ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」、フォークソング歌手の悲哀

2014-06-06 18:04:26 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
 フォークソング好き、猫好き、コーエン兄弟好き、キャリーマリガン好き ☆☆☆☆

ボブ・ディランが憧れた伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をベースに描かれたコーエン兄弟の映画。

1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。ライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウェン・デイヴィスが主人公。

これをオスカーアイザックが演じているが、自身で歌も歌い、その歌を背景にした、しがない歌手のプライドが、この映画の主題。

しかし、そのプライドとは裏腹に、冬のニューヨークからシカゴへのお寒い旅物語だ。

報われず帰り着いた果ては、濡れた靴下の冷たいこと。

それにしても、コーエン兄弟の描く辛辣な人々との出会い。決して悪い人々ではないのだが、デイヴィスの貧乏性のなせる技なのか。

一緒に旅する猫が、デイヴィスの心情を物語る。

歌はうまい、歌詞がいい、でもこれだけでは売れない。金に迎合したくない芸術家。

そこらにもいる芸術家志望の人たちへのオマージュか?

一方、キャリーマリガンは、歌も歌う。だが、その本領は「FUCK」という言葉の連発でデイヴィスを責める言葉の機関銃だ。

決して楽しい映画ではない。それでいて、どこかに、人間を感じさせてくれる映画。

歌もよし、風景もよし、デイヴィスのだらしなさもよし、猫の表情もよし、何か心にひっかかる映画だ。



コメント
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