青木由美子著
『みんなの死にかた』
河出書房新社 2013年6月 初版発行
少し前になりますが、どこかの新聞の書評欄で見た一冊。
区立図書館で借りてきました。
本書から、中野孝次さん(1925ー2004)の言葉を拾いました。
『清貧の思想』がベストセラーでご存知の方ですね。
ローマの政治家、哲学者、詩人のセネカの言葉を引いての一文。
「運命は、誰かに起こることは汝にも起こるものと覚悟しておくべし、
自分の自由にならぬもの(肉体もしかり)については、
運命がもたらしたものを平然と受けよ。
できるならばみずからの意志で望むものの如く、進んで受けよ、
とセネカは教う。」
『徒然草』の、
「若きにもよらず、強きにもよらず、思ひかけぬは死期なり、
今日まで遁れ来にけるは、ありがたき不思議なり」
を引いて、
「自分を力づけるのは、キリストでも仏でもなく、こういう言葉だ、
言葉の中にある真実だ」
「死はさしたる事柄に非ず、
生の時は生あるのみ、
死のときは死あるのみ、
悲しむべきことに非ざるが故に」
この言葉が触発されたのは、良寛さんの言葉でしょうネ。
本書では、触れていませんが。