ミャンマーの軍事政権が民主派活動家4人の死刑を執行した。絶対に許してはならない暴挙である。国営紙が25日に伝えたもので、執行日時は不明である。遺体の返還も許可されていないという。死刑判決は1月に出されていて、国際的な批判を浴びていた。早速在日ミャンマー人が抗議に立ちあがったが、日本のマスコミでは報道されない状態である。青山の国連大学前には26日午後にミャンマー人ら400名が集まり抗議の声を挙げた。「テロ軍がミャンマー国民を無差別に殺害していることに沈黙するな」「ミャンマーをたすけてください」という横断幕を掲げて抗議している。
(国連大学前で抗議する人々)
死刑が執行されたのはアウンサンスーチー氏の側近、ピョーゼヤートー氏(41)や著名な民主活動家のチョーミンユ氏(53)ら4人。「ら」の2名が誰かは名前が判らないが、「男性2人が、女性を国軍の協力者と疑って殺した罪で死刑を執行された」という。その男性の情報はないけれど、先の2人に関しては「行政関係者らを殺害するなどのテロ行為に関与した」というのが死刑判決の理由とされる。これは明白な政治犯であるというしかない。ミャンマー国軍はあってはならない一線を越えたというしかない。
(死刑を執行された2人)
かねてよりミャンマー寄りで知られたASEAN議長国カンボジアのフン・セン首相もミャンマー国軍トップのミンアウンフライン最高司令官に宛てた書簡で「ミャンマーの正常化に向けたASEANやカンボジア政府の努力に壊滅的な影響を及ぼす」と懸念を示していた。今までミャンマーでは政治犯以外でも終身刑に減刑されることが多く、僕も何となく水面下の折衝で執行が避けられるように今まで思い込んでいた。2021年2月1日の国軍クーデタ以後、1万2千人以上が拘束され、10代を含め117名が死刑判決を受けているという。(東京新聞7月26日)このままでは酷薄な軍事政権はどこまで非道を行うか判ったものではない。
(タイの抗議デモ)
すでに多くの国がミャンマーを非難している。ミャンマー担当の国連人権理事会のアンドリュース特別報告者は25日の声明で「人権と民主主義の擁護者である人々の死刑が執行されたとの知らせに憤慨し、打ちのめされている」と非難し「東南アジア諸国連合(ASEAN)と全ての国連加盟国は相応の行動を取るべきだ」と訴えた。日本政府もEU上級代表、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、韓国の外務大臣と共同で、林外務大臣が共同声明を出した。「ミャンマーの軍政による民主化活動家及び反体制派指導者の死刑執行は、軍政による人権と法の支配の軽視を更に例証する非難されるべき暴力行為である」とた上で、「不当に拘束されている全ての人々の解放」「更なる暴力ではなく、対話を通じた平和の追求」などを求めた。
しかし、ただ声明を出すだけでは効果が期待できない。僕もロシアのウクライナ侵攻や国際的な多くの問題に気を取られて、ミャンマーのことをあまり書いて来なかった。日本にはミャンマー出身者が多く、歴史的なつながりも多い。持続的な関心が必要だ。まさかミャンマー軍政代表者を「安倍元首相の国葬」に呼んだりしないように、厳重に監視していかないといけないと思う。
ところで、日本ではミャンマーの死刑執行が伝えられたその日に、秋葉原事件の死刑囚の死刑が執行された。日本では例年、7月末か8月初め、及び12月下旬に死刑が執行されることが多い。これは国会の開会中ではない時期に行われているのである。22日に法務大臣が執行を命じているというから、ミャンマーと重なったのは偶然だが、何かミャンマーを支援するような感じになってしまった。もちろん政治犯と刑事犯だから、全然違うわけではあるが、EUなどではそうは見られないだろう。世界の先進国ではほとんど死刑が廃止されている中で、日本だけが全く聞く耳を持たず毎年の執行を続けている。
では、なぜ秋葉原事件の死刑囚が今回執行されたのだろうか。もっと前に確定していた死刑囚は他にたくさんいる。(それはネット上に死刑囚や執行死刑囚のリストが掲載されているので、簡単に確認できる。)それは恐らく「安倍元首相銃撃事件」の影響だろう。かつて神戸の少年事件が起きた年に、順番を変えて永山則夫が執行された。それは「少年犯罪への厳格な姿勢」を示すという意図だったとされる。今回も「街頭で起きた大事件」には峻厳に対処するという国家権力の意図を示すということだと考えられる。そういう思考法をするのが法務省なのである。
(国連大学前で抗議する人々)
死刑が執行されたのはアウンサンスーチー氏の側近、ピョーゼヤートー氏(41)や著名な民主活動家のチョーミンユ氏(53)ら4人。「ら」の2名が誰かは名前が判らないが、「男性2人が、女性を国軍の協力者と疑って殺した罪で死刑を執行された」という。その男性の情報はないけれど、先の2人に関しては「行政関係者らを殺害するなどのテロ行為に関与した」というのが死刑判決の理由とされる。これは明白な政治犯であるというしかない。ミャンマー国軍はあってはならない一線を越えたというしかない。
(死刑を執行された2人)
かねてよりミャンマー寄りで知られたASEAN議長国カンボジアのフン・セン首相もミャンマー国軍トップのミンアウンフライン最高司令官に宛てた書簡で「ミャンマーの正常化に向けたASEANやカンボジア政府の努力に壊滅的な影響を及ぼす」と懸念を示していた。今までミャンマーでは政治犯以外でも終身刑に減刑されることが多く、僕も何となく水面下の折衝で執行が避けられるように今まで思い込んでいた。2021年2月1日の国軍クーデタ以後、1万2千人以上が拘束され、10代を含め117名が死刑判決を受けているという。(東京新聞7月26日)このままでは酷薄な軍事政権はどこまで非道を行うか判ったものではない。
(タイの抗議デモ)
すでに多くの国がミャンマーを非難している。ミャンマー担当の国連人権理事会のアンドリュース特別報告者は25日の声明で「人権と民主主義の擁護者である人々の死刑が執行されたとの知らせに憤慨し、打ちのめされている」と非難し「東南アジア諸国連合(ASEAN)と全ての国連加盟国は相応の行動を取るべきだ」と訴えた。日本政府もEU上級代表、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、韓国の外務大臣と共同で、林外務大臣が共同声明を出した。「ミャンマーの軍政による民主化活動家及び反体制派指導者の死刑執行は、軍政による人権と法の支配の軽視を更に例証する非難されるべき暴力行為である」とた上で、「不当に拘束されている全ての人々の解放」「更なる暴力ではなく、対話を通じた平和の追求」などを求めた。
しかし、ただ声明を出すだけでは効果が期待できない。僕もロシアのウクライナ侵攻や国際的な多くの問題に気を取られて、ミャンマーのことをあまり書いて来なかった。日本にはミャンマー出身者が多く、歴史的なつながりも多い。持続的な関心が必要だ。まさかミャンマー軍政代表者を「安倍元首相の国葬」に呼んだりしないように、厳重に監視していかないといけないと思う。
ところで、日本ではミャンマーの死刑執行が伝えられたその日に、秋葉原事件の死刑囚の死刑が執行された。日本では例年、7月末か8月初め、及び12月下旬に死刑が執行されることが多い。これは国会の開会中ではない時期に行われているのである。22日に法務大臣が執行を命じているというから、ミャンマーと重なったのは偶然だが、何かミャンマーを支援するような感じになってしまった。もちろん政治犯と刑事犯だから、全然違うわけではあるが、EUなどではそうは見られないだろう。世界の先進国ではほとんど死刑が廃止されている中で、日本だけが全く聞く耳を持たず毎年の執行を続けている。
では、なぜ秋葉原事件の死刑囚が今回執行されたのだろうか。もっと前に確定していた死刑囚は他にたくさんいる。(それはネット上に死刑囚や執行死刑囚のリストが掲載されているので、簡単に確認できる。)それは恐らく「安倍元首相銃撃事件」の影響だろう。かつて神戸の少年事件が起きた年に、順番を変えて永山則夫が執行された。それは「少年犯罪への厳格な姿勢」を示すという意図だったとされる。今回も「街頭で起きた大事件」には峻厳に対処するという国家権力の意図を示すということだと考えられる。そういう思考法をするのが法務省なのである。
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