ものすごく恐ろしいことがあった。気づいていない人もいるかと思い、書き忘れないうちに書いておきたい。場所は石川県の志賀原発である。羽咋(はくい)郡志賀(しか)町、能登半島の西側の海岸にある北陸電力の原子力発電所。読み方は「しか」になる。現在は停止中。
ここで9月28日に、非常用照明の電源が漏電する事故が起きた。雨水が大量にあふれたのである。福島第一原発の事故は、非常用電源が大津波によって失われ、核燃料の冷却が不可能になったことで起きた。だから、「非常用電源」はとても重要である。もちろん、非常じゃない電源も大事なわけだけど、大きな災害、事故などで「仮に電源が失われたとしても」、非常用の電源が働くから安心できるわけである。(原発に限らず、電気が失われると大変な施設は同じことが言える。)
当時は道路工事があって、排水路が一部ふさがれていたという。そのため、雨水が道路にあふれ出て、ケーブル配管に流れ込んだ。そして、原子炉建屋の1階に流入し、電気設備が漏電したのである。地下1階にある最重要の蓄電池の真上にも水が来ていた。水は地下2階まで達していた。志賀原発は近くに川などがなく、洪水対策は不要とされていたんだそうだ。
では、その当時は超大型台風などが来ていたのか。もう具体的な日付は忘れているので調べてみる。8月から9月にかけて、今年は毎週のように台風が日本付近に来た。しかし、台風16号が9月20日に大隅半島、21日に紀伊半島に上陸したのが、(いまのところ)今年日本に上陸した最後の台風。(台湾の東海上でUターンして長く留まったあの台風)次の17号は27日に先島諸島に近づき、台湾に進んだ。18号は26日に発生したが、沖縄に近づいたのは10月3日、韓国に被害を与えた後で東進して10月5日に佐渡島付近で温帯低気圧になった。
つまり、台風などではなかった。当時は1時間当たり26ミリの雨が降っていた。これはどのぐらいの大雨なんだろうか。一般的に「記録的短時間大雨情報」は、1時間に100ミリの雨だという。調べてみると、注意報、警報を出す基準は地域ごとに違い、公表されている。志賀町の基準は、大雨警報は1時間に50ミリ、大雨注意報は1時間に30ミリだとある。つまり、けっこう降ることは降っていたんだけど、「大雨注意報を出す基準には達していなかった」のである。
停止中の原発でも、使用済み核燃料の冷却を続けている。このときに、もっと大量の雨が降っていたら、どれほど恐ろしいことが起きていたか。そして、福島であれだけの事故が起きたんだから、およそ考えられる事態は全部考えて対策を取っているんだなどと思うと、誰も予想もしなかったケースはあるのである。大雨注意報が出るような雨じゃないのに、非常用電源が失われかけた。専門家じゃない我々には気づきようもない、誰も予想しない事態がまたどこかで起きないと言えるのか。
ところで先に書いた新潟県知事選は、16日に投開票された。そして周知のように、予想を超えた大差で野党系の米山隆一氏が当選した。米山隆一=528,455、森民夫=465,044 なので6万3千票ほどの票差である。(他に無所属新人が二人いたが、米山氏は52.15%で過半数を超えている。)
7月の参院選では、森裕子=560,429 中原八一=558,150 だったが、幸福実現党が2万4千票ほど取っていて、森裕子の得票率は49%だった。(幸福実現党は主張的にはウルトラ保守だから、政策だけで考えると、自民の票を奪っている可能性が高い。それが参院選後に「弾圧」を受けた理由かもしれない。同党は公職選挙法違反(買収)で逮捕者が出て本部も捜索された。それに対して「(再逮捕・長期勾留は)民主主義の危機」とするコメントを出している。)
もっとも投票率が低いため、与党系も野党系も票を減らしている。国政選挙に対して、地方選挙は投票率が下がり、特に単発の首長選挙は低くなる。今回は53.05%だが、それでも前回、前々回より10%近く高い。「原発再稼働の是非」に絞った単一イシュー選挙が功を奏したのである。
それにしても、民進党の対応は理解できない。最終盤に蓮舫代表も応援に行ったけど、推薦も支持もない候補を「野党第一党の党首」が応援してもいいのだろうか。いくら勝てそうな感触が出てきたしても。(衆院補選の情勢が厳しいので、勝てそうなところにも行ったとされる。)応援に行くのが悪いというのではない。「自主投票」なんだから、民進党議員が個人的に支援するのは何の問題もない。だけど、党首なんだから最低限「党本部段階での支持表明」がいるんじゃないか。一方、連合新潟は森候補を支持し、民進党本部は連合に党首の対応を「釈明」しているという。それもおかしな話で、説明して欲しいのは、「国政選挙で対決した与党系候補を、なぜ連合新潟が支持したか」の方だろう。
民進党も問題だけど、「労働組合」が原発支持でいいのか。企業内組合であったとしても、仕事がなくては困るというのがホンネだとしても。国民世論からかくも隔絶した労働組合とはどんなものなのか。こういう事例を見ると、日本にいま必要なのは「自主労組『連帯』」だと改めて強く思う。労組に限らず、「自主」と「連帯」が日本に必要なんだと思う。
ここで9月28日に、非常用照明の電源が漏電する事故が起きた。雨水が大量にあふれたのである。福島第一原発の事故は、非常用電源が大津波によって失われ、核燃料の冷却が不可能になったことで起きた。だから、「非常用電源」はとても重要である。もちろん、非常じゃない電源も大事なわけだけど、大きな災害、事故などで「仮に電源が失われたとしても」、非常用の電源が働くから安心できるわけである。(原発に限らず、電気が失われると大変な施設は同じことが言える。)
当時は道路工事があって、排水路が一部ふさがれていたという。そのため、雨水が道路にあふれ出て、ケーブル配管に流れ込んだ。そして、原子炉建屋の1階に流入し、電気設備が漏電したのである。地下1階にある最重要の蓄電池の真上にも水が来ていた。水は地下2階まで達していた。志賀原発は近くに川などがなく、洪水対策は不要とされていたんだそうだ。
では、その当時は超大型台風などが来ていたのか。もう具体的な日付は忘れているので調べてみる。8月から9月にかけて、今年は毎週のように台風が日本付近に来た。しかし、台風16号が9月20日に大隅半島、21日に紀伊半島に上陸したのが、(いまのところ)今年日本に上陸した最後の台風。(台湾の東海上でUターンして長く留まったあの台風)次の17号は27日に先島諸島に近づき、台湾に進んだ。18号は26日に発生したが、沖縄に近づいたのは10月3日、韓国に被害を与えた後で東進して10月5日に佐渡島付近で温帯低気圧になった。
つまり、台風などではなかった。当時は1時間当たり26ミリの雨が降っていた。これはどのぐらいの大雨なんだろうか。一般的に「記録的短時間大雨情報」は、1時間に100ミリの雨だという。調べてみると、注意報、警報を出す基準は地域ごとに違い、公表されている。志賀町の基準は、大雨警報は1時間に50ミリ、大雨注意報は1時間に30ミリだとある。つまり、けっこう降ることは降っていたんだけど、「大雨注意報を出す基準には達していなかった」のである。
停止中の原発でも、使用済み核燃料の冷却を続けている。このときに、もっと大量の雨が降っていたら、どれほど恐ろしいことが起きていたか。そして、福島であれだけの事故が起きたんだから、およそ考えられる事態は全部考えて対策を取っているんだなどと思うと、誰も予想もしなかったケースはあるのである。大雨注意報が出るような雨じゃないのに、非常用電源が失われかけた。専門家じゃない我々には気づきようもない、誰も予想しない事態がまたどこかで起きないと言えるのか。
ところで先に書いた新潟県知事選は、16日に投開票された。そして周知のように、予想を超えた大差で野党系の米山隆一氏が当選した。米山隆一=528,455、森民夫=465,044 なので6万3千票ほどの票差である。(他に無所属新人が二人いたが、米山氏は52.15%で過半数を超えている。)
7月の参院選では、森裕子=560,429 中原八一=558,150 だったが、幸福実現党が2万4千票ほど取っていて、森裕子の得票率は49%だった。(幸福実現党は主張的にはウルトラ保守だから、政策だけで考えると、自民の票を奪っている可能性が高い。それが参院選後に「弾圧」を受けた理由かもしれない。同党は公職選挙法違反(買収)で逮捕者が出て本部も捜索された。それに対して「(再逮捕・長期勾留は)民主主義の危機」とするコメントを出している。)
もっとも投票率が低いため、与党系も野党系も票を減らしている。国政選挙に対して、地方選挙は投票率が下がり、特に単発の首長選挙は低くなる。今回は53.05%だが、それでも前回、前々回より10%近く高い。「原発再稼働の是非」に絞った単一イシュー選挙が功を奏したのである。
それにしても、民進党の対応は理解できない。最終盤に蓮舫代表も応援に行ったけど、推薦も支持もない候補を「野党第一党の党首」が応援してもいいのだろうか。いくら勝てそうな感触が出てきたしても。(衆院補選の情勢が厳しいので、勝てそうなところにも行ったとされる。)応援に行くのが悪いというのではない。「自主投票」なんだから、民進党議員が個人的に支援するのは何の問題もない。だけど、党首なんだから最低限「党本部段階での支持表明」がいるんじゃないか。一方、連合新潟は森候補を支持し、民進党本部は連合に党首の対応を「釈明」しているという。それもおかしな話で、説明して欲しいのは、「国政選挙で対決した与党系候補を、なぜ連合新潟が支持したか」の方だろう。
民進党も問題だけど、「労働組合」が原発支持でいいのか。企業内組合であったとしても、仕事がなくては困るというのがホンネだとしても。国民世論からかくも隔絶した労働組合とはどんなものなのか。こういう事例を見ると、日本にいま必要なのは「自主労組『連帯』」だと改めて強く思う。労組に限らず、「自主」と「連帯」が日本に必要なんだと思う。
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