おススメ度 ☆☆☆
脚本家志望、芸術家を志望悩んでいる人 ☆☆☆☆
この映画の演技で、麻生久美子が日本映画批評家の主演女優賞を得ています。
脚本家を目指す34歳の馬淵みち子。学生時代からコンクールに脚本を送り続けて、いまだ、入賞なし。でも、コンパにもパソコン持参で脚本を書き続ける頑張り屋さん。
それでも、意を決して脚本の教室に通う。そんなみち子に28歳の脚本家志望の天童義美が恋心を抱く。
天童は、「本気出したらすごい」と大口をたたきながら、脚本をかけずにいる。
そんな二人を「ばしゃ馬さんとビッグマウス」と呼ぶ。
吉田恵輔が、自らの体験を交えながら、脚本・監督している。
芽の出ない作家志望、世の中にはごまんといると思われるが、それを代表するような二人の立ち位置。
真面目に頑張るがそれゆえにうだつの上がらぬ毎日。何かにつけて、世間の目も冷たい。選考に漏れたと知った日の落ち込みようは、いろんな場面で考えられるシークエンスだ。
一方、天童の方は、いつも脚本のタイトルを前にしながら筆が進まない。学生時代の甘かった思い出が、はかない自信を植え付け、前へ進めないのだ。
みち子は、脚本家の勧めで、介護施設に勤める元恋人を頼り、ボランティアで介護の体験をする。
だが、脚本も認めてもらえずそこでも挫折、元恋人を前にして酔っ払って泣き出す。
一方、本を書かない天童とも書かないで、人のことを言えるかと大ゲンカ。
この辺の、麻生の演技力は確かなもの。
でも、全体に、暗い印象のまま、終わってしまい。
上映時間の割には、発展がない。
丁寧に書かれた脚本は、説得力を持つが、小品の枠にとどまる。
天童役の安田章大(関ジャニ∞)は、やさしい関西弁で雰囲気を出している。