ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ばしゃ馬さんとビッグマウス」、脚本家志望の男女のポエジー

2014-06-08 17:00:31 | 日本映画

おススメ度 ☆☆☆
 脚本家志望、芸術家を志望悩んでいる人 ☆☆☆☆

この映画の演技で、麻生久美子が日本映画批評家の主演女優賞を得ています。

脚本家を目指す34歳の馬淵みち子。学生時代からコンクールに脚本を送り続けて、いまだ、入賞なし。でも、コンパにもパソコン持参で脚本を書き続ける頑張り屋さん。

それでも、意を決して脚本の教室に通う。そんなみち子に28歳の脚本家志望の天童義美が恋心を抱く。

天童は、「本気出したらすごい」と大口をたたきながら、脚本をかけずにいる。

そんな二人を「ばしゃ馬さんとビッグマウス」と呼ぶ。

吉田恵輔が、自らの体験を交えながら、脚本・監督している。

芽の出ない作家志望、世の中にはごまんといると思われるが、それを代表するような二人の立ち位置。

真面目に頑張るがそれゆえにうだつの上がらぬ毎日。何かにつけて、世間の目も冷たい。選考に漏れたと知った日の落ち込みようは、いろんな場面で考えられるシークエンスだ。


一方、天童の方は、いつも脚本のタイトルを前にしながら筆が進まない。学生時代の甘かった思い出が、はかない自信を植え付け、前へ進めないのだ。

みち子は、脚本家の勧めで、介護施設に勤める元恋人を頼り、ボランティアで介護の体験をする。

だが、脚本も認めてもらえずそこでも挫折、元恋人を前にして酔っ払って泣き出す。

一方、本を書かない天童とも書かないで、人のことを言えるかと大ゲンカ。

この辺の、麻生の演技力は確かなもの。

でも、全体に、暗い印象のまま、終わってしまい。

上映時間の割には、発展がない。

丁寧に書かれた脚本は、説得力を持つが、小品の枠にとどまる。


天童役の安田章大(関ジャニ∞)は、やさしい関西弁で雰囲気を出している。

コメント
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