音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

エマニュエル・パユマスタークラス

2008-12-02 22:08:51 | レクチャー、マスタークラス

昨夜は、エマニュエル・パユのマスタークラスに参加してきました。
東京公演を終えた後、伴奏者のトレバー・ピノックさんが緊急手術をされることになって、大阪以南のコンサートがキャンセルになってしまいました。突然空いた日程に、ドルチェ楽器の社長さんが、マスターコースを依頼され、今回開催されることになりました。準備期間3日だったそうです。・・・すごい

彼は私がサマースクールでお世話になったクリスチャン・ラルデ先生の門下でもあります・・・私も、席が埋まらないかもと言われて、申し込みましたが、なんのそのの完売。さずがパユ。当代一のフルーティストの一人です。・・・しかし、一方で、私は発表会の打合せをキャンセル。不義理してしまいました。ごめんなさい。

受講生は3人。
マルタンのバラード
モーツアルトのフルート協奏曲 G-dur
イベールのフルート協奏曲 第一楽章

曲それぞれの解釈や、演奏者の癖などももありますが、一般的に私が使えそうだなあと思ったところ書きます。ただし、私が聴いたと思ったことなので、もしかしたら、違うかもしれません。詳しいことを知りたい方は、またパユのマスターコースに参加して質問してくださいね。

ヴィヴラートは、音楽的に必要でないところで、かけないこと。モーツアルトの手紙を引用され、彼はヴィヴラートを多用することを嫌っていて、そのことはフルートだけでなく、管楽器、弦楽器についても同じだそうです。現代曲においても、特に避けなければいけないのは、のどを絞めることによって、自動的にかかってしまう細かい震えるようなヴィヴラートです。

それから、タンギングのために一回、一回腹筋を締めるのではなく、逆に、内臓を下げて、お腹の筋肉をゆるめて横隔膜を下げ。肺に空気をたっぷり入れることを勧められていました。息を吐く時は、太ももから、お腹を通って掃出すイメージで。

タンギングは、音のはじめではなく、音の終わり方を注意すること。特にイベールの一楽章のような曲を吹くときは、唇のことは忘れること。唇は単に楽器との接触点。クラリネットや、トランペットなど唇を響かせる楽器とは違うので、声楽家の呼吸。鼻の奥を響かせると、良い音が響くことは声楽家は良く知っているそうです。それを学ぶと良いといわれました。また、いろいろ考えてやりにくくなるので、目と目の間。眉間にフォーカス(集中)して演奏する。そうすると、音が変ると、何度もいわれていました。

3人の受講生が終わった後、コンサートは企画されていなかったのですが、無伴奏ソロ曲を3曲。
ジョリヴェの5つの呪文から、2曲。テレマンの12番を演奏されました。

なんと、パウエル社、その日初めて手に取った楽器で

コンサートがキャンセルになってがっかりしている大阪の聴衆に対しての、彼なりの誠意を感じました。
おかげで、終演は10時近く・・・帰ったら11時過ぎ、昨日はブログをお休みしてしまいました。
私にとっては、今度イベールを吹くので、とってもタイミングよかったです。今日は、早速試してみました。眉間にフォーカス.・・・なかなか良いです。エネルギーいただきました