音楽の喜び フルートとともに

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音楽であること

2010-01-22 21:18:45 | 音楽
カワイのスコアメーカーでケーラーのグランドカルテットのスコアを作っています。
シベリウスやアレグロ、ノートパッド楽譜作成ソフトはいろいろあるけれど、スキャナーで楽譜を読み取らせて、認識すると言う機能があるのは、これだけ。と思う…多分。

音符を一個づつ入力するのは、とても時間がかかります。夜しか作業を進められない私は、意外にもやりだすと、根を詰めるタイプなので、朝4時まで、3日とか4日とか、やってしまって、ボーッとなっていましたが、体力的にも厳しくなってきて、昨年意を決してソフトを買いました。

楽譜認識は、ちょっと前まで精度が悪かったのが、最近のは格段にあがりました。
機械印字(こんな言い方をするのかな?意味わかってもらえますよね)の4枚240小節あまりのパート譜を入れて、小節線が5本抜けていたのと、ナチュラルが一個変なところについていた位。フォルテ、ピアノは大丈夫ですが、速度記号や、表情記号など、文字の読み取りは、ほとんどアウト。全部手で入力しなければなりませんでした。それでも、スコアを手書きで作る労力を考えると、もう手放せません。2時間あればパート譜一つできてしまう。

パート譜を認識できたら、後は、重ねて貼り付ければ、総譜ができてしまいます。
入力ミスも、音符を読み取って、音にしてくれるので間違いがあれば、すぐにわかります。

おもしろいのは、エスプレッシボとかは無理ですが、音の強弱、テンポ、リタルランド、クレッシェンドもできる、あり得ない正確な楽譜通りというのが、わかります。本当におもしろいです。
それを聞いていると、人がどんなに細かい繊細な作業をしているのかが、逆によくわかります。
フォルテ4分の2 8分音符のドと書いてあっても、曲や場所によって、長さも強さも、音色も違う。それに息の流れやビブラート。アクセント、タンギング。他にもたくさん。

機械音を聞いていると、楽譜だけ残しても音楽は残らない。と言う実感がしてきます。楽譜は、一音一音を大切にしてきた音楽家たちが共有し継承してきた、人間の感覚の文脈にそって、初めて本当に読み取とれるのだと言うことに思い至ります。

今晩は4thを入力します。