今どきの成人式は、成人の日当日には写真は撮らず、
「前撮り」とか「後撮り」とかで、写真撮影は別の日、すなわち
二度、着付けをするのだそうです。
それを知ったのは数年前。姪っ子(妹の長女Aちゃん)に振袖のDMが
届き始めてから。
でも、うちはもう着物はあるから、と、妹は自分がつくってもらった
振袖を長女に着てもらうと決めていたようでした。
洗い張りに出し、姪っ子の背丈にあわせて仕立て直し、長襦袢も
あわせて作り、草履とバッグも新調して…ここまでは私たちの母、
姪っ子からみれば「ばあちゃん」が整えてくれました。
そうして、迎えた本日「前撮り」。
思っていた以上に、黒地の着物、似合っていました。
午前中、スポーツクラブに行っていた私は、帰り道、自転車を
飛ばしながら、そういえば妹が振袖を着た姿を最後に見たのは
私自身の結婚式の時だということを思い出しました。
あれから26年という時間が流れ、またこの振袖をこんな形で
みるとはねえ、です。
結婚して、それまでの家族と離れて住むことになって、いちばん
寂しかったのは、妹の不在でした。
ふたり姉妹で、部屋もずっと一緒で、3歳下の妹が、疎ましくて
しかたなかった頃もあったのに、です。
しみじみしたのは、そうやって自転車に乗っていた時だけで(笑)、
昼ご飯の後の、玄関前での写真撮影は賑やかなひとときでした。
Aちゃんがつけてきた「付け爪」を興味深そうに母が見ていたので、
来年の新年会の時に教えてもらってやっていけばいいのに、と冗談で
言ったつもりが、帰る間際には、ちゃっかりAちゃんから、母は
付け爪の箱、受け取ってました・笑。
でもそんな母の存在があっての「わたしたちのきもの」です。