌の持ち具合
等々
黒楽の 黒光り
確か 鉛 だったと思う
そして 黒楽だけの 特徴
鋏痕
赤楽とはちがう 黒楽の造り方
1000度以上に焼いた状態で 窯から出し
夕焼け色になる温度で 一気に水に浸け
手で持てるくらいまで 冷ますという
高温の 盌を 鉄の鋏で 挟み出す
その時に 痕が付く
それをまた 美 とする
名工は その痕を 自分の印とするらしく
鉄の鋏も 焼いて 自作するという
訳アリ キズもの
ではありません
黒楽が 黒楽である証
赤楽は 低い温度で出すから 痕がつかない
これを 正面にすることもあれば
正面を避けてあるものもある
こりゃ~ 簡単には 手がさせない
杵築城下 老舗の和菓子屋さんで買ってきた
破れ饅頭で 二服 いただいた
今日も 穏やかに 過ごせますやうに
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