おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
1594(文禄3)年に、初代・池坊専好が前田利家邸で巨大な松をいけて秀吉から称賛されたとの記録があり、
華道家元池坊ではその花で専好が秀吉を諫めた・・・という伝説が生きている。
この伝説を脚色して描かれた本作は、当然ながら、現池坊のバックアップを得、作品も現代の池坊の花芸人たちで作られている。
おかげで、随所に出てくる花々のなんと現代的なこと。美しい。
花戦さの題名通り、花で天下人に戦いを挑んだ、花芸人池坊専好の物語である。
軽々しく描けないこの池坊を、狂言師野村萬斎が演じ、どこか歌舞伎調。
相手の秀吉を市川猿之助が演じるので、まさに歌舞伎。
おまけに、アップシーンの多様で、おのずと顔芸となり、ふさわしい。
時代を同じくする利休を、物語に巻き込み、茶と花の競演という見事な和。
そして、個性をテーマに、画(書)をも巻き込む。
戦国時代末期ながら、芸を愛した武将たちのそれぞれを巻き込んで、和の芸術の集大成を見せる。
アクション映画でないので、そういった迫力とは別物なので、見方によっては、眠い映画である。
タイトルバックでわかるように、華道、茶道をはじめとした日本の伝統芸術のバックアップで作られた映画。
撮影ロケーションも京都の有名どころを使用、まさに日本の伝統美の集大成だ。
佐藤浩市、中井貴一、佐々木蔵之介など、そうそうたる面々が顔をそろえている。