僕の大好きな山下敦弘(のぶひろ)監督の「ハード・コア」という映画は、実は20日に東京でのロードショーが終わってしまった。最後の日にやっと見て、すごく変で、そこが面白かったので一応紹介。東京以外では今後上映されるそうだし。作品の出来自体が大傑作というわけじゃないと思うが、山下監督っぽい「オフビート」な面白さに満ちている。

もともとは狩撫麻礼(かりぶ・まれい、2018年1月に死去、「オールド・ボーイ」もこの人)原作、いましろたかし画の「伝説のコミック」だという。僕は詳しくないけど、すごくおかしな設定に驚く。原作を生かしながら、現在の話も入れて向井康介の脚本で映画化した。向井は大阪芸大で山下監督と知り合い、初期作品から組んできた。「リンダ リンダ リンダ」や「もらとりあむタマ子」なども向井脚本。この映画でも向井脚本の存在感が大きいと思う。
権藤右近(山田孝之)と左近(佐藤健)という兄弟がいる。弟の左近はサラリーマンで日常に適応しているが、兄の右近は純粋というかほとんど現実から脱落していて、何かと弟が後始末している。右近の「仕事」はすごく小さな右翼的政治団体に属し、その団体のリーダーのため「埋蔵金探し」と称して穴掘りを続けること。そこに仲間として牛山(荒川良々)がいるが、牛山はもう完全に現実を脱落していて、廃工場に住んでいる。
ここまでなら、まあ下層生活を描くリアリズムで理解できるのだが、ある日牛山が変なものを見つける。死体かと思うと、これがなんとロボット。それもすごい性能を持つロボットだと、ある日弟の左近に見せたら気づく。何であるのかは不明ながら、右近、牛山、「ロボオ」(と名付ける)の三人(?)組が誕生する。そして「ロボオ」が「超能力」(ロボットだから単に「能力」だけど)を発揮するとき、そこには日常を軽く飛び越える奇怪な展開が待っている。
同じようにコミックを原作とする「愛しのアイリーン」も今年を代表する暴走快作だったが、こっちの「ハード・コア」も負けず劣らずぶっ飛んでいる。とことんダメな男たちが結局ダラダラやっていく日常をロボットは変えられるのか。リーダーのもとで現場を仕切っている水沼(康すおん)とその娘多恵子(石橋けい)が存在感を増すとき、事態は破滅的になっていく。しかしラストまで脱力的な作りになっている。もうどうなっているんだか判断も難しい怪作だけど、とても面白かった。

もともとは狩撫麻礼(かりぶ・まれい、2018年1月に死去、「オールド・ボーイ」もこの人)原作、いましろたかし画の「伝説のコミック」だという。僕は詳しくないけど、すごくおかしな設定に驚く。原作を生かしながら、現在の話も入れて向井康介の脚本で映画化した。向井は大阪芸大で山下監督と知り合い、初期作品から組んできた。「リンダ リンダ リンダ」や「もらとりあむタマ子」なども向井脚本。この映画でも向井脚本の存在感が大きいと思う。
権藤右近(山田孝之)と左近(佐藤健)という兄弟がいる。弟の左近はサラリーマンで日常に適応しているが、兄の右近は純粋というかほとんど現実から脱落していて、何かと弟が後始末している。右近の「仕事」はすごく小さな右翼的政治団体に属し、その団体のリーダーのため「埋蔵金探し」と称して穴掘りを続けること。そこに仲間として牛山(荒川良々)がいるが、牛山はもう完全に現実を脱落していて、廃工場に住んでいる。
ここまでなら、まあ下層生活を描くリアリズムで理解できるのだが、ある日牛山が変なものを見つける。死体かと思うと、これがなんとロボット。それもすごい性能を持つロボットだと、ある日弟の左近に見せたら気づく。何であるのかは不明ながら、右近、牛山、「ロボオ」(と名付ける)の三人(?)組が誕生する。そして「ロボオ」が「超能力」(ロボットだから単に「能力」だけど)を発揮するとき、そこには日常を軽く飛び越える奇怪な展開が待っている。
同じようにコミックを原作とする「愛しのアイリーン」も今年を代表する暴走快作だったが、こっちの「ハード・コア」も負けず劣らずぶっ飛んでいる。とことんダメな男たちが結局ダラダラやっていく日常をロボットは変えられるのか。リーダーのもとで現場を仕切っている水沼(康すおん)とその娘多恵子(石橋けい)が存在感を増すとき、事態は破滅的になっていく。しかしラストまで脱力的な作りになっている。もうどうなっているんだか判断も難しい怪作だけど、とても面白かった。