尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

北朝鮮ミサイル問題、簡単に-北朝鮮問題⑧

2017年08月29日 21時00分32秒 |  〃  (国際問題)
 他のことを書きたいので、北朝鮮問題ミサイル発射問題を簡単に。29日の午前6時直前ごろに中距離弾道ミサイルが発射されたらしい。北海道南端をかすめて襟裳岬の東方1180キロの海上に落ちたという。あっという間に(6時5分から7分頃)に日本上空を通過していったのに、日本では「Jアラート」なるミサイル警戒警報を出して大騒ぎした。まあ予想されたことだが、無意味な空騒ぎだ。

 僕はこのブログで以下のように書いている。
・北朝鮮のミサイル実験はいずれ行われるだろう。作ったものは実験して確かめないと使えない。(中略)ミサイルだって、作った以上、実際に撃って確かめないと判らない技術的問題があるだろう。作ったら、発射実験はしてみたいに決まってる。
 だが、それがグアム島周辺海域かどうかは僕は疑問。標的地点を明かして、米軍に迎撃されたりすれば、米国技術の大宣伝になっちゃう。他に撃てば、元の標的が判らないんだから、作戦成功と言える。ということで、ミサイルや核兵器の実験はいつでもあり得るが、それで戦争にはなりにくい。(8.20)
・もし発射されたなら、それは「何ごともなく日本上空を通り過ぎて行く」可能性が圧倒的に高いはずである。(8.15)

 「ミサイル発射実験」はいつでも行われる可能性があるが、それはグアム島周辺ではない地点に向けて発射され、日本上空を通り過ぎて行くだろう。ということだから、書いた通りなんだけど、それは誇るほどのことでもなく、誰でも判ることだろう。僕だって判ってるんだから、もちろん米政府や米軍も、日本政府だってそうなると思っていたはずである。

 今さら驚いたリ怒ったりしているのは、そういうふりをしているんだろう。それは職責上やむを得ないかと思うけど、「かつてない暴挙」などと言うのはおかしい。日本領土をかすめるミサイル発射は今までもあり、今回が5度目だという。列島を横断した時もあるのに、今回は領土の真上は非常に少ない。「ある程度、日本へ配慮したコース」だったという方が正しいのではないかと思う。

 もちろん国連安保理決議違反のミサイル開発は認められないが、それはそれとして、北朝鮮がミサイルを開発しようと思ったら、発射の実験をもっと行わないといけない。それは位置的に日本の領土領海をかすめないでは、なかなか難しい。他のコースだと途中に島があるから、今回のような北太平洋方向に発射するという実験は今後も起こり得ると思っておく必要がある。

 それにしても、実は「日本上空」と書いたけど、多分「大気圏外」である。だから、「日本の領空」とはいいがたい。領空の定義は定まっていないけど、まあ大気圏内というのが多いと思う。宇宙にはアメリカやほかの各国の偵察衛星が飛んでいるが、日本を撮影しても「領空違反」ということはないだろう。実際、どうしようもないんだし。

 まあ、僕の考えでは、当面金正恩政権が核兵器やミサイルの開発を断念するのはありえない。だから、今後も発射実験や核実験は行われる。しかし、それは日本を標的にしたものではないし、日本に誤って墜落するということもない。だから、ミサイル防衛システムのPAC3などを配備したり、訓練を行ったりする必要もない。冷静に対処していかないと、アメリカの「北朝鮮危機ビジネス」に多額の税金をつぎ込むだけになってしまう。
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