昨日の続きです。
フランシスコ教皇のインタビューからです。
「今日最も重要な文化的最前線は、人間論的な挑戦です。
教会が伝統的に守ってきた人間論は堅固な基準でした。
何代もにわたる知恵と経験の結果でした。
しかし、教会が今日語りかけようとしている人間は、教会の伝統的な教えを理解しないし、
熟考しようともしないように思われます。
私は今日の人間が過去とは全く異なった仕方で自己を理解している現実について語り始めました。
この現実は社会の大きな変化と自己理解のより深い考察に基づくものです」
「各々の時代に人間は自分をより良く理解し表現しようとしてきました。
人間は時間と共に自分自身を知覚する方法を変えてきました。
具体的に言えば、ある時はサモトラケのニケの彫刻で自己を表現し、
ある時はシャガールの絵で人間は自己を表現してきました。
真理の表現の様式も多様であることができますし、
普遍的な意義を持つ福音のメッセージの伝達にこのことはとても必要です」
「人間は自己自身を探求し続けますし、明らかにこの探求の途上で誤謬を犯します。
教会は聖トマスの偉業のように、天才的な、創造的な時を経験しました。
しかし、思想的な衰退の時も経験しました。
例えば、聖トマスの天才性と衰退したトミズムとを混同してはなりません。
人間を考える上で、教会は衰退にではなく、天才的創造へと向かって行かなければなりません」