2018年11月の訃報特集は最後に一気に多くなったので2回に分けて、まず外国人から。最初に誰を書こうとおもったけど、ベルナルド・ベルトルッチ監督は別に書いたのでフランシス・レイから。1932~2018.11.7、86歳。正式な死亡日や死因は未発表。フランスの作曲家で、特にクロード・ルルーシュ監督作品で知られた。「男と女」「白い恋人たち」(68年のグルノーブル冬季五輪の記録映画)なんて、ある年代ならばアタマの中にメロディが鳴り響き、それは「フランスの香り」をしていたのである。1970年にはアメリカ映画「ある愛の詩(うた)」(Love Story)でアカデミー賞受賞。最近まで活動はしていたけど、やはり70年代頃を思い出す名前だ。
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アメリカ合衆国第43代大統領のジョージ・H・W・ブッシュが死去。1924.6.12~2018.11.30、94歳。長男も大統領になったわけだが、父親はフルネームで言えばジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュという。息子の方にはハーバートが付かない。ビジネス界からテキサスで政治家になったが、大統領になる人材とは思われてなかったと思う。国連大使や初代駐中国連絡事務所長(国交樹立前の事実上の中国大使)を務め、80年大統領選でレーガンの副大統領候補となった。保守的で外交経験のないレーガンのもとで、外交的な経験を買われたということだろう。
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レーガンの高支持を受け継ぎ88年大統領選でブッシュが当選した。現職副大統領が直後に当選することは珍しく、144年ぶり4回目だという。就任した1989年はベルリンの壁崩壊、東欧革命の年だった。「冷戦終結」と「湾岸戦争」(イラクのフセイン政権が90年夏にクウェートに侵攻し、91年初めに多国籍軍がクウェートを解放した。)現代史の最も重大な時点で、世界最高レベルの地位にこの人がいた。しかし、92年大統領選では、経済政策が批判されクリントンに敗れた。実業家のロス・ペローが2割近い得票をして、保守票が取られたのだ最大要因だった。戦争中に日本ぐに撃墜された経験がある。バーバラ夫人は賢夫人で知られ、2018年4月に先に死去した。
長くなってしまったので、後は簡単に。アメリカのコミック原作者、スタン・リーが死去。11.12日、95歳。1939年にタイムリー・コミックス(後のマーベル・コミック)社で働き始め、18歳で編集長に就任。60年代以後、スーパーヒーローものコミックを多数生み出した。「アメイジング・スパイダーマン」「X‐メン」「アイアンマン」「ハルク」「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」など映画化されて大ヒットしたものが多い。自作の映画化にカメオ出演したことでも知られている。
アメリカの脚本家、ウィリアム・ゴールドマンが11.16日に死去、87歳。「明日に向かって撃て!」と「大統領の陰謀」で2回アカデミー賞を受賞した。その後も「ミザリー」「マーヴェリック」「目撃」などを書いているけど、やはり70年代に輝いていた。映画界以前に作家として「マラソンマン」「華麗なるヒコーキ野郎」などを書き、自分でシナリオ化している。
映画監督ニコラス・ローグが死去、11.23日、90歳。元々はカメラマンで「アラビアのロレンス」の撮影の一人。トリュフォーの「華氏451」などを担当した。監督になってから「赤い影」「地球に落ちて来た男」「ジェラシー」「マリリンとアインシュタイン」などがある。耽美的な映像がミニシアターに合っていた。今はデヴィッド・ボウイが出演した「地球に落ちて来た男」が一番有名だろう。
「香港映画の父」と呼ばれるレイモンド・チョウが死去、11月2日、91歳。有名なショー・ブラザースに50年に入社、70年に独立して「ゴールデン・ハーベスト」を創設した。ブルース・リーの映画を製作し、「燃えよドラゴン」が世界的に大ヒット。カンフー映画ブームが世界に広がった。その後ジャッキー・チェンの映画が大ヒット。「プロジェクトA」や「ポリス・ストーリー」などジャッキー・チェンの一番面白かった時代である。「キャノンボール」でハリウッドにも進出した。
イギリスの社会学者、日本では「知日派の日本学者」と言われたロナルド・ドーアが11月13日死去、93歳。日本をテーマに資本主義や共同体意識の比較研究をして、非常にたくさんの本が紹介されている。「都市の日本人」「学歴社会 新しい文明病」「イギリスの工場・日本の工場」などが最も有名だろう。「誰のための会社にするか」(2006)、「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(2011)、「日本の転機 ─米中の狭間でどう生き残るか」(2012)は、いずれも岩波、中公、ちくまの新書で刊行された。「幻滅 外国人社会学者が見た戦後日本70年」(2014)が最後に書かれた。題名にあるように、21世紀にはアメリカ的な文明への批判、日本への幻滅を語ることが多かった。
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レーガンの高支持を受け継ぎ88年大統領選でブッシュが当選した。現職副大統領が直後に当選することは珍しく、144年ぶり4回目だという。就任した1989年はベルリンの壁崩壊、東欧革命の年だった。「冷戦終結」と「湾岸戦争」(イラクのフセイン政権が90年夏にクウェートに侵攻し、91年初めに多国籍軍がクウェートを解放した。)現代史の最も重大な時点で、世界最高レベルの地位にこの人がいた。しかし、92年大統領選では、経済政策が批判されクリントンに敗れた。実業家のロス・ペローが2割近い得票をして、保守票が取られたのだ最大要因だった。戦争中に日本ぐに撃墜された経験がある。バーバラ夫人は賢夫人で知られ、2018年4月に先に死去した。
長くなってしまったので、後は簡単に。アメリカのコミック原作者、スタン・リーが死去。11.12日、95歳。1939年にタイムリー・コミックス(後のマーベル・コミック)社で働き始め、18歳で編集長に就任。60年代以後、スーパーヒーローものコミックを多数生み出した。「アメイジング・スパイダーマン」「X‐メン」「アイアンマン」「ハルク」「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」など映画化されて大ヒットしたものが多い。自作の映画化にカメオ出演したことでも知られている。
アメリカの脚本家、ウィリアム・ゴールドマンが11.16日に死去、87歳。「明日に向かって撃て!」と「大統領の陰謀」で2回アカデミー賞を受賞した。その後も「ミザリー」「マーヴェリック」「目撃」などを書いているけど、やはり70年代に輝いていた。映画界以前に作家として「マラソンマン」「華麗なるヒコーキ野郎」などを書き、自分でシナリオ化している。
映画監督ニコラス・ローグが死去、11.23日、90歳。元々はカメラマンで「アラビアのロレンス」の撮影の一人。トリュフォーの「華氏451」などを担当した。監督になってから「赤い影」「地球に落ちて来た男」「ジェラシー」「マリリンとアインシュタイン」などがある。耽美的な映像がミニシアターに合っていた。今はデヴィッド・ボウイが出演した「地球に落ちて来た男」が一番有名だろう。
「香港映画の父」と呼ばれるレイモンド・チョウが死去、11月2日、91歳。有名なショー・ブラザースに50年に入社、70年に独立して「ゴールデン・ハーベスト」を創設した。ブルース・リーの映画を製作し、「燃えよドラゴン」が世界的に大ヒット。カンフー映画ブームが世界に広がった。その後ジャッキー・チェンの映画が大ヒット。「プロジェクトA」や「ポリス・ストーリー」などジャッキー・チェンの一番面白かった時代である。「キャノンボール」でハリウッドにも進出した。
イギリスの社会学者、日本では「知日派の日本学者」と言われたロナルド・ドーアが11月13日死去、93歳。日本をテーマに資本主義や共同体意識の比較研究をして、非常にたくさんの本が紹介されている。「都市の日本人」「学歴社会 新しい文明病」「イギリスの工場・日本の工場」などが最も有名だろう。「誰のための会社にするか」(2006)、「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(2011)、「日本の転機 ─米中の狭間でどう生き残るか」(2012)は、いずれも岩波、中公、ちくまの新書で刊行された。「幻滅 外国人社会学者が見た戦後日本70年」(2014)が最後に書かれた。題名にあるように、21世紀にはアメリカ的な文明への批判、日本への幻滅を語ることが多かった。