おススメ度 ☆☆☆
ファンタジーー映画好き ☆☆☆☆
ウェスアンダーソン好き ☆☆☆☆
ブタペストの名はありますが、ハンガリーではありません。
舞台は、架空の国ズブロフカ共和国。
映画は入れ子構造になっていて、現代、1960年代、1932年。
ただ物語の中心は、大戦前の華やかなりしグランドブタペストホテルが舞台。
コンシェルジュとベルボーイノ話だ。
コンシェルジュ(レイフ・ファインズ)は、よくできたホテルマンで、婦人方の夜のお相手まで。
そんな中、お得意の老貴婦人が亡くなり、コンシェルジュに高価な絵を遺産として贈る。
これがもとで、老婦人の遺産相続人に追われ、とらわれてしまう。
何とか抜け出して、ベルボーイと二人三脚の世界めぐり。そして当時のユダヤ人排斥の流れもあって、痛烈な批判映画にもなっている。
だが、この映画の利点は、全編を彩るウェスアンダーソン色。
レゴを用いて、グランドブタペストホテルを仕上げたという、要はメルヘンチックなカラーヴァリエーションだ。
お菓子の国のようないろんなデザイン。
でもその一方で、下品でぐろい面も
そのバランスが、結局ヨーロッパスタイルの洗練のゆえか。
忘れてはならないのは、豪華キャスト、それもワンカットだったり、でもオマージュがすごい。
ロケ地となったドイツ東端の町、ゲルリッツ。この映画の雰囲気満載のところらしい。
最後に、シュテファンツバイクの名が出てくるが、これがこの映画のミソらしい。
映画は、芸術の総合というが、この映画こそ、総合芸術の名にふさわしい。