法音カウンセラー 釋 真聴 《日乗》

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難しい時代になりました。

2013年06月28日 23時32分08秒 | 日乗

高橋源一郎著
「あの日」から
ぼくが考えている

「正しさ」について
河出書房新社 2012年2月28日 第一刷発行

本書からの引文です。

深刻なギリシャを訪ねた藤原章生(フジワラアキオ)は、
「国がどうなろうが、知ったことではない」とストを繰り返すギリシャ人たちを、
「豊饒で無茶苦茶な人たち」と呼ぶ。
いったいどうしてそんなことをするのか、彼は、76歳の監督テオ・アングロブロス疑問をぶつける。
監督は自らの生涯を振り返りつつ
「いまは、戦争と比べて最悪の時代だ」と答える。
「長く西欧社会は、ギリシャを含め、本当の繁栄を手にしたと信じてきた。
だが、突如それは違うと気づいた…。
問題はファイナンス(金融)が政治にも倫理にも美学にも、
我々の全てに影響を与えていることだ。
これを取り払わなくてはならない。扉を開こう。
それが唯一の解決策だ」
「扉を開こう」とは、
「経済が全てに優先する、いまの暮らしを変えよう」ということなのである。

アメリカ主導のグローバル主義が、全世界を席巻しています。
世界各地で、貧富の差が拡大し、いろいろな歪みとなって顕現しています。
世界は、一体、何処に行こうとしているのでしょう?
心配になることが、多いですね。

今日の東京新聞《筆洗》も心配になる記事でした。
人工知能を使ったロボット兵器が開発されるというのです。
参考までに、引文しておきます。

<俺は殺されることが 嫌ひだから 人殺しに反対する、従つて戦争に反対する、自分の殺されることの 好きな人間、自分の愛するものゝ 殺されることのすきな人間、かゝる人間のみ戦争を 讃美(さんび)することが出来る>▼白樺派の作家、武者小路実篤の詩「戦争はよくない」の一節だ。自分は殺されたくない。愛する人が殺されるのを見たくもない。夫や子を戦場には行かせたくない。そんな思いこそは、戦争を防ぎ、不幸にして起きた戦争を終結させる最大の力だ▼米軍の無人機のパイロットたちを送り出す妻が、夫の戦死を案ずることはないだろう。無人機が飛ぶのは米国から一万キロも離れた戦場の上空だが、操縦は本土の基地で行う。仕事を終えたら、テレビの連続ドラマに間に合うようにマイホームに帰る▼そんな戦争の新しい形を支えているのが人工知能だ。『ロボット兵士の戦争』(P・シンガー著)によれば、米国内で人工知能研究に費やされる資金のうち、八割は米軍が提供しているという▼自ら敵を探し、仕留める。当然ながら、何の疲労も葛藤も感じないまま。そんなロボットの開発は凍結すべきだとの勧告が国連に出された。勧告は「ロボット兵器に殺人を許すことは、命の重みを軽んじかねない」と指摘する▼<殺されることが嫌ひ>という感情こそは、ロボット開発に必要な「安全回路」だろう。


《平和》《一人一人の幸せ》を真剣に考えないと、大変な時代がやってきそうです。

 

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