音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

音の便り

2010-01-19 21:45:27 | 音楽

今日は、懐かしい電話がありました。務めていた頃、隣の事務所にいたHさん。
「Hです。」
「…。」
「建築事務所にいたHです。」
「ああ!Hさん。」
十数年会っていませんが、声は以前のまま。私より少し年上で、テナントビルで、同じフロアーにいて、給湯室で世間話をしたり、ランチに行ったりかわいがってもらいました。

「私、最近フルートをはじめたの。そしたら、あなたのこと思い出して。」
「まだ、全然ふけないんだけど。発表会に出なさいって先生がおっしゃるの。一人で楽しめるし、良いなあと思って、人前で吹こうなんて思ってなかったし、ちょっと発表会は負担なんだけど。勉強になるって先生はおっしゃるし。」

こんな風に思い出して電話をくれるなんて、とてもうれしいです。

しばらく話した後、「コンサートがあったら教えてね。」とお互いに言い合って電話をきりました。
フルート。楽しんでくれるといいなあ。

私はフルートのおかげで、いろいろな人と出会ったり、自分と言う人間が何者であるのか?どういう人間でいたいのか?と言うことを、本当にゆっくりでしたが、考えずにはいられなかった。
娘や、会社員、妻や、親であった私は、なかなか集中して練習など出来なかったし、中途半端な時間をたくさん過ごしたけれど、何とか細くても続けてきたことで、いろいろ発見もし、成長もした…と思います。

今となればその悪戦苦闘の過程自体が、得がたい貴重な経験だったのだと思います。何も無ければ、私のような怠け者は、目の前の生活に追われ、無為に過ごしていたにちがいないのです。

音楽をやっていたい、たとえそれが明日には消えてしまうものであっても。瞬間のハーモニーや、アンサンブルの極上の時間を手に入れたときの何にも変えがたい喜び。

Hさんも味わえますように。