里村専精師の「浄土真宗にようこそNo22」をお届けします。
浄土真宗へようこそ No22
浄土をインドの大乗仏教に根拠がないとする説が横行しています。
殊更に言い出しているのではないのですが、浄土は本来の仏教から出てこないとするものです。
1.インド神話が根拠だとする説があります。
2.ストゥーパ礼拝からだとする説もあります。
3.中近東の楽園思想からだとする説もあります。
が、どれも仏教の事実を知らない者の説に見えます。
最初に一つの光がともりました。ブッダの正覚です。
その光はすぐに6つに増えました。五比丘が光に満たされたのですから。
地上に6人のサンガが出現し、大地に生きる新しい運動が始まります。
サンガは、すぐに30から60へと広がります。
それは出家だけではなく、在俗の人々にも広がっていたはずです。
やがて45年の化導の成果は、随分大きな集団になっていたはずです。
サンガは、ブッダの滅度の後にも生き続けました。
サンガが生まれてこそ仏教は生きているのですが、見事にサンガは歴史を創造します。
部派仏教は、実際には数々のサンガの営みのことを言います。
中で大乗のサンガは、ブッダの仕事を引き継いで経典までも生産するようになります。
これら大乗のサンガの人々は、サンガに共通の光を知っていたはずです。
後に、親鸞(1173-1262)は「無量光明土」と呼びました。
浄土は、光に満ち大般涅槃を超証するサンガの世界なのです。
そしてそれは本願に基づいた阿彌陀仏の他力の世界です。
ブッダ釈尊の時代では、当然他力が常識でした。
釈尊も生涯「正法奉仕」されたと宣言されていますが…、
自らのダルマの偉大に奉仕される姿を見ても、他力の覚りが仏教の本来だったのです。
仏弟子(サンガ)たちも、大いなる他力で覚ったはずす。
大乗の歴史を潜って、サンガの人々は浄土という大きなサンガ世界を見開いたのです。
他力本願の荘厳するサンガ世界、それは釈尊のサンガも諸仏のサンガをも包む世界です。
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