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宮城道雄をしのぶ筝の夕べ 第40回

2012-06-18 21:48:42 | コンサート

キキョウ科 ロべりアの一種で、アズーロコンパクト、サントリーが開発した品種だそうです。『青い色がいいなぁ』と買ったら、花色コンテストで人気№1だったらしいです。そんなコンテストがあるんですね。

この週末は、イズミホールで行われた 第40回宮城道雄をしのぶ夕べに行ってきました。

例によって母が出演しているので、父を連れてきてと言われて、実家まで父を迎えに行きそこから、一緒に出発。
父は、いろんな出来事を忘れつつありますが、一番ひどいのは場所に関する記憶。
30年間、通い詰めた飲み屋を忘れて、別の場所にいったらしく同窓会をすっぽかしたのは5月の話。

たまにしか行かない、いずみホールの場所など、覚えているはずが無く。券売機の前で、不安な顔。たぶん、毎日通った京橋が思い出せない。それでもまだ、娘の前ではわかっているような顔をしたい。
「480円出して。」と、頼まれる前に、知らぬ顔をして二人分の切符を買います。
珍道中になりました。

宮城先生の内弟子だった須山知行先生が、3年前に亡くなり、宮城門下の中島警子先生が、続けておられます。
定番の編曲松竹梅、道灌は、大編成で典雅に。北野先生の打ち物が、曲を締めます。

わらべ唄は須山先生の編曲による子どもの合唱と、お琴による変奏です。
守口の橋波小学校の児童合唱団は、すばらしく。きけば、このために編成されたコーラス部らしく、子どもたちの力には脱帽でした。

日本民謡による組曲は。2009年、牧野由多可作曲の、木曽節、稗つき節、花笠踊りの変奏曲。筝と、17弦、三弦、尺八、打ち物による曲で、先進的な手法を和楽器に取り入れた面白い曲でした。

瀬音は、宮城道雄による名曲で、演奏するのは大変難しいですが、筝と17弦、若手の二人の演奏が見事で、洋楽の手法を取り入れながら、お筝の魅力を極限まで引き出した、こんなにすばらしい曲だったのかと、今更ながら、宮城の偉大な功績がしのばれました。

石橋は、三弦と筝による古曲で、1738年頃に初演された番獅子が原曲ではないかといわれていますが、詳しくはわかりません。当時の芝居は、照明も暗く、同じフレーズ同じ舞を舞台両袖のお客さんに見せるために、繰り返し演奏されたと、久保田先生が解説されて、そう思って聞くと、なるほど繰り返しが多くとても興味深かったです。

子どもたちや、若い人たちが、邦楽に関わり、触れ日本の伝統をつなげていく。
そういう希望をしめしたコンサートでもありました。

今はどこの国も、伝統音楽は危機的状況ですが、失われた音や技術は二度とは戻らない。
だからといって、無理やりに教えても、大切に伝えたいものはやっぱり死んでしまう。
結局、もどかしく思えても一緒に遊ぶこと。それしかないと、思います。